short story
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「神さん……キスってどうやってするんですか…?」
尊敬している先輩にこんな質問をしてしまうくらいには、今の俺は切羽詰まっている。
「どうやって、って……唇と唇をくっつけるってこと?」
「あっ!イヤ!そーゆーのじゃなくて、その……」
「おでことかほっぺたにもするよね?」
「ハイ……そうなんすけど」
「あ、手の甲とか?王子様みたいに」
「神さんっ!」
「あはは、ごめんごめん」
俺の言いたいことをわかってるのにワザととぼける神さん。
いつも穏やかで優しい雰囲気なのに、このヒトちょっとイタズラ好きなところあるんだよなぁ。
ほら、ケタケタ笑っちゃってさ。
「タイミングってことでしょ?」
「そうっす」
そう、タイミング。
俺が悩んでるのは正にそれで。
キスってさぁ、いつすんの?
ふたりでいるとき、どうやって始めたらいいんだ?
「タイミング、ねぇ」
「ムズくないすか?」
「んー、別れ際とか?」
「なるほど別れ際……」
「家でゆっくりしてるとき、は無いか」
「ナイっす。部活あるんで」
「だよね」
部屋でふたりっきりとかならそーいう雰囲気になるかもだけど、部活があるからその選択肢はナシ。
となるとやっぱり別れ際……
別れ際に…どのように???
「それなまえちゃんには言ったの?信長が悩んでること」
「言ってナイっす。ダサくないすか?」
「ダサくないよ、ふたりのコトでしょ?」
ふたりのコト………そうだよなぁ。
でもさぁ、こーいうのってカッコつけたいっていうか、男がリードしなきゃって思わねぇ?
こんなふうに悩んでる時点で充分ダサいけど。クソッ!
「気持ちはわかるけどさ、お互いがしたいときがタイミングなんじゃない?」
「お互いが、したいとき……」
「自然にってのもいいけどね、言葉にするのも大切だと思うよ」
「言葉に……そうっすよね。神さんありがとうございます!」
さすが神さん…名字にカミがついてるだけあるぜ…!
俺とひとつしか違わねぇのにこの落ち着きようはスゲェよな。やっぱり経験の差か?
俺も来年にはこんな余裕のある人間になれてんのかなぁ。
彼女ができて3ヶ月が経った。
バスケばっかりでロクにデートもできねぇけど、それでもいいって言ってくれる可愛い彼女。
うまくいってると思うし、仲良くやれてると思う。
毎日メールしたり、寝る前に電話したり……
最近の嬉しいことは、帰り道に手を繋ぐことが恒例になったことかな。
初めて手を繋いだ時なんかは手汗がヤバくて、ちょっと思い出したくないくらいだ。
だから、今度は、次……次に進みたいなーって、思ってて。
クラスメイト達の、彼女とあんなコトしたこんなコトしたっていう刺激的な会話に影響されたワケでは断じてない。
そりゃ、俺もいつかは…って思ってるけど、まずはキスからかなって。うん。
でもどうやってするんだ?って思って……だから神さんに相談したってコト!
「信長くんお疲れさま!」
「待っててくれてありがと」
いつも遅くまで待っててもらって悪いなーって思うんだけど、少しでも一緒に居たいからありがたい。
「信長くんかっこよかった!」
「あざす」
俺ってバスケしてナンボっつーか、勉強も得意じゃねぇし、イケメンって程でもないし……バスケしてる姿は唯一イケてると思うんだよ。だからソコを見てそう言ってもらえると素直に嬉しい。
街頭の明かりが少しあるだけの真っ暗な帰り道、なまえと手を繋いで歩く。
会話は他愛のないことで、今日の晩メシの予想をしたり宿題のことだったり。
特別なことじゃないのに楽しいって、結構相性イイってことじゃねぇ?
「信長くん、あのね、」
「うん」
「あの、あのね?」
「うん、どした?」
さっきまでテンポよく話してたのに、急に歯切れ悪くなるなまえ。
「えっと、ね、」
「うん」
なんか言い出しにくいことかな…?
俺なんかしたっけ?
やましいことは何もナイんだけどな……
あ、もしかして汗くさいとか?
一応練習後はシートで拭いてんだけど、ヤバ…嫌だったかな…
「俺汗くさい?」
「?ううん?」
違ったか……ほっ。じゃあ、何だ!?
え!?待てよ?もしかして俺振られる?
やっぱり休みの日はデートがしたいとか!?
リードしてくれる男がいいとか?
頭がいいヤツがいいとか!?!?
やましいことはなくても、振られそうな理由はいくらでも思いつく。
うまくいってると思ってたのは俺だけだったんだろうか……
やっぱ女の子って牧さんとか神さんみたいなスマートな対応ができる人がいいんだろうな。ハァ……
「あのね、」
「うん………」
終わった。終わってしまった。俺の春よ。
「………キス、したいな」
「なまえ、俺、頼りなかったよな…………え?キス?」
「うん」
「キス?」
「うん」
キス?
キスってキス?
キスってあのキス?
唇と唇をくっつけるキス?
俺がしたかったキス?
頭の中がキスというワードで埋めつくされる。
キスキスキスキスキスキス………
「ご、ごめんね、まだそういうのじゃなかったかな?私、焦っちゃって……ごめんね」
「したい!キス!」
「えっ?」
「しよう!キス!」
俺がすぐに返事をしなかったもんだから、勘違いしてしょんぼりと下を向いてしまったなまえの両肩をガシッと掴んだ。
言わせてしまった。なまえから。
俺がカッコつけたいとか余計なことをアレコレ考えちまったもんだから……なまえに勇気を出させてしまった。
情けない。俺かっこわりー!!!
「ごめん。なまえに言わせて」
「ううん」
「俺も、したかったけど、色々考えちゃって」
「わかるよ」
「なまえも、したかった?」
「………うん」
嬉しい。なまえも同じ気持ちだったんだ。
神さん、言葉にするって大事ですね。
やっぱすげぇや神さん。
「ええっと………いいかな?」
「……いいよ?」
そう言って俺を見上げるなまえが可愛くて一瞬クラッときてしまった。
いけねーいけねー。これからが本番だっていうのに。ちゃんとしろ!俺!
まずはキョロキョロと周りを見渡して人がいないかチェック。
だってやっぱ、誰かに見られたらアレじゃん?
よし、いざ!
あ、ここから先は俺たちだけの時間だから。ナイショでーす。
ん?感想聞きたいって?
そんなのする前からわかってる。
サイコーに決まってんじゃん。じゃね。
尊敬している先輩にこんな質問をしてしまうくらいには、今の俺は切羽詰まっている。
「どうやって、って……唇と唇をくっつけるってこと?」
「あっ!イヤ!そーゆーのじゃなくて、その……」
「おでことかほっぺたにもするよね?」
「ハイ……そうなんすけど」
「あ、手の甲とか?王子様みたいに」
「神さんっ!」
「あはは、ごめんごめん」
俺の言いたいことをわかってるのにワザととぼける神さん。
いつも穏やかで優しい雰囲気なのに、このヒトちょっとイタズラ好きなところあるんだよなぁ。
ほら、ケタケタ笑っちゃってさ。
「タイミングってことでしょ?」
「そうっす」
そう、タイミング。
俺が悩んでるのは正にそれで。
キスってさぁ、いつすんの?
ふたりでいるとき、どうやって始めたらいいんだ?
「タイミング、ねぇ」
「ムズくないすか?」
「んー、別れ際とか?」
「なるほど別れ際……」
「家でゆっくりしてるとき、は無いか」
「ナイっす。部活あるんで」
「だよね」
部屋でふたりっきりとかならそーいう雰囲気になるかもだけど、部活があるからその選択肢はナシ。
となるとやっぱり別れ際……
別れ際に…どのように???
「それなまえちゃんには言ったの?信長が悩んでること」
「言ってナイっす。ダサくないすか?」
「ダサくないよ、ふたりのコトでしょ?」
ふたりのコト………そうだよなぁ。
でもさぁ、こーいうのってカッコつけたいっていうか、男がリードしなきゃって思わねぇ?
こんなふうに悩んでる時点で充分ダサいけど。クソッ!
「気持ちはわかるけどさ、お互いがしたいときがタイミングなんじゃない?」
「お互いが、したいとき……」
「自然にってのもいいけどね、言葉にするのも大切だと思うよ」
「言葉に……そうっすよね。神さんありがとうございます!」
さすが神さん…名字にカミがついてるだけあるぜ…!
俺とひとつしか違わねぇのにこの落ち着きようはスゲェよな。やっぱり経験の差か?
俺も来年にはこんな余裕のある人間になれてんのかなぁ。
彼女ができて3ヶ月が経った。
バスケばっかりでロクにデートもできねぇけど、それでもいいって言ってくれる可愛い彼女。
うまくいってると思うし、仲良くやれてると思う。
毎日メールしたり、寝る前に電話したり……
最近の嬉しいことは、帰り道に手を繋ぐことが恒例になったことかな。
初めて手を繋いだ時なんかは手汗がヤバくて、ちょっと思い出したくないくらいだ。
だから、今度は、次……次に進みたいなーって、思ってて。
クラスメイト達の、彼女とあんなコトしたこんなコトしたっていう刺激的な会話に影響されたワケでは断じてない。
そりゃ、俺もいつかは…って思ってるけど、まずはキスからかなって。うん。
でもどうやってするんだ?って思って……だから神さんに相談したってコト!
「信長くんお疲れさま!」
「待っててくれてありがと」
いつも遅くまで待っててもらって悪いなーって思うんだけど、少しでも一緒に居たいからありがたい。
「信長くんかっこよかった!」
「あざす」
俺ってバスケしてナンボっつーか、勉強も得意じゃねぇし、イケメンって程でもないし……バスケしてる姿は唯一イケてると思うんだよ。だからソコを見てそう言ってもらえると素直に嬉しい。
街頭の明かりが少しあるだけの真っ暗な帰り道、なまえと手を繋いで歩く。
会話は他愛のないことで、今日の晩メシの予想をしたり宿題のことだったり。
特別なことじゃないのに楽しいって、結構相性イイってことじゃねぇ?
「信長くん、あのね、」
「うん」
「あの、あのね?」
「うん、どした?」
さっきまでテンポよく話してたのに、急に歯切れ悪くなるなまえ。
「えっと、ね、」
「うん」
なんか言い出しにくいことかな…?
俺なんかしたっけ?
やましいことは何もナイんだけどな……
あ、もしかして汗くさいとか?
一応練習後はシートで拭いてんだけど、ヤバ…嫌だったかな…
「俺汗くさい?」
「?ううん?」
違ったか……ほっ。じゃあ、何だ!?
え!?待てよ?もしかして俺振られる?
やっぱり休みの日はデートがしたいとか!?
リードしてくれる男がいいとか?
頭がいいヤツがいいとか!?!?
やましいことはなくても、振られそうな理由はいくらでも思いつく。
うまくいってると思ってたのは俺だけだったんだろうか……
やっぱ女の子って牧さんとか神さんみたいなスマートな対応ができる人がいいんだろうな。ハァ……
「あのね、」
「うん………」
終わった。終わってしまった。俺の春よ。
「………キス、したいな」
「なまえ、俺、頼りなかったよな…………え?キス?」
「うん」
「キス?」
「うん」
キス?
キスってキス?
キスってあのキス?
唇と唇をくっつけるキス?
俺がしたかったキス?
頭の中がキスというワードで埋めつくされる。
キスキスキスキスキスキス………
「ご、ごめんね、まだそういうのじゃなかったかな?私、焦っちゃって……ごめんね」
「したい!キス!」
「えっ?」
「しよう!キス!」
俺がすぐに返事をしなかったもんだから、勘違いしてしょんぼりと下を向いてしまったなまえの両肩をガシッと掴んだ。
言わせてしまった。なまえから。
俺がカッコつけたいとか余計なことをアレコレ考えちまったもんだから……なまえに勇気を出させてしまった。
情けない。俺かっこわりー!!!
「ごめん。なまえに言わせて」
「ううん」
「俺も、したかったけど、色々考えちゃって」
「わかるよ」
「なまえも、したかった?」
「………うん」
嬉しい。なまえも同じ気持ちだったんだ。
神さん、言葉にするって大事ですね。
やっぱすげぇや神さん。
「ええっと………いいかな?」
「……いいよ?」
そう言って俺を見上げるなまえが可愛くて一瞬クラッときてしまった。
いけねーいけねー。これからが本番だっていうのに。ちゃんとしろ!俺!
まずはキョロキョロと周りを見渡して人がいないかチェック。
だってやっぱ、誰かに見られたらアレじゃん?
よし、いざ!
あ、ここから先は俺たちだけの時間だから。ナイショでーす。
ん?感想聞きたいって?
そんなのする前からわかってる。
サイコーに決まってんじゃん。じゃね。
