1章
夢小説設定
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「おはようございます。」
いつも、今日は一ノ瀬くんより早いかな?と思うタイミングで出ても、必ず彼が先にいる。私は昨日の夜の美穂とのことを思い出してしまったが、平然を装ってあいさつを返した。走りながら話すのは、やっぱりあの事だ。
「...今日は3限、4限目に合同の授業ですね。あなたなりの解釈はまとまりましたか?」
前を向いたまま彼は口を開いた。
「...うん、美穂にも助けてもらって、自分なりに改めて考えてみたよ。一ノ瀬くんの解釈も聞くの楽しみにしてるね。」
「...はい。」そこで会話が止まった。....いつもどんな事話してたっけ!?変に意識してしまって、勝手にギクシャクしてしまう。
すると、ふと彼が足を止めた。
「...どうしました?いつもより元気がないみたいですが...」心配そうな顔をして、私の顔を見た。私は、どうやら、一ノ瀬くんが眉毛を下げている貴重な表情が好きみたいだ。
「...っ全然、元気だよ!」声が裏返りそうになった。
「だったらいいのですが...。あ、ペアとして少し、改善した方がいいかと思う点があるのですが、今申し上げても?」「え...もしかして迷惑かけた?」一ノ瀬くんにそんなことを言われ、咄嗟にそう返してしまった。
「全然違いますよ。...あの、呼び方に関してですが。櫻葉さんって、基本的に友人の事はファーストネームで呼んでいますよね。...私にも、そうしてほしいのですが。」
この時の私は、きっとマヌケな顔をしていただろう。...え、呼び方を下の名前に!?
「えっ...いいんですか...?」動揺して思わず敬語になってしまった私を、ふふっと笑う。
「なぜ敬語なんです?...私がそうしたいと言っているのですから、いいんですよ。私も、これからは愛梨と呼ばせて頂きますね。」
突然呼ばれた下の名前に鼓動が速くなる。...名前を呼ばれただけで、こんなにドキドキするなんて、私は本当に一ノ瀬くんのことが好きなんだなと改めて感じてしまった。
「...トキヤくん。....待って!!思ったより恥ずかしくて!!」試しにと思って口に出したら、思った以上に恥ずかしく、思わず静止をかけてしまった。
「...ふふっ。意外と照れますね。まぁ、いきなりは難しいでしょうから、お互い徐々に慣らしていきましょうね。」
走ったせいか、恥ずかしいせいかは全然わからないが、しばらく顔の赤みが引かなかった。
本当に、私らしくない。昨日の晩、音也にまんまと唆されて、お互い名前で呼び合う関係性まで、一気に駆け上がってしまった。
口に出した彼女の下の名前の呼び方は、想像したよりもしっくりきた。きっと、心の中では何回も呼んでいたからだろうか。
トキヤくん、と可愛い声で私の名前を口に出し、照れている彼女を思わず抱きしめそうになった。...そんな態度を取られると、良いように勘違いしそうになる。あくまでパートナーとして友好的な関係性を築くのだ、と自分に言い聞かせるが、やはり浮かされてしまう。...あなたはわかっていないでしょうけど、私はあなたのことが好きなんですよ。心の中でそう唱えても、彼女に届くはずもない。今はそれでいい。私も彼女も、夢を叶えるためにここに立っている。焦らなくてもいい。
まだ顔が熱いのか、ぱたぱたと自分の顔を扇ぐ彼女はとても可愛らしい。そんな彼女に声をかけて、また並んで走り出した。
いつも、今日は一ノ瀬くんより早いかな?と思うタイミングで出ても、必ず彼が先にいる。私は昨日の夜の美穂とのことを思い出してしまったが、平然を装ってあいさつを返した。走りながら話すのは、やっぱりあの事だ。
「...今日は3限、4限目に合同の授業ですね。あなたなりの解釈はまとまりましたか?」
前を向いたまま彼は口を開いた。
「...うん、美穂にも助けてもらって、自分なりに改めて考えてみたよ。一ノ瀬くんの解釈も聞くの楽しみにしてるね。」
「...はい。」そこで会話が止まった。....いつもどんな事話してたっけ!?変に意識してしまって、勝手にギクシャクしてしまう。
すると、ふと彼が足を止めた。
「...どうしました?いつもより元気がないみたいですが...」心配そうな顔をして、私の顔を見た。私は、どうやら、一ノ瀬くんが眉毛を下げている貴重な表情が好きみたいだ。
「...っ全然、元気だよ!」声が裏返りそうになった。
「だったらいいのですが...。あ、ペアとして少し、改善した方がいいかと思う点があるのですが、今申し上げても?」「え...もしかして迷惑かけた?」一ノ瀬くんにそんなことを言われ、咄嗟にそう返してしまった。
「全然違いますよ。...あの、呼び方に関してですが。櫻葉さんって、基本的に友人の事はファーストネームで呼んでいますよね。...私にも、そうしてほしいのですが。」
この時の私は、きっとマヌケな顔をしていただろう。...え、呼び方を下の名前に!?
「えっ...いいんですか...?」動揺して思わず敬語になってしまった私を、ふふっと笑う。
「なぜ敬語なんです?...私がそうしたいと言っているのですから、いいんですよ。私も、これからは愛梨と呼ばせて頂きますね。」
突然呼ばれた下の名前に鼓動が速くなる。...名前を呼ばれただけで、こんなにドキドキするなんて、私は本当に一ノ瀬くんのことが好きなんだなと改めて感じてしまった。
「...トキヤくん。....待って!!思ったより恥ずかしくて!!」試しにと思って口に出したら、思った以上に恥ずかしく、思わず静止をかけてしまった。
「...ふふっ。意外と照れますね。まぁ、いきなりは難しいでしょうから、お互い徐々に慣らしていきましょうね。」
走ったせいか、恥ずかしいせいかは全然わからないが、しばらく顔の赤みが引かなかった。
本当に、私らしくない。昨日の晩、音也にまんまと唆されて、お互い名前で呼び合う関係性まで、一気に駆け上がってしまった。
口に出した彼女の下の名前の呼び方は、想像したよりもしっくりきた。きっと、心の中では何回も呼んでいたからだろうか。
トキヤくん、と可愛い声で私の名前を口に出し、照れている彼女を思わず抱きしめそうになった。...そんな態度を取られると、良いように勘違いしそうになる。あくまでパートナーとして友好的な関係性を築くのだ、と自分に言い聞かせるが、やはり浮かされてしまう。...あなたはわかっていないでしょうけど、私はあなたのことが好きなんですよ。心の中でそう唱えても、彼女に届くはずもない。今はそれでいい。私も彼女も、夢を叶えるためにここに立っている。焦らなくてもいい。
まだ顔が熱いのか、ぱたぱたと自分の顔を扇ぐ彼女はとても可愛らしい。そんな彼女に声をかけて、また並んで走り出した。