2章
夢小説設定
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その日の夜、私の目は妙に冴えてしまってなかなか寝付けないでいた。まるで、翌日枕元にプレゼントが置かれているのを楽しみにしている子どもの様に。なんて可愛いものではなく、数時間前にした彼女とのキスの感覚が忘れられないからだ。頭を空っぽにして目を瞑り、入眠を試みても身体が興奮していて、全くダメだ。かれこれ2時間以上経っただろうか。
目を瞑るとどうしても彼女の顔が浮かんでしまう。赤く上気した頬、潤んだ目。人生で初めてのキスにも関わらず、欲に駆り立てられ、深いキスまでしてしまった。いや、最初にキスをしたのは私だが、ほんの少し触れただけ。深いキスをする様に仕向けてきたのは彼女のほうだ。と人の所為にしていたら、枕元で充電しているスマートフォンが暗闇で突然光った。もちろん、彼女からのメッセージだった。
『遅くにごめん!もう寝てるよね?今日は呼んでくれてありがとう!すごく楽しかったよ。プレゼントもありがとね。今度会う時着けてくね。』彼女は長文になりそうな場合、小分けにして送ってくる癖がある。遅い時間だったがうっかりと既読を付けてしまい、すぐに『起きてた?起こしちゃったならごめん!』と来た。
『起きてました。大丈夫ですよ。もう寝るところですか?』『こんな遅くまで起きてるとか珍しいね!寝れないの?私は今やっとベッドに入ったとこ!』
彼女は変なところで勘が冴えている。寝れないの?と聞かれ、なんと答えればいいか迷ったのだが、その隙に『寝れないならちょっとお話ししよ』と送られてきた。私は少し待ってと送り、ベッドを下り、イヤホンを準備して深呼吸してから通話ボタンを押した。
『もしもし?寝れないの?』彼女の声は少しからかいを含んでいた。『私もさっきやっと寝ようとしたとこです。誰かのせいで今電話していますが。』私は彼女に見透かされている感じがして恥ずかしくなり、わざと生意気なことを言って対抗した。
『えーそれはごめんね。でも寝る前に、どうしてもいおに連絡したくて。さっきも送ったけど、今日は本当にありがとう。』彼女の好きな所は沢山あるが、そのうちの一つは、お礼がしっかり言える素直な所だった。私は少し天邪鬼で意地っ張りな所があるが、いつも彼女のペースに呑まれ、私も素直になってしまう。
『...いえ、楽しかったならよかったです。こちらこそ来てくれてありがとうございました。あと、プレゼントも大切にしますね。』私も!あのリングすごい可愛い!無くさない様に気をつけるね!、と饒舌に話す彼女の声は弾んでいて、これは本当に喜んでるな、よかったと胸を撫で下ろした。それからしばらく感想などを言い合っていたが、突然彼女の声が色めいた。
『...ねぇ、』私はどきっとした。側から聞いていたらそんなに声の違いは無いのであろうが、直感的にと言うか、とにかく突然空気が変わった気がして、鼓動が早まった。
『...ちゅーしてくれたの、嬉しかったからまたしてね。』色っぽく、またどこか媚のある声で彼女は言う。私は返答に困り、2人の間に暫しの沈黙が走った。
『...そうですか。』やっと絞り出した私のふるえた声を皮切りに、彼女はまた話し出す。『あと押し倒されたのも、ちょっとドキドキしたから、またして。』『...何言ってるんですか。あなたの危機感が無いから、分からせてあげたかっただけですからね。』心臓がばくばくとうるさい。『その割には、いおも興奮してたじゃん。』ばくん、と一際大きく心臓が拍動し、私は声を詰まらせた。指摘が正しいから。『...っ、あなたも興奮してたでしょ。』『否定はしないんね。可愛い』『...べつに、可愛くはないです。』『ねぇ、ちゅーするのほんとに初めてだった?』突然何を聞いてくるのだ、この人は。『は、初めてですけど!なんですか!?』はじめは声を潜めて通話していたのに、自分の声が大きくなっていることに気づき、口許を押さえた。『...だって、ちゅーするの上手なんだもん』思わずは?!と声を上げそうになったが、なんとか抑えた。『....なんなんですか、さっきから。初めてですよ、ちゃんと。あなたこそ、本当に初めてなんですか。』冷静を装い聞いた。『初めてだよ、これは本当。...なんか我慢できなくなっちゃって。....嫌だった?』『...っ嫌なわけ、ないです。』『今思い出してるでしょ?』声が意地悪になる。図星だ。『あなたこそ、思い出してるくせに。』私の精一杯の対抗も虚しく、彼女は続ける。しかし、さっきの意地悪な声ではなく、少し可愛くねだった声だ。『ほんとは寝れなかったの。思い出しちゃって。ねぇ、電話越しで良いからもう1回ちゅーして。おねがい。』
顔は見えないのに、彼女がいつも私にねだる時の、少し眉を下げて上目遣いの可愛い顔が鮮明に浮かぶ。恥ずかしい、とは思いつつも熱に浮かされていた私は早めに了承してしまった。
『...1回だけですよ。......ちゅっ』我ながらかなり恥ずかしい事をしたと思いつつ、ほら満足ですか!?と捲し立てた。彼女はえーすき、とか録音しとけばよかった、とかはしゃいでいた。気づけばかれこれ1時間半以上は通話しており、この後すぐに切ったが、結局それから1時間程は寝付けなかった。
目を瞑るとどうしても彼女の顔が浮かんでしまう。赤く上気した頬、潤んだ目。人生で初めてのキスにも関わらず、欲に駆り立てられ、深いキスまでしてしまった。いや、最初にキスをしたのは私だが、ほんの少し触れただけ。深いキスをする様に仕向けてきたのは彼女のほうだ。と人の所為にしていたら、枕元で充電しているスマートフォンが暗闇で突然光った。もちろん、彼女からのメッセージだった。
『遅くにごめん!もう寝てるよね?今日は呼んでくれてありがとう!すごく楽しかったよ。プレゼントもありがとね。今度会う時着けてくね。』彼女は長文になりそうな場合、小分けにして送ってくる癖がある。遅い時間だったがうっかりと既読を付けてしまい、すぐに『起きてた?起こしちゃったならごめん!』と来た。
『起きてました。大丈夫ですよ。もう寝るところですか?』『こんな遅くまで起きてるとか珍しいね!寝れないの?私は今やっとベッドに入ったとこ!』
彼女は変なところで勘が冴えている。寝れないの?と聞かれ、なんと答えればいいか迷ったのだが、その隙に『寝れないならちょっとお話ししよ』と送られてきた。私は少し待ってと送り、ベッドを下り、イヤホンを準備して深呼吸してから通話ボタンを押した。
『もしもし?寝れないの?』彼女の声は少しからかいを含んでいた。『私もさっきやっと寝ようとしたとこです。誰かのせいで今電話していますが。』私は彼女に見透かされている感じがして恥ずかしくなり、わざと生意気なことを言って対抗した。
『えーそれはごめんね。でも寝る前に、どうしてもいおに連絡したくて。さっきも送ったけど、今日は本当にありがとう。』彼女の好きな所は沢山あるが、そのうちの一つは、お礼がしっかり言える素直な所だった。私は少し天邪鬼で意地っ張りな所があるが、いつも彼女のペースに呑まれ、私も素直になってしまう。
『...いえ、楽しかったならよかったです。こちらこそ来てくれてありがとうございました。あと、プレゼントも大切にしますね。』私も!あのリングすごい可愛い!無くさない様に気をつけるね!、と饒舌に話す彼女の声は弾んでいて、これは本当に喜んでるな、よかったと胸を撫で下ろした。それからしばらく感想などを言い合っていたが、突然彼女の声が色めいた。
『...ねぇ、』私はどきっとした。側から聞いていたらそんなに声の違いは無いのであろうが、直感的にと言うか、とにかく突然空気が変わった気がして、鼓動が早まった。
『...ちゅーしてくれたの、嬉しかったからまたしてね。』色っぽく、またどこか媚のある声で彼女は言う。私は返答に困り、2人の間に暫しの沈黙が走った。
『...そうですか。』やっと絞り出した私のふるえた声を皮切りに、彼女はまた話し出す。『あと押し倒されたのも、ちょっとドキドキしたから、またして。』『...何言ってるんですか。あなたの危機感が無いから、分からせてあげたかっただけですからね。』心臓がばくばくとうるさい。『その割には、いおも興奮してたじゃん。』ばくん、と一際大きく心臓が拍動し、私は声を詰まらせた。指摘が正しいから。『...っ、あなたも興奮してたでしょ。』『否定はしないんね。可愛い』『...べつに、可愛くはないです。』『ねぇ、ちゅーするのほんとに初めてだった?』突然何を聞いてくるのだ、この人は。『は、初めてですけど!なんですか!?』はじめは声を潜めて通話していたのに、自分の声が大きくなっていることに気づき、口許を押さえた。『...だって、ちゅーするの上手なんだもん』思わずは?!と声を上げそうになったが、なんとか抑えた。『....なんなんですか、さっきから。初めてですよ、ちゃんと。あなたこそ、本当に初めてなんですか。』冷静を装い聞いた。『初めてだよ、これは本当。...なんか我慢できなくなっちゃって。....嫌だった?』『...っ嫌なわけ、ないです。』『今思い出してるでしょ?』声が意地悪になる。図星だ。『あなたこそ、思い出してるくせに。』私の精一杯の対抗も虚しく、彼女は続ける。しかし、さっきの意地悪な声ではなく、少し可愛くねだった声だ。『ほんとは寝れなかったの。思い出しちゃって。ねぇ、電話越しで良いからもう1回ちゅーして。おねがい。』
顔は見えないのに、彼女がいつも私にねだる時の、少し眉を下げて上目遣いの可愛い顔が鮮明に浮かぶ。恥ずかしい、とは思いつつも熱に浮かされていた私は早めに了承してしまった。
『...1回だけですよ。......ちゅっ』我ながらかなり恥ずかしい事をしたと思いつつ、ほら満足ですか!?と捲し立てた。彼女はえーすき、とか録音しとけばよかった、とかはしゃいでいた。気づけばかれこれ1時間半以上は通話しており、この後すぐに切ったが、結局それから1時間程は寝付けなかった。
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