2章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
不覚なことに、体調を崩してしまった。何年振りだろうか。アイドルは身体が資本、日頃から体調管理だけは徹底していた...はずだったのに。体調が悪いと、よく人肌が恋しくなる、などと言っているが、私には当てはまらないと思っていた。幼少期は...まぁ、仕方がないとして、17歳にもなった高校生が、風邪を引いた事を理由に、他人に甘えるなんてあってはならない事だ。
嬉しい事に、アイドリッシュセブンの仕事は軌道に乗り、最近ではテレビの出演も増えてきた。当然、オフの日も減る。会える時間が減っては愛梨さんに寂しい思いをさせてしまうと思い、連絡はマメに行なっていた。...が、会えなくて寂しい思いをしていたのは、私の方だったのかもしれない。
その日の事は熱であまりよく覚えていない。彼女が看病しに来てくれた、というざっくりとした記憶しか残っていなかった。...四葉さんと二階堂さんにあの話を聞くまでは。おそらく、彼女の看病の甲斐もあってか、次の日にはおおよそ治っていた。朝、起きてリビングに行くと、挨拶をする前に四葉さんと二階堂さんに、四葉さんの散らかった部屋に連行された。
「...ちょっと、二人してなんですか!?」
「いやー、イチ、今日は体調良いのかー?」
「見ればわかるでしょう、まさかそれを言うために部屋に連行した訳ではないですよね。」
「いおりん治ったのってさ、チューされたから?」
......は?と一瞬思ったが、昨日の出来事が一気にフラッシュバックした。...帰り際に起こったことも。
「いやー、青春羨ましいわー。イチ良かったな。彼女に抱きつけるわ、チューしてもらえるわ、でさ。怪我の功名ってやつだな。」なんて言われた。抱きつけるわ?、とは。フラッシュバックしたのはどうやら一部の出来事らしく、二階堂さんのその一言で、私が、その、愛梨さんに抱きついてしまった事もはっきりと思い出した。
「でもあそこは俺が愛梨ちんでもちゅーしたわ。いおりんあざとかったよ。見てたけど。」どうしてこの人はこういう事を言ってくるのだ、なんて怒りが湧く前に、顔が熱くなって来た。そのあと二人に何を言ってどうやって自室に戻って来たかは覚えていない。
昨日の失態を詫びようと彼女に連絡を入れた。彼女からも詫びが返ってきた。...頬にキスをしてきた事に対してか。......おそらく、私は淡白そうに見えるのだろう。彼女から、そういう事をして欲しい、と強請られた事はない。彼女は手を繋ぎたい、というレベルの要求しかしてこない。私が高校生だから?淡白そうだから?...私に期待していないから?正直に言うと、私も...健全な高校生だ。彼女と恋人らしい事をしたいという欲はある。が、もし、自分からそういう事をしてしまって彼女から嫌われたりしたら...。と思うとなかなか前進出来ないでいた。今回は熱に浮かされていた。彼女に対し、わがままを言ったり、甘えたりしたのなんか始めての経験だった。...パーフェクトな私というイメージが壊れる事が怖い。そんな所まで思考が回るはずなんてない。彼女が帰ってしまう、また暫く会えなくなってしまう、と思った瞬間に勝手に体が動いていた。抱きしめた彼女の身体は柔らかく、男子とは全く違うそれだった。布越しに伝わる鼓動が速くなっていくのを感じながらも止めることができなかった。
そして、離した瞬間に、頬に触れたもの。その正体がわかるまで、しばらく時間が必要だったのだ。
嬉しい事に、アイドリッシュセブンの仕事は軌道に乗り、最近ではテレビの出演も増えてきた。当然、オフの日も減る。会える時間が減っては愛梨さんに寂しい思いをさせてしまうと思い、連絡はマメに行なっていた。...が、会えなくて寂しい思いをしていたのは、私の方だったのかもしれない。
その日の事は熱であまりよく覚えていない。彼女が看病しに来てくれた、というざっくりとした記憶しか残っていなかった。...四葉さんと二階堂さんにあの話を聞くまでは。おそらく、彼女の看病の甲斐もあってか、次の日にはおおよそ治っていた。朝、起きてリビングに行くと、挨拶をする前に四葉さんと二階堂さんに、四葉さんの散らかった部屋に連行された。
「...ちょっと、二人してなんですか!?」
「いやー、イチ、今日は体調良いのかー?」
「見ればわかるでしょう、まさかそれを言うために部屋に連行した訳ではないですよね。」
「いおりん治ったのってさ、チューされたから?」
......は?と一瞬思ったが、昨日の出来事が一気にフラッシュバックした。...帰り際に起こったことも。
「いやー、青春羨ましいわー。イチ良かったな。彼女に抱きつけるわ、チューしてもらえるわ、でさ。怪我の功名ってやつだな。」なんて言われた。抱きつけるわ?、とは。フラッシュバックしたのはどうやら一部の出来事らしく、二階堂さんのその一言で、私が、その、愛梨さんに抱きついてしまった事もはっきりと思い出した。
「でもあそこは俺が愛梨ちんでもちゅーしたわ。いおりんあざとかったよ。見てたけど。」どうしてこの人はこういう事を言ってくるのだ、なんて怒りが湧く前に、顔が熱くなって来た。そのあと二人に何を言ってどうやって自室に戻って来たかは覚えていない。
昨日の失態を詫びようと彼女に連絡を入れた。彼女からも詫びが返ってきた。...頬にキスをしてきた事に対してか。......おそらく、私は淡白そうに見えるのだろう。彼女から、そういう事をして欲しい、と強請られた事はない。彼女は手を繋ぎたい、というレベルの要求しかしてこない。私が高校生だから?淡白そうだから?...私に期待していないから?正直に言うと、私も...健全な高校生だ。彼女と恋人らしい事をしたいという欲はある。が、もし、自分からそういう事をしてしまって彼女から嫌われたりしたら...。と思うとなかなか前進出来ないでいた。今回は熱に浮かされていた。彼女に対し、わがままを言ったり、甘えたりしたのなんか始めての経験だった。...パーフェクトな私というイメージが壊れる事が怖い。そんな所まで思考が回るはずなんてない。彼女が帰ってしまう、また暫く会えなくなってしまう、と思った瞬間に勝手に体が動いていた。抱きしめた彼女の身体は柔らかく、男子とは全く違うそれだった。布越しに伝わる鼓動が速くなっていくのを感じながらも止めることができなかった。
そして、離した瞬間に、頬に触れたもの。その正体がわかるまで、しばらく時間が必要だったのだ。