初恋cherry.番外編
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「ユッちゃん、ジュース買いに行っても良い?」
昼休み、お弁当を食べ終えて一息ついてからユッちゃんを自販機に誘った。
「ん、いいよ」
「ありがとう」
ユッちゃんの承諾を得ると財布を持って教室を出る。
ジュースを買いたいからとユッちゃんを誘ったものの、正直なところ、ジュースは買わなくても良い。
自分の水筒も持ってるし、すごく飲みたいものがあるわけでもなくて。
目的は、片想い中の諸星くん。
クラスが遠いから部活を観に行く以外は滅多に見かけたりすれ違ったりできないけど、諸星くんがよく学食にいることを知ってからはちょくちょく学食前の自販機を利用するようになった。
「わざわざジュース買わなくても諸星くんだけ見に行けば良いじゃん」
私が自販機に誘う理由を知りつつも付き合ってくれるユッちゃんにこう言われるのは何度目だろうか。
「だ、だって変じゃない?用事もないのに学食の前をウロウロしてるなんて」
この返しも同じく何度目かわからない。
「誰も見てないと思うけどね~」
「でも!もしかしたらって思うと…!」
「はいはい、恋する乙女心は難しいね~」
「ありがとね?ユッちゃん」
「いーよ。私何飲もっかな~」
目的の食堂につくと自販機には数人の列ができていた。
最後尾に並ぶなりすぐに食堂の中に目をやると、友達と笑い合う諸星くんの姿を見つけて思わず口元が緩む。
「お、今日王子様いるね」
嬉しくてニヤけが止まらない私をユッちゃんが肘でぐりぐりとつついてくる。
んー!諸星くんの笑った顔、最高!
何話してるのかなぁ。
今日は何食べたのかな、いっぱい食べるんだろうなぁ。毎日部活頑張ってるもんね。
たとえ遠くからでも、一目見るだけで私の頭の中は諸星くんでいっぱいになる。
話したこともないっていうのに、我ながらおめでたい頭だ。
自分達の順番がきて小銭を入れながら諸星くんをチラチラと見ていると、最後に入れようとした10円玉が床に落ちてしまった。
「あっ!」
チャリーン、と硬貨が落ちたとき特有の高い音が響く。
「あ~!もう咲季~!」
「わ、わ、ごめん!」
ひゃー、恥ずかしい!
顔中に血液が集まって真っ赤になっていくのを感じながら、慌てて10円玉を拾いあげ自販機に投入してボタンを押した。
買ったジュースを飲みながらその場で少しだけユッちゃんとおしゃべりしていたけど、貴重な昼休みはあと僅か。
「そろそろ予鈴鳴るし、戻ろっか」
「もういいの?」
「うん。ユッちゃんありがとう」
そりゃあ、ずっと見ていたい気持ちは山々なんだけど、いつまでもいても、ね。何か、アレだし、ね。
後ろ髪引かれながらも自分の教室へと歩き出す。
「そういえばさ、諸星くんさっきこっち見てたよ」
「うそ!?いつ!?」
「咲季が小銭落としたとき」
「えええ~!じゃあ鈍臭い子だと思われたかも!?」
「実際鈍臭いんだから良いじゃん」
「あー!ひどいユッちゃん!」
「あはは、ごめんごめん!でもさ、男はちょっと抜けてる女の子の方が好きじゃない?」
「そうかなあ……」
諸星くんが私の存在を知ってくれることは凄く嬉しいんだけど、さっきのは微妙だと思う。
だってユッちゃんが言うような子が諸星くんの好みとは限らないもん。
ああ、もっと可愛くなりたいなぁ。諸星くんに釣り合うような、こう、スタイリッシュっていうのかな?そんな女の子になりたいよ。
「あ!いいこと思いついた!」
「え!?なになに!?」
「これから毎日小銭落としてみれば!?そしたら諸星くんに毎日見てもらえるかもよ?」
「何それ~!毎日小銭落とすなんてヤバい人だよ!」
「そのうちに覚えてもらえてさ、小銭さんって呼んでくれるかも」
「小銭さんなんて絶対イヤだよ~!」
ユッちゃんの提案に乗る気は勿論ないけど、諸星くんが私を見てくれるなら、たまに小銭を落としてみるのも良いかも…なんて思ってる私はどうかしてると思う。
だって、一方的に諸星くんのことを見てるだけでも充分幸せなのに、諸星くんの視界に私が入るなんて。そんな、凄い。
「ま、何はともあれ今日は見れて良かったね」
「うんっ!」
はぁ~、今日もカッコよかったぁ~!
今日も放課後部活の見学行こうっと。
この数ヶ月後、諸星くんから「体育館さん」と呼ばれる日がくることを、私はまだ知らない。
昼休み、お弁当を食べ終えて一息ついてからユッちゃんを自販機に誘った。
「ん、いいよ」
「ありがとう」
ユッちゃんの承諾を得ると財布を持って教室を出る。
ジュースを買いたいからとユッちゃんを誘ったものの、正直なところ、ジュースは買わなくても良い。
自分の水筒も持ってるし、すごく飲みたいものがあるわけでもなくて。
目的は、片想い中の諸星くん。
クラスが遠いから部活を観に行く以外は滅多に見かけたりすれ違ったりできないけど、諸星くんがよく学食にいることを知ってからはちょくちょく学食前の自販機を利用するようになった。
「わざわざジュース買わなくても諸星くんだけ見に行けば良いじゃん」
私が自販機に誘う理由を知りつつも付き合ってくれるユッちゃんにこう言われるのは何度目だろうか。
「だ、だって変じゃない?用事もないのに学食の前をウロウロしてるなんて」
この返しも同じく何度目かわからない。
「誰も見てないと思うけどね~」
「でも!もしかしたらって思うと…!」
「はいはい、恋する乙女心は難しいね~」
「ありがとね?ユッちゃん」
「いーよ。私何飲もっかな~」
目的の食堂につくと自販機には数人の列ができていた。
最後尾に並ぶなりすぐに食堂の中に目をやると、友達と笑い合う諸星くんの姿を見つけて思わず口元が緩む。
「お、今日王子様いるね」
嬉しくてニヤけが止まらない私をユッちゃんが肘でぐりぐりとつついてくる。
んー!諸星くんの笑った顔、最高!
何話してるのかなぁ。
今日は何食べたのかな、いっぱい食べるんだろうなぁ。毎日部活頑張ってるもんね。
たとえ遠くからでも、一目見るだけで私の頭の中は諸星くんでいっぱいになる。
話したこともないっていうのに、我ながらおめでたい頭だ。
自分達の順番がきて小銭を入れながら諸星くんをチラチラと見ていると、最後に入れようとした10円玉が床に落ちてしまった。
「あっ!」
チャリーン、と硬貨が落ちたとき特有の高い音が響く。
「あ~!もう咲季~!」
「わ、わ、ごめん!」
ひゃー、恥ずかしい!
顔中に血液が集まって真っ赤になっていくのを感じながら、慌てて10円玉を拾いあげ自販機に投入してボタンを押した。
買ったジュースを飲みながらその場で少しだけユッちゃんとおしゃべりしていたけど、貴重な昼休みはあと僅か。
「そろそろ予鈴鳴るし、戻ろっか」
「もういいの?」
「うん。ユッちゃんありがとう」
そりゃあ、ずっと見ていたい気持ちは山々なんだけど、いつまでもいても、ね。何か、アレだし、ね。
後ろ髪引かれながらも自分の教室へと歩き出す。
「そういえばさ、諸星くんさっきこっち見てたよ」
「うそ!?いつ!?」
「咲季が小銭落としたとき」
「えええ~!じゃあ鈍臭い子だと思われたかも!?」
「実際鈍臭いんだから良いじゃん」
「あー!ひどいユッちゃん!」
「あはは、ごめんごめん!でもさ、男はちょっと抜けてる女の子の方が好きじゃない?」
「そうかなあ……」
諸星くんが私の存在を知ってくれることは凄く嬉しいんだけど、さっきのは微妙だと思う。
だってユッちゃんが言うような子が諸星くんの好みとは限らないもん。
ああ、もっと可愛くなりたいなぁ。諸星くんに釣り合うような、こう、スタイリッシュっていうのかな?そんな女の子になりたいよ。
「あ!いいこと思いついた!」
「え!?なになに!?」
「これから毎日小銭落としてみれば!?そしたら諸星くんに毎日見てもらえるかもよ?」
「何それ~!毎日小銭落とすなんてヤバい人だよ!」
「そのうちに覚えてもらえてさ、小銭さんって呼んでくれるかも」
「小銭さんなんて絶対イヤだよ~!」
ユッちゃんの提案に乗る気は勿論ないけど、諸星くんが私を見てくれるなら、たまに小銭を落としてみるのも良いかも…なんて思ってる私はどうかしてると思う。
だって、一方的に諸星くんのことを見てるだけでも充分幸せなのに、諸星くんの視界に私が入るなんて。そんな、凄い。
「ま、何はともあれ今日は見れて良かったね」
「うんっ!」
はぁ~、今日もカッコよかったぁ~!
今日も放課後部活の見学行こうっと。
この数ヶ月後、諸星くんから「体育館さん」と呼ばれる日がくることを、私はまだ知らない。