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「天竺（てんじく）では、班足王（はんぞくおう）の后となり、中国では、殷の紂王（ちゅうおう）の后、妲己（だっき）と名乗り、また、周の幽王 の后、褒姒（ほうじ）と名乗り、ことごとく王を惑わし、国を滅ぼした白面金毛、九尾の狐！……今、日本に来て、名を偽り、玉藻と名乗る！」

目の前で苦しみ悶える玉藻前。

するとその姿は九つの尻尾があり、真っ白の毛並みが美しい狐に変化した。

“俺”を睨み付ける。

「おのれ……安倍晴明……」

九尾狐はそう言い残すと天空に飛び去っていった。



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