短文置き場

学パロ三船長

2022/07/20 10:29
海賊
「この前さあ、先生のこと間違えてダダンって呼んじまったんだよなー、そしたらゾロたちに笑われちまってよー」
「いやダダンって誰だよ」
すかさず入ったキッドのツッコミに、ルフィは瞬きをした。そういえば、ギザ男にもトラ男にも、ダダンの話などしたことがなかった。そもそもがクラスも違うし部活も違う相手である――、共通点は、他と比べて職員室への呼び出しが多いことくらいか。今日はたまたまそれぞれの仲間が部活や委員会に出てしまい、なんとはなしに空き教室で集まる羽目になっている。
「ダダンはおれたちのアパートの大家だ」
「フ、先生のことを『お母さん』と呼んじまうアレだな」
ローはルフィを鼻で笑ってみせる。ルフィは同い年とは思えない幼げなところがある少年で、その間違いも、さもありなんと言ったところだった。ルフィは思わずムッとした表情になった。
「なんだよ、トラ男だって先生のことコラさんって呼んだことあるってお前んとこの白くまが言ってたぞ」
「な…………」
「だからおれこの話したのによー」
まさかその話が麦わら屋にまで伝わっているとは――、ローは想定外の事態に口をあんぐりと開けることしかできない。キッドは思わず噴き出した。
「まあそれくらい誰でもやるだろ、おれもキラーを……」
言いかけたところでルフィとローが少し引いたような目で見ていることに気付き、キッドは口をつぐんだ。
「ダダンやコラさん? は先生くらいの年齢だけどよ、キラ男は同い年じゃねェか」
「同級生に親扱いされるのか、キラー屋には同情するな」
「アア!?」
キッドは思わず大声を上げた。三人の喧々轟々の喧嘩が始まる。丁度委員会が終わって教室に戻ってきたゾロはため息をつき、キラーは肩をすくめざるをえなかった。

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