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短文置き場

ルゾロ事後

2024/03/03 20:34
海賊
やっている間はついつい力いっぱいゾロに抱きついてしまいがちなルフィだが、終わったあとはさすがに脱力してしまう。ゾロから離れてごろんとシーツの上に寝転がると、ふーっ、と長く息を吐いた。今日もたくさん出してしまった。ゾロもすっかり疲れているらしく、汗で濡れたからだをぐったりさせている。ルフィはゾロの方を見る。ゆっくりした呼吸のたびに胸が膨らんで萎む。ふいに目が合うと、ゾロはルフィのほうに腕を伸ばしてきた。
いつものことだから驚きはないが、終わったあとのゾロは妙にルフィと触れ合いたがるところがあった。もちろん嫌なはずがない。船の上では自他に厳しい男がこうしてくっついてくるのは意外だけれども。
「ルフィ」
名前を呼んでから、唇で唇に触れてくる。じゃれてくる犬の仕草を思い出して、ルフィもからだを擦り寄せた。ルフィには大事な仲間たちがほかにもたくさんいるはずなのに、こうしてゾロと寝ていると、まるで世界にふたりしかいないような気持ちになる。
「よかった」
ゾロは低くそう言って、ルフィの黒髪を指で梳くようにして頭を撫でた。ゾロのほうが歳上だし、知識もあったし、セックスのときリードするのは必然彼のほうである。だからか、終わったあとにゾロはまるで先生みたいに褒めてくれる。ゾロが「よかった」のは最中の様子やいまの懐き方からして明白だけど、ルフィはそれでも嬉しくなる。
「おれもよかったぞ、ゾロんなか、熱くてザーメン欲しい欲しいって締まってよかった」
言うと、ゾロは「ん」とだけ返事をする。直截的すぎる言葉に唇はへの字だが、まだ普段より眉間のしわが浅くて、ぼんやりしている。いつもの、その刀のような鋭さを失していた。寝起きでもこうはならないだろう。
ゾロの手はまだルフィを甘やかすように頭を撫でている。汗で濡れた地肌をなぞる指が妙に優しくて、ルフィは目を細めた。
ゾロはおれのからだで気持ちよくなった。だからゾロはおれの頭を撫でて褒めてくれている。それは素直に嬉しい。だけど、ならば、おれもゾロのからだで気持ちよくなったんだから、ゾロのことを撫でたっていいわけだ。ルフィは思いついて、ゾロの顔を見た。導かれるみたいに、ルフィは手を伸ばす。それからゾロの短い緑の髪の毛の間に指を差し込むようにした。
「ルフィ……?」
嫌がられることも予想していたけれど、ゾロはそんな素振りを見せずにゆっくりと瞬きをした。こんな反応するんだな、とおもいながらルフィはゾロの頭の上で手をすべらせる。その短髪を整えるみたいに撫でて、ルフィは言った。
「ゾロ、気持ちよくしてくれてありがとなー」
「……、褒められる、ようなことじゃねェ」
「でもゾロはおれのこと褒めるじゃねェか」
「それは、お前のセックス、が、よかった、から……」
「おれもすっげェよかったからゾロのこと褒めてんだぞ、ケツがぎゅ〜って締まって、離さねェぞって脚が絡んできて、乳首ビンビンになってて触ると『おっおっ』て声出してもっと締まるんだよな」
ちう、と音を立てて額に口づけると、ゾロはようやくいつもの調子を取り戻したらしい。今度はばちばちと素早く瞬いて、眉尻を釣り上げた。
「そんな変な声出してねェ」
「出てるぞ」
「別に乳首なんざ」
「今もちょっと硬くなってるな」
「ちが、元々、……ッ、ア」
「元々なわけねェだろぉ」
ゾロ、時々変な言い訳するよなぁ、と思いながらあいているほうの指できゅっと乳首を摘んでやる。ゾロはいよいよルフィと距離を取ろうとするけれど、そもそもさっきはゾロの方からルフィに近付いてきたのだ。ルフィはゾロを逃がすまいと、頭を撫でていた手に力を入れた。
「甘えてるゾロ、可愛かったぞ」
「うるせェ」
否定しないってことは、甘えてる自覚はあるのか。ルフィは少し驚いたけれど、どっちでもよかった。
「もう一回するか?」
訊くとゾロが頷いたので、腕に力を入れてまたぎゅうぎゅうにくっついてやるのだ。

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