偶像の花

 電報。
 外気温が35度を超えました。熱中症には気をつけています。日差しが強く、汗もたちどころに蒸発してしまいそうですが、今日も傘を差します。
 どうやら花は新しい鉢を気に入ったようです。元気に咲いています。花が白いので差し色の入ったものを選びましたが、よい選択でした。
 殺風景なワンルームの中で、花の周りだけが楽園のように輝いて見えます。このまま枯れずにいてくれたらどんなにかよいでしょう。
 なにせ、植物なんて育てたことがありません。ですから、日々用心して、大切に育てています。もちろん、大切に育てています。いくらか勉強もしました。それでも、来年には空っぽの鉢だけが残るのでしょうね。
 この花の枯れるときが、何もかも終わりの合図であるかのように思えるのです。
 また連絡します。
3/11ページ