1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その晩、私たちは各自歌詞の解釈を改めて行った。片想いのありきたりな歌詞だが、何を伝えたいのか。この恋は実るのか。この言葉はどんな感情で書かれたものなのか。...私には恋愛経験はないが、私なりに考えた解釈を書き足していく。
「トキヤー!真剣に机に向かって何してんの?」...折角集中していたのに邪魔が入った。
「課題です。邪魔をしないでください。」冷たく言っても聞く男ではない。
「あー!トキヤたちの課題曲?見せて見せてー!」許しを得ていないのに勝手に覗き込んでくる。
「色々書き込んであるー!さっすがトキヤ!...愛梨とのペアはどう?上手くやってる?」当たり前のように彼女を下の名前で呼ぶ彼に少しイラッとしたが、なるべく平静を装う。
「あなたには関係ない事ですが?...まぁ、櫻葉さんは頑張っていますよ。」「ていうかトキヤって、愛梨の事好きなの?」
....突然何を言い出すんだ、この男は!!
「...っは?そういった関係ではなく、ペアとして褒めただけですが?...変な事を言って邪魔をするのでしたら場所を変えます。」この男にこれ以上変な事を言われては堪らないと思い、彼が手にしている紙を奪いまとめる。
「ごめんってー!でも、その歌詞に書き込んでることってさ、愛梨への気持ちじゃないの?俺そう思っちゃったけど...」
彼に指摘され、書いていた言葉を見返すと、そこには心の奥底にある私から彼女への気持ちが表現されている様だった。
「恋愛とは...目が離せない、近くに居たい、応援したい、一緒に何かを成し遂げたい...」私の手元を覗き込んで読み上げる音也の頭を、思わず叩いてしまった。
「何すんだよー!って、トキヤの顔真っ赤じゃん!...やっぱ図星?」意地の悪い顔をしてさらに続ける。「愛梨ってノリいいし、可愛いし努力家だし、だからと言って気取ったりしないから結構モテるよ!うかうかしてたら誰かに取られちゃうんじゃない?」
「ほんっとうにうるさいですね!!何が言いたいんですか!?」キッと睨んで言っても怯まない。「トキヤ最初の頃より全然今の方がいいと思うよ!イキイキしてて。俺応援するから頑張って!...とりあえず、お互い苗字呼びやめれば?」愛梨が苗字呼びしてるのなんてトキヤくらいじゃない?なんて言っているのにも腹が立ったが、彼の指摘は全て正しくて、私は何も言い返せないでいた。
うーんうーんと頭を抱えていると、美穂が声をかけてきた。
「課題曲?すごく悩んでるみたいだけど...」そうなの聞いて〜、と今日あったことを美穂に話した。
「日向先生ねー、私たちも結構厳しいこと言われたよ。それでまた一から見直してるんだね。」どうやら厳しいフィードバックを受けたのは私たちだけでは無さそうだ。
「そう、それで一ノ瀬くんとお互いに解釈を改めてしてみようってなったんだけど全然わからなくて。恋愛って本当難しいよねー。」そう言って彼女を見ると、歌詞をじっと眺めていた。
「うーん、私の意見だけど、この歌詞に捉われるんじゃなくて、愛梨ちゃんなりの片思いの楽しさとか、切なさとか、恋ってこういうものだなーっていうのをとりあえず書き出してみたらどうかな?私も作詞する時、結構自分の考えとか入れちゃうタイプだし...」美穂にそうアドバイスされて、とりあえず書き出してみることにした。思い浮かんだことをどんどん書いていくと、自然に頭も整理できる気がする。
「美穂、手があいたらちょっと見てほしいんだけど...」30分くらいだろうか、私は自分達が作った曲を聴いていてヘッドホンをしていたので彼女に肩を叩かれて振り返った。ちょうどキリのいい所だったので受け取り、彼女の走り書きに目を通し始めると、彼女は少し恥ずかしそうな顔をしてベッドにちょこんと座った。
恋愛。楽しい、きゅんとする。優しくされるとすごく嬉しい。励まされたり、元気づけられるとやるぞって気持ちになる。私だけ特別扱いされると期待しちゃう。他の女の子といるのを見ると、彼女でもないのに嫉妬しちゃう。
恥ずかしくてドキドキする。近くにいると嬉しいのに緊張する。緊張してずっと呼び方を変えられない。
迷惑かけたくないし、嫌われたくなくて気もめちゃくちゃ使う。でも耐えられなくて弱いところも見せちゃって、少し後悔することもある...
つらつらと書かれた文に目を通す。まとまっていないし、少し読みづらいが、それが逆に彼女の心の中のもやもやを覗き込んでいる様で面白い。...彼女は、まだ気づかないふりをしているのだろうか。
「みたよー。気持ちが素直に書けてると思う!」ぱっと彼女が私の顔をみる。「ありがとう!でも、結局ごちゃごちゃ書いただけで...もっとわからなくなっちゃった。」
「うーん、じゃあこれ書いてる時に1番頭に浮かんだ人って誰?」これじゃまるで、誘導尋問だ。でも、具体的なイメージを持つことはとても大事だし、何より彼女は彼女の想いに素直にいてほしいなと思い思わず言ってしまった。
「...い、一ノ瀬さんかな...。私、一ノ瀬さんのこと好きなのかも...」頬をピンクに染めて、潤んだ瞳でそういった彼女はとても可愛かった。私は知ってたよ、と笑いかけるとえー、やだーー!と抱きついてきた。知ってたよ。だって、一ノ瀬さんの話してる時、目がキラキラしてたもん。気付いてないの、本人たちだけじゃないのかな、と思って少し笑ってしまった。
「トキヤー!真剣に机に向かって何してんの?」...折角集中していたのに邪魔が入った。
「課題です。邪魔をしないでください。」冷たく言っても聞く男ではない。
「あー!トキヤたちの課題曲?見せて見せてー!」許しを得ていないのに勝手に覗き込んでくる。
「色々書き込んであるー!さっすがトキヤ!...愛梨とのペアはどう?上手くやってる?」当たり前のように彼女を下の名前で呼ぶ彼に少しイラッとしたが、なるべく平静を装う。
「あなたには関係ない事ですが?...まぁ、櫻葉さんは頑張っていますよ。」「ていうかトキヤって、愛梨の事好きなの?」
....突然何を言い出すんだ、この男は!!
「...っは?そういった関係ではなく、ペアとして褒めただけですが?...変な事を言って邪魔をするのでしたら場所を変えます。」この男にこれ以上変な事を言われては堪らないと思い、彼が手にしている紙を奪いまとめる。
「ごめんってー!でも、その歌詞に書き込んでることってさ、愛梨への気持ちじゃないの?俺そう思っちゃったけど...」
彼に指摘され、書いていた言葉を見返すと、そこには心の奥底にある私から彼女への気持ちが表現されている様だった。
「恋愛とは...目が離せない、近くに居たい、応援したい、一緒に何かを成し遂げたい...」私の手元を覗き込んで読み上げる音也の頭を、思わず叩いてしまった。
「何すんだよー!って、トキヤの顔真っ赤じゃん!...やっぱ図星?」意地の悪い顔をしてさらに続ける。「愛梨ってノリいいし、可愛いし努力家だし、だからと言って気取ったりしないから結構モテるよ!うかうかしてたら誰かに取られちゃうんじゃない?」
「ほんっとうにうるさいですね!!何が言いたいんですか!?」キッと睨んで言っても怯まない。「トキヤ最初の頃より全然今の方がいいと思うよ!イキイキしてて。俺応援するから頑張って!...とりあえず、お互い苗字呼びやめれば?」愛梨が苗字呼びしてるのなんてトキヤくらいじゃない?なんて言っているのにも腹が立ったが、彼の指摘は全て正しくて、私は何も言い返せないでいた。
うーんうーんと頭を抱えていると、美穂が声をかけてきた。
「課題曲?すごく悩んでるみたいだけど...」そうなの聞いて〜、と今日あったことを美穂に話した。
「日向先生ねー、私たちも結構厳しいこと言われたよ。それでまた一から見直してるんだね。」どうやら厳しいフィードバックを受けたのは私たちだけでは無さそうだ。
「そう、それで一ノ瀬くんとお互いに解釈を改めてしてみようってなったんだけど全然わからなくて。恋愛って本当難しいよねー。」そう言って彼女を見ると、歌詞をじっと眺めていた。
「うーん、私の意見だけど、この歌詞に捉われるんじゃなくて、愛梨ちゃんなりの片思いの楽しさとか、切なさとか、恋ってこういうものだなーっていうのをとりあえず書き出してみたらどうかな?私も作詞する時、結構自分の考えとか入れちゃうタイプだし...」美穂にそうアドバイスされて、とりあえず書き出してみることにした。思い浮かんだことをどんどん書いていくと、自然に頭も整理できる気がする。
「美穂、手があいたらちょっと見てほしいんだけど...」30分くらいだろうか、私は自分達が作った曲を聴いていてヘッドホンをしていたので彼女に肩を叩かれて振り返った。ちょうどキリのいい所だったので受け取り、彼女の走り書きに目を通し始めると、彼女は少し恥ずかしそうな顔をしてベッドにちょこんと座った。
恋愛。楽しい、きゅんとする。優しくされるとすごく嬉しい。励まされたり、元気づけられるとやるぞって気持ちになる。私だけ特別扱いされると期待しちゃう。他の女の子といるのを見ると、彼女でもないのに嫉妬しちゃう。
恥ずかしくてドキドキする。近くにいると嬉しいのに緊張する。緊張してずっと呼び方を変えられない。
迷惑かけたくないし、嫌われたくなくて気もめちゃくちゃ使う。でも耐えられなくて弱いところも見せちゃって、少し後悔することもある...
つらつらと書かれた文に目を通す。まとまっていないし、少し読みづらいが、それが逆に彼女の心の中のもやもやを覗き込んでいる様で面白い。...彼女は、まだ気づかないふりをしているのだろうか。
「みたよー。気持ちが素直に書けてると思う!」ぱっと彼女が私の顔をみる。「ありがとう!でも、結局ごちゃごちゃ書いただけで...もっとわからなくなっちゃった。」
「うーん、じゃあこれ書いてる時に1番頭に浮かんだ人って誰?」これじゃまるで、誘導尋問だ。でも、具体的なイメージを持つことはとても大事だし、何より彼女は彼女の想いに素直にいてほしいなと思い思わず言ってしまった。
「...い、一ノ瀬さんかな...。私、一ノ瀬さんのこと好きなのかも...」頬をピンクに染めて、潤んだ瞳でそういった彼女はとても可愛かった。私は知ってたよ、と笑いかけるとえー、やだーー!と抱きついてきた。知ってたよ。だって、一ノ瀬さんの話してる時、目がキラキラしてたもん。気付いてないの、本人たちだけじゃないのかな、と思って少し笑ってしまった。