1章
夢小説設定
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「あー、楽しかった!最高!」終演後、明るく照らされた客席で思わず隣の彼女と声を上げる。
「愛梨泣き出すんだもん、びっくりした。目、腫れてるけど大丈夫?」
「だって、なんか感動しちゃって...。腫れ、早く引かないかな...。」
そう、涙が止まらなくなってしまったのだ。最後まで彼の姿を目に焼き付けようとしてたのに、涙が邪魔をして、歪んだ世界しか見れなくなってしまった。...もったいない。アイドルオタクあるあるだと言われてしまうだろうが、あの時、彼は私を見ていた。微笑んでくれた。わずか5秒にも満たない刹那だと思うが、私の胸をいっぱいにするには十分過ぎた。...大好き。初めて会った時から、多分彼に惹かれていた。おそらく彼は不器用で素直じゃない性格をしているのだろう。あの日、話してて少しぶっきらぼうで冷たい感じがしたが、実は照れ屋なだけだったのではないだろうか。クールそうに見えて甘党っていうところも可愛い。年相応の笑った顔も好き。歌い方が優しいところも好き。ダンスがかっこいいところも好き。...ファンとしてではなく、私として。アイドルとしての和泉一織ではなく、和泉一織が好き。
「あのさ、今日このまま帰るの惜しくない?うち泊まり来ない?」彼女は二つ返事で了承したので、私のアパートへと向かうことにした。
テンションが上がっていた私たちは、部屋に入るやいなや、とりあえずファンレターを書きたい!という事になった。便箋と封筒のセットなんて久しぶりに引っ張り出した。今の昂ぶった感情を、男子に送るには少しファンシーな紙にぶつけた。後で読み返したら恥ずかしくなるんだろうな、なんて思いつつも手を止める事が出来なかった。書きあがった物はお互い交換して読み、お互いの気持ちを知る事ができた。どうやら彼女も三月さんに完全に落ちたらしい。とりあえずお金をあげたい、パトロンになりたい、なんて言っている彼女も、相当今日のライブを楽しんでくれたようだった。
明日になったら恥ずかしくなって出せなくなりそうだったので、勢いでコンビニで切手を買って投函した。
わーやばい、出しちゃったよ!なんてゲラゲラ笑いながら道を歩いている私たちを、すれ違う人達が見ていた。
「愛梨泣き出すんだもん、びっくりした。目、腫れてるけど大丈夫?」
「だって、なんか感動しちゃって...。腫れ、早く引かないかな...。」
そう、涙が止まらなくなってしまったのだ。最後まで彼の姿を目に焼き付けようとしてたのに、涙が邪魔をして、歪んだ世界しか見れなくなってしまった。...もったいない。アイドルオタクあるあるだと言われてしまうだろうが、あの時、彼は私を見ていた。微笑んでくれた。わずか5秒にも満たない刹那だと思うが、私の胸をいっぱいにするには十分過ぎた。...大好き。初めて会った時から、多分彼に惹かれていた。おそらく彼は不器用で素直じゃない性格をしているのだろう。あの日、話してて少しぶっきらぼうで冷たい感じがしたが、実は照れ屋なだけだったのではないだろうか。クールそうに見えて甘党っていうところも可愛い。年相応の笑った顔も好き。歌い方が優しいところも好き。ダンスがかっこいいところも好き。...ファンとしてではなく、私として。アイドルとしての和泉一織ではなく、和泉一織が好き。
「あのさ、今日このまま帰るの惜しくない?うち泊まり来ない?」彼女は二つ返事で了承したので、私のアパートへと向かうことにした。
テンションが上がっていた私たちは、部屋に入るやいなや、とりあえずファンレターを書きたい!という事になった。便箋と封筒のセットなんて久しぶりに引っ張り出した。今の昂ぶった感情を、男子に送るには少しファンシーな紙にぶつけた。後で読み返したら恥ずかしくなるんだろうな、なんて思いつつも手を止める事が出来なかった。書きあがった物はお互い交換して読み、お互いの気持ちを知る事ができた。どうやら彼女も三月さんに完全に落ちたらしい。とりあえずお金をあげたい、パトロンになりたい、なんて言っている彼女も、相当今日のライブを楽しんでくれたようだった。
明日になったら恥ずかしくなって出せなくなりそうだったので、勢いでコンビニで切手を買って投函した。
わーやばい、出しちゃったよ!なんてゲラゲラ笑いながら道を歩いている私たちを、すれ違う人達が見ていた。