初恋cherry.番外編
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
東京と愛知で遠距離になった私達だけど、諸星くんはほとんど毎日連絡をくれる。
日中は講義の合間にメールを少しと、「部活終わったよ」のメールと、寝る前に電話をくれて今日あったことを話してからオヤスミを言う。
それが日課の私達だけど、たまに連絡がない日もある。
部活が特にハードな日は帰ってお風呂に入ってそのまま寝てしまうこともあるそうで。
そういうときは私からも連絡はしない。
疲れて寝てるのに起こすのが申し訳ないから。
で、どうやら今日はその日みたい。
部活終わったよのメールが届いて、お疲れさまって返信してから特に連絡はない。
23時過ぎ、いつもなら何かしら連絡がくる頃だけど、今日は寝ちゃったかな?
部活で何時間も動いてるんだもんね、疲れて寝ちゃって当然だと思う。
もう少しテレビでも観たら寝ようかなとリモコンを手に取ってパチパチとチャンネルをかえていると携帯の着信音が鳴り出した。
あ、電話……諸星くんだ!
「もしもし」
勢いよく通話ボタンを押したい気持ちをこらえて一呼吸おいてから電話に出た。
この、電話に出る瞬間はいつになっても緊張する。諸星くんからの電話のときは特に。
「咲季?もう寝てた?」
「ううん起きてたよ」
「ゴメン、連絡遅くなった」
「大丈夫だよ、寝ちゃったかなーって思ってた」
「ちょっと用事してて」
「そっか」
私の大学のこと、バイトのこと、諸星くんの大学のこと、部活のこと、今日あった些細なことを話す。
私のバイト先での話をしたら、諸星くんは決まって「変な男いない?」って心配する。
「いないよ」って言ったら、「ほんとに?」って。ほんとだよ?
それに、そんなの私の方が何十倍も心配してるのに。そんなこと恥ずかしくて言えないけど。
「咲季に逢いたいなー」
「うん、私も」
「次は~、お盆休みか。逢えるの」
「そうだね。ふふ、楽しみ」
早く逢いたいね、いつになったら逢えるね、もう少しだね、って話すの、すごく好き。
お互いが同じことを思って考えてるとき、気持ちが通じ合ってるなぁって思えるから。
「なあ咲季、寂しい?」
「え?何?突然」
「俺と逢えなくて寂しい?」
「それは……うん、さみしい、よ?」
うん、さみしい。
私達はいつでも逢えるわけじゃないから、寂しくないなんて言ったらウソになる。
でも“寂しい”って口に出したらもっと寂しくなるような気がして、普段はあんまり考えないようにしてる。
諸星くんが頑張ってるんだから私も頑張ろうって思うし、何より、私が不安にならないように気遣ってくれることがすごく伝わってるから。
「じゃあさ、俺に逢いたいって言ってみて?」
「えっ?どういうこと?」
「いーから。言ってみて」
「?えっと、諸星くんに、逢いたい」
「はーい!」
「え?何だったの?」
「はは、窓、開けてみ?」
「窓?」
今のやりとりの意図がわからないまま、彼に言われた通りに部屋の窓を開けた。
「咲季」
「……諸星、くん?」
私の名前を呼ぶ声がする方に目線を落とすと、家の前の街灯の下に諸星くんが立っていて、こっちに向かって手を振っていた。
「諸星くん!?なんっ…えっ?どうしたの?」
ビックリして大声で叫びたい気持ちを抑えて声をかけた。
お、お、落ち着かなきゃ。夜だもんね、静かに話さないと。
「降りてこれる?」
「うん!あっ、私パジャマだからちょっと待って」
「いーよパジャマで。そのままおいで」
「わかった、すぐ行くね」
慌てて部屋から飛び出して階段を降りた。
諸星くんがいる。どうして?幻?
愛知に帰るなんて言ってなかったよね?だって今日普通の日だもん。
思考がまとまらないまま玄関のドアを開けて諸星くんのところまで駆け寄った。
「咲季」
「な、んで?」
「ん?ワープしてきた」
「ワープ?」
「そ、ワープ。……ってのは冗談で、部活終わってから新幹線飛び乗ってきた」
「え、用事?」
「ううん。咲季に逢いたくなったから来ただけ」
諸星くんはそう言ってニカッと笑った。
「ビックリした?」
「っ、ビックリした!」
「はは、だよな」
「でも明日も大学だよね?」
「うん。今日は実家に泊まって明日朝イチで帰るよ」
ビックリした。ビックリするよね、こんなの。
逢いたくてたまらなかった人が目の前いるんだもん。ビックリしないワケがないよ。
すごい、まだ心臓がバクバクしてる。
「家、あがる?」
「いや、遅いし迷惑になるから大丈夫」
「もう行くの?」
「うん、咲季の顔見に来ただけだから」
「あ、嘘」
「え?」
「顔見に来ただけじゃないや、これも」
次の瞬間、私は彼の腕に包まれた。
「咲季、逢いたかった」
そう言って諸星くんは私の首元に顔をすり寄せた。
彼の髪の毛が肌に触れるのがくすぐったくて、可愛くて、嬉しい。
「私も逢いたかったよ」
まさか今日逢えるなんて思ってもみなかったから、こうやってギュッてできることがいつもよりももっと特別なことに思える。
諸星くんも、そう思ってくれてたらいいな。
「咲季?」
「ん?」
「ちゅーしよ?」
「えっ、ちょっ、ちょっと待ってね」
外で抱き合ってて今更だとは思うけど、夜遅いとはいえ自分の家の前。
諸星くんの腕から離れて辺りを見回して誰も通っていないことを確認する。
「ふ、すげえキョロキョロしてる」
「だ、だって!」
「誰もいなかった?」
「うん、大丈夫」
「じゃあ、はい、おいで。もう1回ぎゅー」
両手を広げた彼の腕に飛び込んでもう一度諸星くんの腕の中におさまった。
ギュウって強く抱き締めてくれてから、優しいキスがひとつ。一度唇を離してからもうひとつ。角度を変えて、またひとつ
ドキドキする。
諸星くんとのキスにときめいてるのは勿論だけど、今もしかしたら誰かに見られちゃうんじゃないかっていうドキドキの気持ちもあって。
「やば、やめらんないんだけど」
「嬉しいよ?」
「あともう2回」
「うん」
「あ、やっぱり3回」
「ふふ、うん」
結局3回じゃやめられなくて、沢山ギュウして沢山キスしてからバイバイした。
部屋に戻ってからベッドの上でさっきの出来事を思い返して喜びに浸る。
はぁ、すっごく嬉しかったなぁ。
ビックリしすぎて頭の中がまだふわふわしてるよ。
ふふ、ワープって。面白いなぁ。
私もいつかワープしてみようかな。
突然現れて、諸星くんの驚く顔が見たい。
なんていうのは口実で、ただ私が逢いに行きたいだけなんだけど、ね。
日中は講義の合間にメールを少しと、「部活終わったよ」のメールと、寝る前に電話をくれて今日あったことを話してからオヤスミを言う。
それが日課の私達だけど、たまに連絡がない日もある。
部活が特にハードな日は帰ってお風呂に入ってそのまま寝てしまうこともあるそうで。
そういうときは私からも連絡はしない。
疲れて寝てるのに起こすのが申し訳ないから。
で、どうやら今日はその日みたい。
部活終わったよのメールが届いて、お疲れさまって返信してから特に連絡はない。
23時過ぎ、いつもなら何かしら連絡がくる頃だけど、今日は寝ちゃったかな?
部活で何時間も動いてるんだもんね、疲れて寝ちゃって当然だと思う。
もう少しテレビでも観たら寝ようかなとリモコンを手に取ってパチパチとチャンネルをかえていると携帯の着信音が鳴り出した。
あ、電話……諸星くんだ!
「もしもし」
勢いよく通話ボタンを押したい気持ちをこらえて一呼吸おいてから電話に出た。
この、電話に出る瞬間はいつになっても緊張する。諸星くんからの電話のときは特に。
「咲季?もう寝てた?」
「ううん起きてたよ」
「ゴメン、連絡遅くなった」
「大丈夫だよ、寝ちゃったかなーって思ってた」
「ちょっと用事してて」
「そっか」
私の大学のこと、バイトのこと、諸星くんの大学のこと、部活のこと、今日あった些細なことを話す。
私のバイト先での話をしたら、諸星くんは決まって「変な男いない?」って心配する。
「いないよ」って言ったら、「ほんとに?」って。ほんとだよ?
それに、そんなの私の方が何十倍も心配してるのに。そんなこと恥ずかしくて言えないけど。
「咲季に逢いたいなー」
「うん、私も」
「次は~、お盆休みか。逢えるの」
「そうだね。ふふ、楽しみ」
早く逢いたいね、いつになったら逢えるね、もう少しだね、って話すの、すごく好き。
お互いが同じことを思って考えてるとき、気持ちが通じ合ってるなぁって思えるから。
「なあ咲季、寂しい?」
「え?何?突然」
「俺と逢えなくて寂しい?」
「それは……うん、さみしい、よ?」
うん、さみしい。
私達はいつでも逢えるわけじゃないから、寂しくないなんて言ったらウソになる。
でも“寂しい”って口に出したらもっと寂しくなるような気がして、普段はあんまり考えないようにしてる。
諸星くんが頑張ってるんだから私も頑張ろうって思うし、何より、私が不安にならないように気遣ってくれることがすごく伝わってるから。
「じゃあさ、俺に逢いたいって言ってみて?」
「えっ?どういうこと?」
「いーから。言ってみて」
「?えっと、諸星くんに、逢いたい」
「はーい!」
「え?何だったの?」
「はは、窓、開けてみ?」
「窓?」
今のやりとりの意図がわからないまま、彼に言われた通りに部屋の窓を開けた。
「咲季」
「……諸星、くん?」
私の名前を呼ぶ声がする方に目線を落とすと、家の前の街灯の下に諸星くんが立っていて、こっちに向かって手を振っていた。
「諸星くん!?なんっ…えっ?どうしたの?」
ビックリして大声で叫びたい気持ちを抑えて声をかけた。
お、お、落ち着かなきゃ。夜だもんね、静かに話さないと。
「降りてこれる?」
「うん!あっ、私パジャマだからちょっと待って」
「いーよパジャマで。そのままおいで」
「わかった、すぐ行くね」
慌てて部屋から飛び出して階段を降りた。
諸星くんがいる。どうして?幻?
愛知に帰るなんて言ってなかったよね?だって今日普通の日だもん。
思考がまとまらないまま玄関のドアを開けて諸星くんのところまで駆け寄った。
「咲季」
「な、んで?」
「ん?ワープしてきた」
「ワープ?」
「そ、ワープ。……ってのは冗談で、部活終わってから新幹線飛び乗ってきた」
「え、用事?」
「ううん。咲季に逢いたくなったから来ただけ」
諸星くんはそう言ってニカッと笑った。
「ビックリした?」
「っ、ビックリした!」
「はは、だよな」
「でも明日も大学だよね?」
「うん。今日は実家に泊まって明日朝イチで帰るよ」
ビックリした。ビックリするよね、こんなの。
逢いたくてたまらなかった人が目の前いるんだもん。ビックリしないワケがないよ。
すごい、まだ心臓がバクバクしてる。
「家、あがる?」
「いや、遅いし迷惑になるから大丈夫」
「もう行くの?」
「うん、咲季の顔見に来ただけだから」
「あ、嘘」
「え?」
「顔見に来ただけじゃないや、これも」
次の瞬間、私は彼の腕に包まれた。
「咲季、逢いたかった」
そう言って諸星くんは私の首元に顔をすり寄せた。
彼の髪の毛が肌に触れるのがくすぐったくて、可愛くて、嬉しい。
「私も逢いたかったよ」
まさか今日逢えるなんて思ってもみなかったから、こうやってギュッてできることがいつもよりももっと特別なことに思える。
諸星くんも、そう思ってくれてたらいいな。
「咲季?」
「ん?」
「ちゅーしよ?」
「えっ、ちょっ、ちょっと待ってね」
外で抱き合ってて今更だとは思うけど、夜遅いとはいえ自分の家の前。
諸星くんの腕から離れて辺りを見回して誰も通っていないことを確認する。
「ふ、すげえキョロキョロしてる」
「だ、だって!」
「誰もいなかった?」
「うん、大丈夫」
「じゃあ、はい、おいで。もう1回ぎゅー」
両手を広げた彼の腕に飛び込んでもう一度諸星くんの腕の中におさまった。
ギュウって強く抱き締めてくれてから、優しいキスがひとつ。一度唇を離してからもうひとつ。角度を変えて、またひとつ
ドキドキする。
諸星くんとのキスにときめいてるのは勿論だけど、今もしかしたら誰かに見られちゃうんじゃないかっていうドキドキの気持ちもあって。
「やば、やめらんないんだけど」
「嬉しいよ?」
「あともう2回」
「うん」
「あ、やっぱり3回」
「ふふ、うん」
結局3回じゃやめられなくて、沢山ギュウして沢山キスしてからバイバイした。
部屋に戻ってからベッドの上でさっきの出来事を思い返して喜びに浸る。
はぁ、すっごく嬉しかったなぁ。
ビックリしすぎて頭の中がまだふわふわしてるよ。
ふふ、ワープって。面白いなぁ。
私もいつかワープしてみようかな。
突然現れて、諸星くんの驚く顔が見たい。
なんていうのは口実で、ただ私が逢いに行きたいだけなんだけど、ね。