1章
夢小説設定
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「はぁー、つっかれたー。」
「やっと解放された...。とりあえずおつかれ。」
大学では中間試験の時期だ。三年で比較的余裕のある時間割だが、やはりテスト期間になると辛い。...普段からちゃんと講義を受けていればよかった...なんて後悔は、もう何度目だろうか。いつも試験期間中はお休みをもらっている。マスターも奥さんも、積極的に応援してくれるのだ。徹夜をするのにカフェインを大量摂取していると、美味しいハニーミルクラテが飲みたい...なんて思ってしまう。試験も終わり、今日は久しぶりに出勤だ。店は変わりないだろうか。今日もバイト?お疲れ会やらないの!?なんで怒り気味の友人を宥め、足を急がせた。
駅でトイレに行って軽くお化粧を直す。誕生日に友人にもらった、可愛らしいブランドのリップグロスはお気に入りだ。...よし、いつもの顔になった。朝クマ凄かったしな、なんて思い出し少し笑いそうになった。試験の開放感からか、足取りも軽い。久しぶりに飲むハニーミルクラテ、楽しみだ。
チリンチリン、と聞き慣れた音を響かせ扉を開けた。そんな私の目に飛び込んで来たのは、久々に会ったマスターでもなく奥さんでもなく、一織くんだった。...よかった、さっきお化粧直して。一織くんはちょうど帰るところだったらしい。色々言いたい事があって、何から言うべきか悩んでいたら彼から声を掛けてきた。
「お久しぶりです。これから出勤ですか?」
「うん、一織くんは帰っちゃうの?」
「夕方からレッスンがあるので...、あ、そういえばファンレターありがとうございました。」
ヒュッと呼吸が止まった。比喩ではなく。うわーーーーめちゃくちゃ恥ずかしい!!あの内容読まれたってことだよね、と恥ずかしさや後悔、でも読んでくれたことに対しての嬉しさなど、色々な感情が私を襲った。
「えっと、ライブ、凄かったです。」
「ありがとうございます。手紙からも伝わってきました。」
墓穴掘ってどうするんだ。もう笑うしかない、えへへ、と間抜けな笑顔の私の顔を一織くんが何か言いかけながら見ていた。
「...あの、それでこれ。」と手渡されたのはシンプルな紺色の封筒だった。訳がわからない、と言った顔をしている私に彼が続けた。
「返信です。」......まさか。えっ、と状況を飲み込まないでいる私に、さらに追い討ちをかけて来た。
「そういえば、試験期間だったらしいですね。お疲れ様でした。」それでは、と言って去っていった彼の背中を見つめる事しか出来なかった。...試験期間で休みだった時も、何回か来てたのよ、なんて奥さんに言われてしまい、ますます顔が熱くなった。
その日のバイトはあまり覚えていない。貰った手紙は家で読もう、今読んだら仕事どころではなくなる、と思って鞄にしまった手紙の内容が気になりすぎて、ずっとそわそわしてしまった。
「やっと解放された...。とりあえずおつかれ。」
大学では中間試験の時期だ。三年で比較的余裕のある時間割だが、やはりテスト期間になると辛い。...普段からちゃんと講義を受けていればよかった...なんて後悔は、もう何度目だろうか。いつも試験期間中はお休みをもらっている。マスターも奥さんも、積極的に応援してくれるのだ。徹夜をするのにカフェインを大量摂取していると、美味しいハニーミルクラテが飲みたい...なんて思ってしまう。試験も終わり、今日は久しぶりに出勤だ。店は変わりないだろうか。今日もバイト?お疲れ会やらないの!?なんで怒り気味の友人を宥め、足を急がせた。
駅でトイレに行って軽くお化粧を直す。誕生日に友人にもらった、可愛らしいブランドのリップグロスはお気に入りだ。...よし、いつもの顔になった。朝クマ凄かったしな、なんて思い出し少し笑いそうになった。試験の開放感からか、足取りも軽い。久しぶりに飲むハニーミルクラテ、楽しみだ。
チリンチリン、と聞き慣れた音を響かせ扉を開けた。そんな私の目に飛び込んで来たのは、久々に会ったマスターでもなく奥さんでもなく、一織くんだった。...よかった、さっきお化粧直して。一織くんはちょうど帰るところだったらしい。色々言いたい事があって、何から言うべきか悩んでいたら彼から声を掛けてきた。
「お久しぶりです。これから出勤ですか?」
「うん、一織くんは帰っちゃうの?」
「夕方からレッスンがあるので...、あ、そういえばファンレターありがとうございました。」
ヒュッと呼吸が止まった。比喩ではなく。うわーーーーめちゃくちゃ恥ずかしい!!あの内容読まれたってことだよね、と恥ずかしさや後悔、でも読んでくれたことに対しての嬉しさなど、色々な感情が私を襲った。
「えっと、ライブ、凄かったです。」
「ありがとうございます。手紙からも伝わってきました。」
墓穴掘ってどうするんだ。もう笑うしかない、えへへ、と間抜けな笑顔の私の顔を一織くんが何か言いかけながら見ていた。
「...あの、それでこれ。」と手渡されたのはシンプルな紺色の封筒だった。訳がわからない、と言った顔をしている私に彼が続けた。
「返信です。」......まさか。えっ、と状況を飲み込まないでいる私に、さらに追い討ちをかけて来た。
「そういえば、試験期間だったらしいですね。お疲れ様でした。」それでは、と言って去っていった彼の背中を見つめる事しか出来なかった。...試験期間で休みだった時も、何回か来てたのよ、なんて奥さんに言われてしまい、ますます顔が熱くなった。
その日のバイトはあまり覚えていない。貰った手紙は家で読もう、今読んだら仕事どころではなくなる、と思って鞄にしまった手紙の内容が気になりすぎて、ずっとそわそわしてしまった。