Ⅰ 再開
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目の前の光景を見て一人青ざめる私がいた。
これは神様のいたずらか。
いや私はれっきとした仏教信者なのだからそれはない。
今日から学年が一つ上がり先輩になる。
クラスも悪くはないし、むしろ仲の良い人ばかりだから嬉しかったというのに。
なぜ“奴”がここにいる?
確かに学校に来てから嫌な予感はしていた。
それは新しい担任のことだと思っていたのだが、見当はずれだったようだ。
「それでは自己紹介をしてくれ」
先生の隣にいる、この世に存在しているとは思えないほどの美しい顔立ちをした女子生徒がにこりと微笑む。
「皆さん初めまして。白金みおりです。これからよろしくお願いします」
可愛い、綺麗、などの言葉が耳に入ってきた。
この笑顔でクラスの大半の男子がこいつに惚れただろう。
『人間』ではないというのに。
この仮面の下は何を考えているのかがわからない恐ろしい妖怪、『白面金毛九尾の狐』だ。
中国では妲己や褒姒、インドでは華陽夫人、そして日本では玉藻前という美女に化けて世を乱した。
お辞儀をしてクラスを見渡している白金と目が合う。
彼女はニヤリと妖艶に笑った。
まるで私が何者であったかはすべてお見通しとでも言うよう。
私はすぐに彼女から目をそらした。
周りの男子が、俺に向かって笑った、いや俺だ、と醜い言い争いをしている。
私が正体をわかったのだから、あいつも私の正体をわかっているのだろう。
『安倍晴明』。
平安時代の陰陽師。
これが私__明瀬晴の“前世”だ。
私でないようで、でもやっぱり私なのだ。
安倍晴明は玉藻前が九尾狐であることを見破った人物。
そんな晴明を憎まないはずはない。
妖狐は寿命が長いのが厄介だ。
1000年以上も生きるのだから。
これから大変なことになるぞ、私はそう思い窓の外を見た。
これは神様のいたずらか。
いや私はれっきとした仏教信者なのだからそれはない。
今日から学年が一つ上がり先輩になる。
クラスも悪くはないし、むしろ仲の良い人ばかりだから嬉しかったというのに。
なぜ“奴”がここにいる?
確かに学校に来てから嫌な予感はしていた。
それは新しい担任のことだと思っていたのだが、見当はずれだったようだ。
「それでは自己紹介をしてくれ」
先生の隣にいる、この世に存在しているとは思えないほどの美しい顔立ちをした女子生徒がにこりと微笑む。
「皆さん初めまして。白金みおりです。これからよろしくお願いします」
可愛い、綺麗、などの言葉が耳に入ってきた。
この笑顔でクラスの大半の男子がこいつに惚れただろう。
『人間』ではないというのに。
この仮面の下は何を考えているのかがわからない恐ろしい妖怪、『白面金毛九尾の狐』だ。
中国では妲己や褒姒、インドでは華陽夫人、そして日本では玉藻前という美女に化けて世を乱した。
お辞儀をしてクラスを見渡している白金と目が合う。
彼女はニヤリと妖艶に笑った。
まるで私が何者であったかはすべてお見通しとでも言うよう。
私はすぐに彼女から目をそらした。
周りの男子が、俺に向かって笑った、いや俺だ、と醜い言い争いをしている。
私が正体をわかったのだから、あいつも私の正体をわかっているのだろう。
『安倍晴明』。
平安時代の陰陽師。
これが私__明瀬晴の“前世”だ。
私でないようで、でもやっぱり私なのだ。
安倍晴明は玉藻前が九尾狐であることを見破った人物。
そんな晴明を憎まないはずはない。
妖狐は寿命が長いのが厄介だ。
1000年以上も生きるのだから。
これから大変なことになるぞ、私はそう思い窓の外を見た。