水天一色〜ポエム〜

俄雨(にわかあめ)の恋

2024/08/14 23:33
長編
解説
恋を雨に例えてます



天候も味方じゃなかった
ついてなかった
そう 雨なんだ
大丈夫、と 言えたらいいのだけど
沈むその顔は 何かに傷ついてる
僕も言葉につまずいた

そっと呟いた
あなたは忘れ方を 探してるのだろう

「好きになった事を…忘れたいの」と
そんな涙が頬に伝ってた
だから僕は
「忘れなくていい」よりも
「忘れないで」と言った
似ているけど 違うんだ
励ますためでもあるけれど
それよりも もっと大事なことで
忘れちゃいけないことだから
そう 言ったんだ


別れは突然、出会いは必然です
物事の始まりや終わりには
必ずしも 何か重大な秘め事が隠されてます

言葉だけを信じないで
至る言葉の端々に隠された想い
拾いあげて すくいあげて
言葉、表情、想い
一つでも結びつかぬもの あるのならば
見逃してはならぬのだ


別れを告げる人も
何も想っていないワケではなく
選びに 選び抜いた想いで
それでも どうしたって 答えは一つしかなく
どうしたって 傷つけてしまいそうで……
あなたの笑顔が消えぬよう
秘めたる願い込め 永久の別れを告げる


永久の「さよなら」で 終わらせないで
儚く消えそうな想い出を蘇らせて


胸が張り裂けそうでも
伝えなきゃならない想いがある
忘れちゃならない想いがあり
壊しちゃならない想いがある
守らなきゃならないたくさんの想いがあるんだ

思いやり、優しさ。
楽しかった純粋な心、笑顔。
そんな温かさに 包まれた記憶を――。
出会った時の想いを――。
温かい優しさを――。
もらったさくさんの 大事な気持ちを――。

憎しみで壊さないで。
優しさで立ち向かって。
悲しみで壊さないで。
優しさで守り抜いて。
あの頃の気持ちを忘れないで。
その気持ちを壊さないで。


淋しい「さよなら」ではなく
いつまでも胸に残る「ありがとう」を
互いに飾りつけるために
最後に勇気で伝え
抱きしめあって 守り抜こう


無理は しないでください…
あなたの気持ちを
なかったことにだけはしないでください

今は雨だけど いつかは止みます
雨に打たれるのもいいかもしれません
見せたくない 涙も一緒に 流せますよ


あなたにはまだ
傘が必要そうですね
だから これを使ってください
僕には必要ないですから
返す必要もありません

ただ 約束してください
次に この傘を使う時は
一人じゃなく 二人の時に使うと

その時まで 見守っています

そして 自分をなくさぬためにも
愛する想いだけは
もう 忘れないでくださいね

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