10th ANNIVERSARY
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「何でアヤちゃんは俺に振り向いてくれないんだァ!」
ホームルームを終えた教室には、私とリョータくんのふたり。
もう部活に行かなきゃなんだけど、今日はちょっと話が盛り上がってしまって。恋バナで。
恋バナって言っても、片想い協定を結んでる私たちがグダグダ喋るっていうだけなんだけど。
「リョータくん!ちゃんと告白しよう?彩子も待ってるって!」
「だって俺、アヤちゃんにフラれたら生きていけねぇよ……」
リョータくんの気持ちは皆さんご存知の通りで、もちろん彩子だって気づいてるはず。
ハタから見ても結構お似合いだって思うし、告白さえすれば一歩進むと思うんだけど。
それなのにリョータくんったら何度言っても怖気付いちゃってさ。
私はふたりのクラスメイトとバスケ部マネージャーをやってる近い仲なんだから、もうちょっと私の言葉を信用してほしいよね。
ほーんと、じれったいったらありゃしない。
「なまえちゃんだって三井サンに告白しないじゃん」
「むっ!無理無理無理無理!」
「ほら、なまえちゃんも無理って言うじゃんか」
口をへの字に曲げたリョータくんからの反撃に、私はアワアワしながら両手を振った。
「無理だよ。三井先輩は私のことなんてさ…」
「あの人鈍感なんだから言わなきゃ始まんないって!」
言わなきゃ始まんない、ってどの口が言ってるの?って言い返したいけど、そう。その通りだよね。
何をいくら話しても、結局ふたり共ここに落ち着く。
私、三井先輩のこと、好きなんだけど。
ただの部活の先輩とマネージャーで、それ以上でもそれ以下でもない。
私が一方的に想いを寄せているだけ。
「三井サン、なまえちゃんのことけっこー気に入ってると思うな」
「そんなこと、ないよ。三井先輩って皆に優しいもん」
「優し……?それ完全に好きフィルターかかってるって」
三井先輩に振られたら私もう生きていけないよ
………あれ?さっきのリョータくんと同じこと言ってるじゃん私。
ごめんリョータくん、怖気付く気持ち、わかるよ。
「つーかさ、なまえちゃん三井サンと付き合って何したいの?」
「えっ!?」
「あの人ガサツじゃん?王様気質だし、めんどくさそー」
「えー?あのぶっきらぼうな感じがいいんだよぉ!」
ちょっと素直じゃないくらいの方が男の子って感じするじゃん?
それをハイハイ、って色々やってあげたいんだよねぇ。
「えっとね、顔とスタイルは言わずもがなでしょ?」
「まぁ、そこは同意するけど」
「あのアゴの傷もさわってみたいし、」
「あごの傷………」
「あ、ごめん!でも傷さえも素敵なの!」
おっと、あの傷はリョータくん作なんだった。
リョータくんと三井先輩って今は普通にいい仲間だから、いざこざがあったなんて忘れちゃうんだよね。
「あとね、あの綺麗な手をじっくり見てみたい」
「あー、手ね。あの人シューターだし手は大事にしてるかも」
「帰り道にアイス半分ことかもしてみたい」
「すぐできそーじゃん?」
「誘ったりできないもん」
「今日言ってみれば?」
「そんな勇気ないよ」
「俺的には今日がおすすめ!」
「?」
こんな簡単そうなことにすら勇気が出せない自分がイヤになる。もう、意気地なしめ……
「じゃっ、俺は部活行くから」
「えっ、私も行く………うわあああああ!」
「驚きすぎだろ」
「みっ!みっ!みっ!」
三井先輩!?!?!?
部活に行くと立ち上がったリョータくんを追いかけるように振り向いた先には、三井先輩が立っていて。
「なっ、なっ、なっ、」
何で三井先輩がここにいるの!?
部活は?ていうかココ2年の教室なのに!
「宮城、オメーは後で体育館裏な。好き放題言いやがって」
「ごほーびでもくれるんスか?」
「……もしかしてリョータくん、気づいてたの?」
「ポイントガードってね、視野広くなきゃできねーの」
「ひどいよぉ…」
「三井サン、部活ちょっと遅れるってダンナに言っときますよ」
「おー、頼む」
リョータくんは私にパチンとウインクをひとつして教室を出て行った。
この積極性を彩子に向かってできないものかと思ったけど、今はそれどころじゃない。
教室に残されたのは、頭がパニックになってる私と、三井先輩。
「で、みょうじは俺と何がしてぇって?」
「何も言ってません」
「へぇ?さっきまでのは空耳か?」
「さっきまでって…どこから聞いてたんですか…?」
「三井サンはなまえちゃんのことけっこー気に入ってるとかナントカ」
「………!」
ほとんど聞かれてるじゃん…!
「で?」
見てる。三井先輩が。私を。
私のことだけを、真っ直ぐに。
好きな人からの強い視線を感じて、もうこれ以上しらばっくれるなんて無理だと悟った。
「………アゴの傷、さわってみたい、です」
「ん。さわれば?」
拍子抜けするくらいあっさり承諾してくれたことに驚いた。何でだよ、って拒否られることだって充分考えられたし。
迷ったけど、もうこんなチャンスはないってわかってるから……戸惑いながらも三井先輩の方へ歩み寄って恐る恐る傷に触れてみた。
………もっとデコボコしてるかもって思ってたけど、想像よりもつるりとした感触で。
「い、痛くないですか?」
「痛くねぇ」
あつい。先輩に触れた指先が、燃えてるみたいに熱を持ってるのがわかる。
「あとは?」
「て……手を見たいです」
「おらよ」
差し出された手は、大きくて、爪が短く整えてあって、思ったよりもずっと……
「……綺麗」
「フツーだろ」
「綺麗です」
この手が、バスケットボールに触れて
この手が、あのシュートを打つんだ……
こんなに近くで見れちゃった…感激で胸がいっぱいだよ。
「まだあるか?」
「アイス、半分こしながら、帰りたい、です」
「いいぜ。今日すっか」
すごい。すごいよリョータくん。
今日、何かあったっけ?
誕生日でもないのにすごいことが起こりすぎてるよ。夢かも?これって夢なんじゃない?
「さ、部活行くか」
「ハイ!」
「そういえば三井先輩なんで2年の教室にいたんですか?」
「…………お前が部活に来てなかったから探しに来たんだよ」
これから私たち
新しいふたりになりそうです。
ホームルームを終えた教室には、私とリョータくんのふたり。
もう部活に行かなきゃなんだけど、今日はちょっと話が盛り上がってしまって。恋バナで。
恋バナって言っても、片想い協定を結んでる私たちがグダグダ喋るっていうだけなんだけど。
「リョータくん!ちゃんと告白しよう?彩子も待ってるって!」
「だって俺、アヤちゃんにフラれたら生きていけねぇよ……」
リョータくんの気持ちは皆さんご存知の通りで、もちろん彩子だって気づいてるはず。
ハタから見ても結構お似合いだって思うし、告白さえすれば一歩進むと思うんだけど。
それなのにリョータくんったら何度言っても怖気付いちゃってさ。
私はふたりのクラスメイトとバスケ部マネージャーをやってる近い仲なんだから、もうちょっと私の言葉を信用してほしいよね。
ほーんと、じれったいったらありゃしない。
「なまえちゃんだって三井サンに告白しないじゃん」
「むっ!無理無理無理無理!」
「ほら、なまえちゃんも無理って言うじゃんか」
口をへの字に曲げたリョータくんからの反撃に、私はアワアワしながら両手を振った。
「無理だよ。三井先輩は私のことなんてさ…」
「あの人鈍感なんだから言わなきゃ始まんないって!」
言わなきゃ始まんない、ってどの口が言ってるの?って言い返したいけど、そう。その通りだよね。
何をいくら話しても、結局ふたり共ここに落ち着く。
私、三井先輩のこと、好きなんだけど。
ただの部活の先輩とマネージャーで、それ以上でもそれ以下でもない。
私が一方的に想いを寄せているだけ。
「三井サン、なまえちゃんのことけっこー気に入ってると思うな」
「そんなこと、ないよ。三井先輩って皆に優しいもん」
「優し……?それ完全に好きフィルターかかってるって」
三井先輩に振られたら私もう生きていけないよ
………あれ?さっきのリョータくんと同じこと言ってるじゃん私。
ごめんリョータくん、怖気付く気持ち、わかるよ。
「つーかさ、なまえちゃん三井サンと付き合って何したいの?」
「えっ!?」
「あの人ガサツじゃん?王様気質だし、めんどくさそー」
「えー?あのぶっきらぼうな感じがいいんだよぉ!」
ちょっと素直じゃないくらいの方が男の子って感じするじゃん?
それをハイハイ、って色々やってあげたいんだよねぇ。
「えっとね、顔とスタイルは言わずもがなでしょ?」
「まぁ、そこは同意するけど」
「あのアゴの傷もさわってみたいし、」
「あごの傷………」
「あ、ごめん!でも傷さえも素敵なの!」
おっと、あの傷はリョータくん作なんだった。
リョータくんと三井先輩って今は普通にいい仲間だから、いざこざがあったなんて忘れちゃうんだよね。
「あとね、あの綺麗な手をじっくり見てみたい」
「あー、手ね。あの人シューターだし手は大事にしてるかも」
「帰り道にアイス半分ことかもしてみたい」
「すぐできそーじゃん?」
「誘ったりできないもん」
「今日言ってみれば?」
「そんな勇気ないよ」
「俺的には今日がおすすめ!」
「?」
こんな簡単そうなことにすら勇気が出せない自分がイヤになる。もう、意気地なしめ……
「じゃっ、俺は部活行くから」
「えっ、私も行く………うわあああああ!」
「驚きすぎだろ」
「みっ!みっ!みっ!」
三井先輩!?!?!?
部活に行くと立ち上がったリョータくんを追いかけるように振り向いた先には、三井先輩が立っていて。
「なっ、なっ、なっ、」
何で三井先輩がここにいるの!?
部活は?ていうかココ2年の教室なのに!
「宮城、オメーは後で体育館裏な。好き放題言いやがって」
「ごほーびでもくれるんスか?」
「……もしかしてリョータくん、気づいてたの?」
「ポイントガードってね、視野広くなきゃできねーの」
「ひどいよぉ…」
「三井サン、部活ちょっと遅れるってダンナに言っときますよ」
「おー、頼む」
リョータくんは私にパチンとウインクをひとつして教室を出て行った。
この積極性を彩子に向かってできないものかと思ったけど、今はそれどころじゃない。
教室に残されたのは、頭がパニックになってる私と、三井先輩。
「で、みょうじは俺と何がしてぇって?」
「何も言ってません」
「へぇ?さっきまでのは空耳か?」
「さっきまでって…どこから聞いてたんですか…?」
「三井サンはなまえちゃんのことけっこー気に入ってるとかナントカ」
「………!」
ほとんど聞かれてるじゃん…!
「で?」
見てる。三井先輩が。私を。
私のことだけを、真っ直ぐに。
好きな人からの強い視線を感じて、もうこれ以上しらばっくれるなんて無理だと悟った。
「………アゴの傷、さわってみたい、です」
「ん。さわれば?」
拍子抜けするくらいあっさり承諾してくれたことに驚いた。何でだよ、って拒否られることだって充分考えられたし。
迷ったけど、もうこんなチャンスはないってわかってるから……戸惑いながらも三井先輩の方へ歩み寄って恐る恐る傷に触れてみた。
………もっとデコボコしてるかもって思ってたけど、想像よりもつるりとした感触で。
「い、痛くないですか?」
「痛くねぇ」
あつい。先輩に触れた指先が、燃えてるみたいに熱を持ってるのがわかる。
「あとは?」
「て……手を見たいです」
「おらよ」
差し出された手は、大きくて、爪が短く整えてあって、思ったよりもずっと……
「……綺麗」
「フツーだろ」
「綺麗です」
この手が、バスケットボールに触れて
この手が、あのシュートを打つんだ……
こんなに近くで見れちゃった…感激で胸がいっぱいだよ。
「まだあるか?」
「アイス、半分こしながら、帰りたい、です」
「いいぜ。今日すっか」
すごい。すごいよリョータくん。
今日、何かあったっけ?
誕生日でもないのにすごいことが起こりすぎてるよ。夢かも?これって夢なんじゃない?
「さ、部活行くか」
「ハイ!」
「そういえば三井先輩なんで2年の教室にいたんですか?」
「…………お前が部活に来てなかったから探しに来たんだよ」
これから私たち
新しいふたりになりそうです。
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