ハニカミ少年少女
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こ、しの、くん……?」
今日は授業が終わってもすぐに帰る気にならなくて。
教室でボンヤリしていたら担任の先生に用事を頼まれて……終わらせてからもまたボーッと外を眺めていた。
誰かが廊下を走ってるなあって思ったら、教室のドアが勢いよく開いた。
ドアが開いた瞬間私の名前を呼ぶ声がして、ビックリして反射的に返事をすると
教室の入口に立っていたのは、越野くん。
「っ、はァ、みょうじさん、いた!」
「?う、うん。今日はちょっと残ってて…」
息を切らして話す越野くんは部活の練習着姿で。
その口元は少しだけ緩んでいるように見えた。
「越野くん、どうしたの?部活は?」
「いや、ちょっとみょうじさんに話したいことがあって…」
「話したい、こと?」
「あの、さ、手紙、ありがとう」
越野くんがぺこりと頭を下げた。
「っ、ううん、好き勝手に書いちゃっててゴメンね…」
「いや、俺もさっきこれ読んでさ。お礼言うの遅くなってゴメン」
「全然、大丈夫。気の利いたこと書けなくて、ゴメンね」
「こっちこそ、応援来てくれたのに勝てなくてゴメン」
「…………」
「…………」
「ははっ!俺達ゴメンって言い過ぎ!」
「あはは!そうだよね、ゴメン。…あっ!」
「また言った!」
越野くんとこんな風に笑い合って話したのって初めてかもしれない。
越野くんって、こんな風に笑うんだなあ。
「みょうじさん、手紙にも書いてあったけど、またバスケ観に来てよ」
「うん!いいの?」
「ルールとかもさ、わかんなかったら教えるし」
「本当?ありがとう」
「俺達、もう負けないから!」
「っ、私も!私も応援頑張るね」
「じゃあ、俺部活戻るから」
「うん。頑張ってね」
軽く手を振って越野くんが教室を出ていく姿を見送る。
「あのっ!」
「っ!はぃ!」
ドアのところで急に越野くんが振り返った。
「手紙、本当にありがとう!」
「うん、どういたしまして」
「…………」
「?」
私の方を向いたまま越野くんは黙ってしまって、私はどうすれば良いのかわからないまま越野くんの方を遠慮がちに見るしかなかった。
少しの沈黙のあと、また越野くんが話し始めて…
「あの、ちょっと前に、あったじゃん、手紙のやつ…」
「…うん」
私達にとって“手紙のやつ”は、あのことしかない。
「あのとき俺、忘れてほしいって言ったけど、みょうじさんはどういう意味でとった?」
「どういう意味って……えっと、越野くんが、私のことを、その…良い、な、って言ったことを忘れてって意味、だよね?」
「いや、実はそれ、ちょっとだけ違くて…」
……違う?
でも違うって言っても、それ以外に修正する内容、ないよね?
「あ、越野くんがラブレターを貰ったことを忘れてってこと?」
「えっと、それもなんだけど、あの時俺、みょうじさんに告白まがいなことをしたじゃん?でもあれが告白になるのはちょっと違うと思って……だから、また仕切り直したいって思いで一旦忘れてほしい、の忘れて、だったんだけど……まあ、わかんないよな、当然か」
“あれが告白になるのは違うと思って”
“また仕切り直したい”
“一旦忘れて”
頭の中で越野くんの言葉を繰り返す。
“一旦”、ってことは、つまり…
「俺、さ、みょうじさんのこと良いなって思ってるのは本当で、今も、それは変わんなくて……試合観に来てくれたりしたの、すげぇ嬉しかったし、みょうじさんがくれた手紙も、なんか、こう、想いが詰まってたっていうか…俺のこと、悪いようには思ってないのかなって…」
「もし、もしそうなら、俺、これから期待しても良いかな…?」
越野くんが、私を真っ直ぐ見つめてる。
正直、越野くんのことを好きかどうかはまだわからない。
でも、一生懸命伝えてくれたことは素直に嬉しくて。
越野くんの真剣な表情にドキドキしているのも事実。
もし、今「うん」って言ったら、さっきみたいに笑う越野くんが見れるかもって思ってる私は、越野くんのことが気になってるっていう証拠なのかな。
その後、私の発した言葉に腰を抜かした越野くんを見て「好きだなぁ」って思ったことは、彼にはまだ秘密にしておくね。
ハニカミ少年少女 end.
今日は授業が終わってもすぐに帰る気にならなくて。
教室でボンヤリしていたら担任の先生に用事を頼まれて……終わらせてからもまたボーッと外を眺めていた。
誰かが廊下を走ってるなあって思ったら、教室のドアが勢いよく開いた。
ドアが開いた瞬間私の名前を呼ぶ声がして、ビックリして反射的に返事をすると
教室の入口に立っていたのは、越野くん。
「っ、はァ、みょうじさん、いた!」
「?う、うん。今日はちょっと残ってて…」
息を切らして話す越野くんは部活の練習着姿で。
その口元は少しだけ緩んでいるように見えた。
「越野くん、どうしたの?部活は?」
「いや、ちょっとみょうじさんに話したいことがあって…」
「話したい、こと?」
「あの、さ、手紙、ありがとう」
越野くんがぺこりと頭を下げた。
「っ、ううん、好き勝手に書いちゃっててゴメンね…」
「いや、俺もさっきこれ読んでさ。お礼言うの遅くなってゴメン」
「全然、大丈夫。気の利いたこと書けなくて、ゴメンね」
「こっちこそ、応援来てくれたのに勝てなくてゴメン」
「…………」
「…………」
「ははっ!俺達ゴメンって言い過ぎ!」
「あはは!そうだよね、ゴメン。…あっ!」
「また言った!」
越野くんとこんな風に笑い合って話したのって初めてかもしれない。
越野くんって、こんな風に笑うんだなあ。
「みょうじさん、手紙にも書いてあったけど、またバスケ観に来てよ」
「うん!いいの?」
「ルールとかもさ、わかんなかったら教えるし」
「本当?ありがとう」
「俺達、もう負けないから!」
「っ、私も!私も応援頑張るね」
「じゃあ、俺部活戻るから」
「うん。頑張ってね」
軽く手を振って越野くんが教室を出ていく姿を見送る。
「あのっ!」
「っ!はぃ!」
ドアのところで急に越野くんが振り返った。
「手紙、本当にありがとう!」
「うん、どういたしまして」
「…………」
「?」
私の方を向いたまま越野くんは黙ってしまって、私はどうすれば良いのかわからないまま越野くんの方を遠慮がちに見るしかなかった。
少しの沈黙のあと、また越野くんが話し始めて…
「あの、ちょっと前に、あったじゃん、手紙のやつ…」
「…うん」
私達にとって“手紙のやつ”は、あのことしかない。
「あのとき俺、忘れてほしいって言ったけど、みょうじさんはどういう意味でとった?」
「どういう意味って……えっと、越野くんが、私のことを、その…良い、な、って言ったことを忘れてって意味、だよね?」
「いや、実はそれ、ちょっとだけ違くて…」
……違う?
でも違うって言っても、それ以外に修正する内容、ないよね?
「あ、越野くんがラブレターを貰ったことを忘れてってこと?」
「えっと、それもなんだけど、あの時俺、みょうじさんに告白まがいなことをしたじゃん?でもあれが告白になるのはちょっと違うと思って……だから、また仕切り直したいって思いで一旦忘れてほしい、の忘れて、だったんだけど……まあ、わかんないよな、当然か」
“あれが告白になるのは違うと思って”
“また仕切り直したい”
“一旦忘れて”
頭の中で越野くんの言葉を繰り返す。
“一旦”、ってことは、つまり…
「俺、さ、みょうじさんのこと良いなって思ってるのは本当で、今も、それは変わんなくて……試合観に来てくれたりしたの、すげぇ嬉しかったし、みょうじさんがくれた手紙も、なんか、こう、想いが詰まってたっていうか…俺のこと、悪いようには思ってないのかなって…」
「もし、もしそうなら、俺、これから期待しても良いかな…?」
越野くんが、私を真っ直ぐ見つめてる。
正直、越野くんのことを好きかどうかはまだわからない。
でも、一生懸命伝えてくれたことは素直に嬉しくて。
越野くんの真剣な表情にドキドキしているのも事実。
もし、今「うん」って言ったら、さっきみたいに笑う越野くんが見れるかもって思ってる私は、越野くんのことが気になってるっていう証拠なのかな。
その後、私の発した言葉に腰を抜かした越野くんを見て「好きだなぁ」って思ったことは、彼にはまだ秘密にしておくね。
ハニカミ少年少女 end.
15/15ページ
