1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
心なしか重い戸を開けると、一気に視線が集まるのを感じる。気持ちは分かる。一年を共に過ごす仲間、もといライバルが気になるのは当然の事だ。とは言え、私だって合格してこの教室に来ているのだから、何も怖がる事はない。むしろ、私をみて、と言わんばかりに可愛い笑顔を作り、自席に向かえばいいのだ。
ホワイトボードに張り出してある座席表を確認し、自分の席に座る。すると、早速声をかけられた。
「ねね、あたしの事覚えてる?」
完璧な体型に、印象的なロングヘア。忘れるわけがない。
「入試の時の!受かってたんだ!!」
「まぁね、でもまさか同じクラスとはね。改めてよろしくっ!」
にっこりと笑う彼女は渋谷友千香。入試の時にたまたま話をし、お互い受かると良いね、と言って分かれた子だ。まさか同じクラスで再会できるなんて。そして席も近いみたいだ。少し安心した。
他愛も無い話をしていると、入学式をやるから体育館にくるように、と校内放送があった。話し手はおそらく学園長だろう。
体育館に向かうまで、色んなクラスメイトと話をした。友ちゃんと、またしても入試で知り合ったらしい音也、音也の友達の真斗くんやなっちゃんと、アイドルコースの男の子とも仲良くなれた。なっちゃんは小さくて可愛いものが好きらしく、早速抱きしめられてしまったが(すごくびっくりしたし驚いた...)みんなとは仲良くやっていけそうだ。年齢も、出身もバラバラな人達が一つの夢を追ってここに集っている。濃い一年になりそうだ。
入学式では学園長の長くて特徴的で有難いお話を聴き、また各教室に戻る。解散直後、ガヤガヤとしている空間で美穂を探してちらっとSクラスの方に目をやると、やはりSクラスと言うべきか、オーラのある人達が集っている。美穂は恥ずかしそうに俯いていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。思わず頑張って!、とガッツポーズをすると、彼女も同様にぐっと手を握って見せた。
「あの子、ルームメイト?」
「そそ、美穂っていうの。作曲家コースなんだって!」
「あたしの同室の子も作曲家コースだよ、ほら春歌も自己紹介しなって!」
友ちゃんに背中を押され前に出てきた子は、七海春歌です、と小さな声で名乗った。私も自己紹介をしていると、音也が割って入ってきた。
「友千香って、七海と同室だったんだ!愛梨はあの三つ編みの子と同室?俺の同室もSクラスだよ!」
へぇー、なんて聞いてるとほらあいつ!とSクラスに向かって指を指した。その指の指す方には、こちらを不機嫌そうな顔で見ている、すらっとした男の人がいた。
「名前はね、トキヤ っていうの!俺なんて昨日さっそく怒られちゃってさー、」
と語る音也の話を聞き終わる前に、おしゃべりは後!早く教室に戻るわよ!、と担任の林檎ちゃんに叱られ、教室に戻ることになった。
今日は初日ということで、クラスで自己紹介をし、明日からの流れの説明を受けて解散となった。放課後の活動も今日は禁止のため、Sクラスに美穂を迎えに行って一緒に帰ることにした。
じゃあまた明日、とクラスメイトに告げ、Sクラスに行こうと教室を出て歩いていると、前から音也の同室の男の人が歩いてきた。名前はたしか、トキヤだったっけ。ぱちっ、と目があってしまい、すれ違うのに無視をするのもどうかと思ったので、軽く会釈をして通り過ぎようとした。ところで、声をかけられた。
「音也はまだ教室ですか。」
綺麗に響く声に驚き、一瞬何を言われたがわからなかったが、まだいますよ、と無意識のうちに返すと、そうですか、では、とそのまま歩いて行った。思わず振り返ってじ、と見ると彼もまた振り返り、なんですか?とでも言いたそうな目で私を見てきた。あ、ヤバいまた目が合っちゃった、と思ってもう一度会釈をして、Sクラスの方へ歩き出した。
美穂と寮に戻るまで、今日あった事を話した。Sクラスはやっぱ、すごい人達が集まっているらしい。彼女曰く、一ノ瀬トキヤはやはりクラスでも別格、との事だ。HAYATOの双子だ、などと噂されているが、立ち振る舞いやオーラなど、やはり飛び抜けているらしい。なんか綺麗な声してたもんねー、と彼女に言ったら、え、話したの?と聞かれてしまった。
「話というか、教室に友達がいるか聞かれて答えただけだけど...」
「一ノ瀬くん、今日男の子としか話してなくって、女の子苦手なのかなって思ってたの。なんか無視してたし...」
え、声かけられたのに無視してたって事?って言ったらそうだよ、と彼女は頷いた。
「なにそれめっちゃ性格悪いじゃん。」
緊張で話せなくなっちゃうならともかくさぁ、と彼女に言ったら笑われてしまった。思わずえ、なんか変なこと言った?という顔をしたら、愛梨ちゃんって可愛いのにもしかして気が強いの?なんて聞き返されて、そこで彼の話は自然と終了してしまった。
寝て起きて、今日は身体測定だから朝ごはん少なめにする!と意気込み、身支度を済ませた。今日は服を脱ぎ着するから自分でも直せるように、と三つ編みにしてもらった。また2人で学園に向かうため、自室のドアを開けた。
ホワイトボードに張り出してある座席表を確認し、自分の席に座る。すると、早速声をかけられた。
「ねね、あたしの事覚えてる?」
完璧な体型に、印象的なロングヘア。忘れるわけがない。
「入試の時の!受かってたんだ!!」
「まぁね、でもまさか同じクラスとはね。改めてよろしくっ!」
にっこりと笑う彼女は渋谷友千香。入試の時にたまたま話をし、お互い受かると良いね、と言って分かれた子だ。まさか同じクラスで再会できるなんて。そして席も近いみたいだ。少し安心した。
他愛も無い話をしていると、入学式をやるから体育館にくるように、と校内放送があった。話し手はおそらく学園長だろう。
体育館に向かうまで、色んなクラスメイトと話をした。友ちゃんと、またしても入試で知り合ったらしい音也、音也の友達の真斗くんやなっちゃんと、アイドルコースの男の子とも仲良くなれた。なっちゃんは小さくて可愛いものが好きらしく、早速抱きしめられてしまったが(すごくびっくりしたし驚いた...)みんなとは仲良くやっていけそうだ。年齢も、出身もバラバラな人達が一つの夢を追ってここに集っている。濃い一年になりそうだ。
入学式では学園長の長くて特徴的で有難いお話を聴き、また各教室に戻る。解散直後、ガヤガヤとしている空間で美穂を探してちらっとSクラスの方に目をやると、やはりSクラスと言うべきか、オーラのある人達が集っている。美穂は恥ずかしそうに俯いていたが、私と目が合うと微笑んでくれた。思わず頑張って!、とガッツポーズをすると、彼女も同様にぐっと手を握って見せた。
「あの子、ルームメイト?」
「そそ、美穂っていうの。作曲家コースなんだって!」
「あたしの同室の子も作曲家コースだよ、ほら春歌も自己紹介しなって!」
友ちゃんに背中を押され前に出てきた子は、七海春歌です、と小さな声で名乗った。私も自己紹介をしていると、音也が割って入ってきた。
「友千香って、七海と同室だったんだ!愛梨はあの三つ編みの子と同室?俺の同室もSクラスだよ!」
へぇー、なんて聞いてるとほらあいつ!とSクラスに向かって指を指した。その指の指す方には、こちらを不機嫌そうな顔で見ている、すらっとした男の人がいた。
「名前はね、トキヤ っていうの!俺なんて昨日さっそく怒られちゃってさー、」
と語る音也の話を聞き終わる前に、おしゃべりは後!早く教室に戻るわよ!、と担任の林檎ちゃんに叱られ、教室に戻ることになった。
今日は初日ということで、クラスで自己紹介をし、明日からの流れの説明を受けて解散となった。放課後の活動も今日は禁止のため、Sクラスに美穂を迎えに行って一緒に帰ることにした。
じゃあまた明日、とクラスメイトに告げ、Sクラスに行こうと教室を出て歩いていると、前から音也の同室の男の人が歩いてきた。名前はたしか、トキヤだったっけ。ぱちっ、と目があってしまい、すれ違うのに無視をするのもどうかと思ったので、軽く会釈をして通り過ぎようとした。ところで、声をかけられた。
「音也はまだ教室ですか。」
綺麗に響く声に驚き、一瞬何を言われたがわからなかったが、まだいますよ、と無意識のうちに返すと、そうですか、では、とそのまま歩いて行った。思わず振り返ってじ、と見ると彼もまた振り返り、なんですか?とでも言いたそうな目で私を見てきた。あ、ヤバいまた目が合っちゃった、と思ってもう一度会釈をして、Sクラスの方へ歩き出した。
美穂と寮に戻るまで、今日あった事を話した。Sクラスはやっぱ、すごい人達が集まっているらしい。彼女曰く、一ノ瀬トキヤはやはりクラスでも別格、との事だ。HAYATOの双子だ、などと噂されているが、立ち振る舞いやオーラなど、やはり飛び抜けているらしい。なんか綺麗な声してたもんねー、と彼女に言ったら、え、話したの?と聞かれてしまった。
「話というか、教室に友達がいるか聞かれて答えただけだけど...」
「一ノ瀬くん、今日男の子としか話してなくって、女の子苦手なのかなって思ってたの。なんか無視してたし...」
え、声かけられたのに無視してたって事?って言ったらそうだよ、と彼女は頷いた。
「なにそれめっちゃ性格悪いじゃん。」
緊張で話せなくなっちゃうならともかくさぁ、と彼女に言ったら笑われてしまった。思わずえ、なんか変なこと言った?という顔をしたら、愛梨ちゃんって可愛いのにもしかして気が強いの?なんて聞き返されて、そこで彼の話は自然と終了してしまった。
寝て起きて、今日は身体測定だから朝ごはん少なめにする!と意気込み、身支度を済ませた。今日は服を脱ぎ着するから自分でも直せるように、と三つ編みにしてもらった。また2人で学園に向かうため、自室のドアを開けた。