1章
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初めてのライブ。お客さんが全然集まらなくて申し訳ない、とマネージャーに泣きながら謝罪されたが、想定内だった。
円陣を組み、気合いを入れた。私も、他のメンバーも今日のこのスタートは一生忘れないだろう。...彼女は、愛梨さんは来てくれただろうか。私はどうしても、今日のステージを見て欲しかったのだ。私たちのスタートを、見守って欲しかったのだ。
照明が落ちたと同時に上がる歓声。少ない客数でも、意外と聞こえるものだな、なんて思ってしまった。...彼女が、いた。私の色を持って、目をキラキラさせながらこちらを見ている。...可愛い。いや、それどころではない、いくら嬉しいとはいえ、まだ始まったばかりだ。なるべく全体を見るようにしなければ。メンバーの動きも把握しつつ、客席にも目を向ける。...でも、やはり、彼女に目を向けてしまう。さっきまでライトを振って楽しそうにコールをしていたのに、今はただ私をずっと見つめているようだった。私は、なんて顔してるんですか、という意味を込めて少し微笑んでみた。...彼女は、泣き出してしまったようだ。...え、どうかしたのだろうか。泣くようなことしてしまっただろうか。......感動してくれてるのだろうか、私たちのパフォーマンスに。そうだったら嬉しい。人数こそは集まらなかったが、この会場に来てくれた方、そして彼女には、最高のスタートを見せられたようだった。
ライブは無事に終了し、私たちは楽屋に戻って来た。みんなでお疲れ、と声を掛け合っている中に...やはり、厄介者はいた。
「なーなーいおりん、愛梨ちん来てたの気付いた?いおりん推しだったじゃん、よかったな。」...何もみんなの前で言わなくても良いのに。「えっ、誰?一織の知り合いの子?」「なんだよイチ、気になってる子でも来たのかー?」厄介者がまた増えた。七瀬さん、二階堂さんには関係のない事です、と切り捨てたかったが、無理だった。さて、どう返せば無難だろうか、なんて考えていたら、兄さんが助け船を出してくれた。
「俺らが世話になった女の子だよな、一織!」兄さんは私が彼女をライブに誘えた事も知っていた(四葉さんが買収されていた事を後で知ったが)。おそらく、この気持ちにも気付いているはずだ。...だからあの日、あんな事を言っていたのだろう。
「俺らって、アイドルになっちまったら自由に恋愛も出来ないんだろうな。」ある日、二人でレッスンをしていた時、突然言われた。「一織はどう思う?」...突然の質問に対して、どう答えたらいいのか全くわからなかった。「...そうですね、恋愛はたしかに自由ですが、アイドルである以上、特定の女性と交際するなんてことがあったら、マイナスの要因になってしまいますよね...。」だよなー、と言った兄さんの目は私を見ていた。「...でもさ!それって悲しいよな!頑張りたいって思えるものの1つに、好きな奴がいてもいいと思うんだ。もちろん、ファンの子が知ったらショックだろうけどさ。それでも、自分の気持ちに嘘ついて、苦しみながらアイドルするなんて間違ってるよな!」...すっきりした。私もどこかで後ろめたさを感じていたらしい。私は、IDOLiSH7をスーパーアイドルにし、夜空に星を降らせたい。そして、彼女を笑顔にしたい。かっこいい、すてき、大好き、頑張って、と私を、私たちを応援してくれる彼女が見たい。
好きだ。
今日のライブで彼女への想いが確実なものとなった。
円陣を組み、気合いを入れた。私も、他のメンバーも今日のこのスタートは一生忘れないだろう。...彼女は、愛梨さんは来てくれただろうか。私はどうしても、今日のステージを見て欲しかったのだ。私たちのスタートを、見守って欲しかったのだ。
照明が落ちたと同時に上がる歓声。少ない客数でも、意外と聞こえるものだな、なんて思ってしまった。...彼女が、いた。私の色を持って、目をキラキラさせながらこちらを見ている。...可愛い。いや、それどころではない、いくら嬉しいとはいえ、まだ始まったばかりだ。なるべく全体を見るようにしなければ。メンバーの動きも把握しつつ、客席にも目を向ける。...でも、やはり、彼女に目を向けてしまう。さっきまでライトを振って楽しそうにコールをしていたのに、今はただ私をずっと見つめているようだった。私は、なんて顔してるんですか、という意味を込めて少し微笑んでみた。...彼女は、泣き出してしまったようだ。...え、どうかしたのだろうか。泣くようなことしてしまっただろうか。......感動してくれてるのだろうか、私たちのパフォーマンスに。そうだったら嬉しい。人数こそは集まらなかったが、この会場に来てくれた方、そして彼女には、最高のスタートを見せられたようだった。
ライブは無事に終了し、私たちは楽屋に戻って来た。みんなでお疲れ、と声を掛け合っている中に...やはり、厄介者はいた。
「なーなーいおりん、愛梨ちん来てたの気付いた?いおりん推しだったじゃん、よかったな。」...何もみんなの前で言わなくても良いのに。「えっ、誰?一織の知り合いの子?」「なんだよイチ、気になってる子でも来たのかー?」厄介者がまた増えた。七瀬さん、二階堂さんには関係のない事です、と切り捨てたかったが、無理だった。さて、どう返せば無難だろうか、なんて考えていたら、兄さんが助け船を出してくれた。
「俺らが世話になった女の子だよな、一織!」兄さんは私が彼女をライブに誘えた事も知っていた(四葉さんが買収されていた事を後で知ったが)。おそらく、この気持ちにも気付いているはずだ。...だからあの日、あんな事を言っていたのだろう。
「俺らって、アイドルになっちまったら自由に恋愛も出来ないんだろうな。」ある日、二人でレッスンをしていた時、突然言われた。「一織はどう思う?」...突然の質問に対して、どう答えたらいいのか全くわからなかった。「...そうですね、恋愛はたしかに自由ですが、アイドルである以上、特定の女性と交際するなんてことがあったら、マイナスの要因になってしまいますよね...。」だよなー、と言った兄さんの目は私を見ていた。「...でもさ!それって悲しいよな!頑張りたいって思えるものの1つに、好きな奴がいてもいいと思うんだ。もちろん、ファンの子が知ったらショックだろうけどさ。それでも、自分の気持ちに嘘ついて、苦しみながらアイドルするなんて間違ってるよな!」...すっきりした。私もどこかで後ろめたさを感じていたらしい。私は、IDOLiSH7をスーパーアイドルにし、夜空に星を降らせたい。そして、彼女を笑顔にしたい。かっこいい、すてき、大好き、頑張って、と私を、私たちを応援してくれる彼女が見たい。
好きだ。
今日のライブで彼女への想いが確実なものとなった。