初恋cherry.番外編
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諸星くんが愛知に帰ってきた。
帰省じゃなくて、今までみたいに何日間だけとかじゃなくて、本当に帰ってきた。
大学を卒業した私達。
私は地元企業でOL、諸星くんは愛知のチームでプレイする。
私は変わらず実家暮らしだけど、諸星くんは駅前にアパートを借りて一人暮らし。
今日は諸星くんが引っ越してくる日で、私はその荷解きのお手伝いに来た。
「やば、結構頑張んないと今日ここで寝られそうにないなぁ」
「そうだね、頑張らないと」
部屋中に沢山積まれた段ボールを手分けしてひとつずつ開けていく。
荷物を出しながら“これはどこに置く?”なんて話してると、新婚さんみたい?なんて思っちゃう私は相当浮かれていると思う。
だって、4年間も離れて暮らしてたんだもん。
心が離れたことは一度もなかったけど、会いたいときにすぐに会えないもどかしさはあったから……
これからまたお互い新しい生活が始まって寂しい想いをすることもあるかもしれないけど、それでも諸星くんが近くにいるって思うだけで心強い。
「ここ、駅が近くていいね」
「うん。咲季も来やすいとこにしたから」
諸星くんはサラッと言うけれど、私にとっては飛び上がるくらい嬉しいひとことで。
自分が彼の生活の一部になれてるんだなぁって感じてつい頬が緩んでしまう。
「咲季の物も何でも持ってきていいよ」
「食器とか、ちょっと増やしてもいいかな?」
「全然オッケー!」
東京の家のときも私のパジャマや料理道具を諸星くんの家に置かせてもらっていたけど、これからは距離が近くなるぶん今までよりももっと密度の濃いのもになりそうで楽しみだ。
「お弁当作ってきたから、お昼になったら食べよう?」
「マジ!?やった!」
諸星くんのところへ会いに行ったときに何度も料理はしたけど、お弁当を作るのはかなり久しぶりで。
「すげぇ楽しみ!頑張ろ」
「卵焼き甘いのだよ」
「うわ!最高!」
いつもそんなすごい物を作っているわけじゃないのに、こうやって喜んでくれる諸星くんは本当に優しい。
この屈託のない笑顔が私は好きで好きでたまらなくて、ちょっともう困るくらいだよ。
「初めてデートしたとき咲季が弁当作ってくれたよなぁ」
「覚えてくれてるんだ!?」
「当然!あれすげぇ嬉しかったもん」
「ふふ、懐かしいね」
「咲季はこれ覚えてる?」
「なに?」
「あの日初めてキスしたの」
「っ!」
諸星くんの発言で、高3のあの日の記憶が瞬時に呼び起こされて、私の顔は一気に熱を持った。
「なぁ、覚えてる?」
「……うん」
諸星くんが私の顔を覗き込むように話しかける。
ジッと視線を合わせていると、彼の綺麗なふたえの目に吸い込まれてしまいそう。
「俺あの日さ、咲季のこともっと好きになったんだよ」
甘い言葉のあとに、触れるだけのキスがひとつ。
離れて、また触れて、角度を変えてもうひとつ。
「咲季、これからはいっぱい一緒にいられるな?」
ギュッと抱き締めてくれて、私も背中に腕を回して抱き締め返す。
諸星くんの胸に顔を埋めて幸せを噛み締めていたら鼻の奥がツンと痛くなるのを感じた。
何年経っても私の涙腺は相変わらず緩いままだ……凛々しい大人になりたいんだけどなぁ。
「咲季?顔見せてよ」
「だめ」
こんなこと言っちゃって
「なんで?」
「言えない」
隠せるわけないのにね。
「はは、泣き虫」
ほら、バレバレだ。
「諸星くんが嬉しいこと言うからだよ」
「俺のせい?」
「ううん」
諸星くんのせいじゃないけど……誰のせいかって言ったら諸星くんのせいかも…?
「大好きは?」
「大好き」
これからまた新しい季節が始まるね。
帰省じゃなくて、今までみたいに何日間だけとかじゃなくて、本当に帰ってきた。
大学を卒業した私達。
私は地元企業でOL、諸星くんは愛知のチームでプレイする。
私は変わらず実家暮らしだけど、諸星くんは駅前にアパートを借りて一人暮らし。
今日は諸星くんが引っ越してくる日で、私はその荷解きのお手伝いに来た。
「やば、結構頑張んないと今日ここで寝られそうにないなぁ」
「そうだね、頑張らないと」
部屋中に沢山積まれた段ボールを手分けしてひとつずつ開けていく。
荷物を出しながら“これはどこに置く?”なんて話してると、新婚さんみたい?なんて思っちゃう私は相当浮かれていると思う。
だって、4年間も離れて暮らしてたんだもん。
心が離れたことは一度もなかったけど、会いたいときにすぐに会えないもどかしさはあったから……
これからまたお互い新しい生活が始まって寂しい想いをすることもあるかもしれないけど、それでも諸星くんが近くにいるって思うだけで心強い。
「ここ、駅が近くていいね」
「うん。咲季も来やすいとこにしたから」
諸星くんはサラッと言うけれど、私にとっては飛び上がるくらい嬉しいひとことで。
自分が彼の生活の一部になれてるんだなぁって感じてつい頬が緩んでしまう。
「咲季の物も何でも持ってきていいよ」
「食器とか、ちょっと増やしてもいいかな?」
「全然オッケー!」
東京の家のときも私のパジャマや料理道具を諸星くんの家に置かせてもらっていたけど、これからは距離が近くなるぶん今までよりももっと密度の濃いのもになりそうで楽しみだ。
「お弁当作ってきたから、お昼になったら食べよう?」
「マジ!?やった!」
諸星くんのところへ会いに行ったときに何度も料理はしたけど、お弁当を作るのはかなり久しぶりで。
「すげぇ楽しみ!頑張ろ」
「卵焼き甘いのだよ」
「うわ!最高!」
いつもそんなすごい物を作っているわけじゃないのに、こうやって喜んでくれる諸星くんは本当に優しい。
この屈託のない笑顔が私は好きで好きでたまらなくて、ちょっともう困るくらいだよ。
「初めてデートしたとき咲季が弁当作ってくれたよなぁ」
「覚えてくれてるんだ!?」
「当然!あれすげぇ嬉しかったもん」
「ふふ、懐かしいね」
「咲季はこれ覚えてる?」
「なに?」
「あの日初めてキスしたの」
「っ!」
諸星くんの発言で、高3のあの日の記憶が瞬時に呼び起こされて、私の顔は一気に熱を持った。
「なぁ、覚えてる?」
「……うん」
諸星くんが私の顔を覗き込むように話しかける。
ジッと視線を合わせていると、彼の綺麗なふたえの目に吸い込まれてしまいそう。
「俺あの日さ、咲季のこともっと好きになったんだよ」
甘い言葉のあとに、触れるだけのキスがひとつ。
離れて、また触れて、角度を変えてもうひとつ。
「咲季、これからはいっぱい一緒にいられるな?」
ギュッと抱き締めてくれて、私も背中に腕を回して抱き締め返す。
諸星くんの胸に顔を埋めて幸せを噛み締めていたら鼻の奥がツンと痛くなるのを感じた。
何年経っても私の涙腺は相変わらず緩いままだ……凛々しい大人になりたいんだけどなぁ。
「咲季?顔見せてよ」
「だめ」
こんなこと言っちゃって
「なんで?」
「言えない」
隠せるわけないのにね。
「はは、泣き虫」
ほら、バレバレだ。
「諸星くんが嬉しいこと言うからだよ」
「俺のせい?」
「ううん」
諸星くんのせいじゃないけど……誰のせいかって言ったら諸星くんのせいかも…?
「大好きは?」
「大好き」
これからまた新しい季節が始まるね。
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