厄災前の英傑達の物語を聞いて育った少女の物語。
出会い〜旅立ち
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「ラケル…!」
「動くな。武器と防具をすべて地面に投げ捨てろ」
「リンクさん、かまいません!私は気にせず…むぅっ」
謎の男達がリンクたちを取り囲み、首元に鎌をあてがったままラケルの口をふさいだ。
リンクは一瞬逡巡したが、すぐにすべての武器や盾を地面に投げた。
丸腰になったリンクに複数の男が斬りかかった。
「ハハッ!死ねェーー!!!」
(ダメ………!!)
ラケルが思わず目を反らした、そのときだった。
ラケルの身体が眩い光を放ち、光の輪がラケルを中心として放射状に大きく広がる。
「ぐわぁ!なん、だこれは!」
男たちが目を眩ませ、怯んでいる。
ラケルはわけがわからないものの、男が鎌を外したのを見て、棍を振りかぶり、周りの男たちの足を払った。
男たちの視線がリンクからラケルに移った、その隙を見逃すリンクではなかった。
一瞬で盾をまず拾ったところに、焦った一部の男達が斬りかかろうとしたが、軽く盾で跳ね返す。
男たちが怯んだところで、大きく跳んで剣を拾い上げ、近場にいた男を素早く薙ぎ払う。
近くにいた男が倒れたところで弓を拾い上げ、目にも止まらぬ速さで弓を引き、ラケルのそばにいた男の肩に命中させた。
「ぐぅッ!」
男が崩れ落ち完全に自由になったラケルは、棍を巧みに回転させ、周りの男たちの身体めがけて薙ぎ払う。
「ぐ、っ!こ、ここは退散だ、引けっ!」
分が悪いと悟ったのか、主犯格と思われる男が声を上げると、めいめい何やらまた紙札のようなものを投げると、ボン!という音を立てながら消えていった。
辺りには、先ほどと同じく、虫の声と川のせせらぎが聞こえるのみ。
「もう、大丈夫だな」
警戒を解いたリンクが剣を鞘に納める。
ラケルは詰めていた息を吐き、その場にしゃがみこんだ。
「驚いた、ラケルは強いんだな…」
それにあの光、と続けようとしたとき、
リンクの耳にゼルダの声が聞こえてきた。
『リンク……聞こえますか…その女性は……』
ハッとしたのは、リンクだけではなかった。
驚いたような顔をして、ラケルもまた宙を仰いでいる。
『その女性は……私の双子の妹なのです……』
「え…えぇえぇっ…?!」
驚愕の声を上げたラケルが、信じられないといった顔で、何か知っていないかと思いリンクを見た。
だが、リンクも少し目を見張る程度で、そこに感情はあまり読み取れなかった。
『ラケル…今こそあなたに、聖なる力を…』
そう声がした刹那、ラケルの胸元から光が漏れる。
慌ててラケルがワンピースのボタンを2つ外すと、ちょうど鎖骨のすぐ下のあたりに、三角形を3つ合わせたような形のネックレスが現れた。
リンクはそれがなにか知っていた。
そうーーそれは、王家の証、トライフォース。
それは光をたたえ、ゆっくりとラケルの目の前まで浮かび上がったと思うと、強い光を放ち、ラケルの額に吸い込まれていく…
『私にできるのはここまで…私の力ももう、永くは保ちません…。リンク…ラケルを旅に伴い……私の元へ………』
その言葉を最後に、また辺りに静寂が訪れた。
「あ…」
小さな声にリンクが振り向くと、ラケルのトライフォースのネックレスは崩れ、塵となり、風に溶けていく。
それからしばらく、ふたりは何も言わなかった。
リンクも、呆然としている彼女を見ながら、ただ立ち尽くしていた。
……………
どれくらい時が経っただろうか…
低い位置にあった月が、少しばかり上に上がった頃、ラケルがようやく口を開いた。
「私……思い出した………私は……」
「動くな。武器と防具をすべて地面に投げ捨てろ」
「リンクさん、かまいません!私は気にせず…むぅっ」
謎の男達がリンクたちを取り囲み、首元に鎌をあてがったままラケルの口をふさいだ。
リンクは一瞬逡巡したが、すぐにすべての武器や盾を地面に投げた。
丸腰になったリンクに複数の男が斬りかかった。
「ハハッ!死ねェーー!!!」
(ダメ………!!)
ラケルが思わず目を反らした、そのときだった。
ラケルの身体が眩い光を放ち、光の輪がラケルを中心として放射状に大きく広がる。
「ぐわぁ!なん、だこれは!」
男たちが目を眩ませ、怯んでいる。
ラケルはわけがわからないものの、男が鎌を外したのを見て、棍を振りかぶり、周りの男たちの足を払った。
男たちの視線がリンクからラケルに移った、その隙を見逃すリンクではなかった。
一瞬で盾をまず拾ったところに、焦った一部の男達が斬りかかろうとしたが、軽く盾で跳ね返す。
男たちが怯んだところで、大きく跳んで剣を拾い上げ、近場にいた男を素早く薙ぎ払う。
近くにいた男が倒れたところで弓を拾い上げ、目にも止まらぬ速さで弓を引き、ラケルのそばにいた男の肩に命中させた。
「ぐぅッ!」
男が崩れ落ち完全に自由になったラケルは、棍を巧みに回転させ、周りの男たちの身体めがけて薙ぎ払う。
「ぐ、っ!こ、ここは退散だ、引けっ!」
分が悪いと悟ったのか、主犯格と思われる男が声を上げると、めいめい何やらまた紙札のようなものを投げると、ボン!という音を立てながら消えていった。
辺りには、先ほどと同じく、虫の声と川のせせらぎが聞こえるのみ。
「もう、大丈夫だな」
警戒を解いたリンクが剣を鞘に納める。
ラケルは詰めていた息を吐き、その場にしゃがみこんだ。
「驚いた、ラケルは強いんだな…」
それにあの光、と続けようとしたとき、
リンクの耳にゼルダの声が聞こえてきた。
『リンク……聞こえますか…その女性は……』
ハッとしたのは、リンクだけではなかった。
驚いたような顔をして、ラケルもまた宙を仰いでいる。
『その女性は……私の双子の妹なのです……』
「え…えぇえぇっ…?!」
驚愕の声を上げたラケルが、信じられないといった顔で、何か知っていないかと思いリンクを見た。
だが、リンクも少し目を見張る程度で、そこに感情はあまり読み取れなかった。
『ラケル…今こそあなたに、聖なる力を…』
そう声がした刹那、ラケルの胸元から光が漏れる。
慌ててラケルがワンピースのボタンを2つ外すと、ちょうど鎖骨のすぐ下のあたりに、三角形を3つ合わせたような形のネックレスが現れた。
リンクはそれがなにか知っていた。
そうーーそれは、王家の証、トライフォース。
それは光をたたえ、ゆっくりとラケルの目の前まで浮かび上がったと思うと、強い光を放ち、ラケルの額に吸い込まれていく…
『私にできるのはここまで…私の力ももう、永くは保ちません…。リンク…ラケルを旅に伴い……私の元へ………』
その言葉を最後に、また辺りに静寂が訪れた。
「あ…」
小さな声にリンクが振り向くと、ラケルのトライフォースのネックレスは崩れ、塵となり、風に溶けていく。
それからしばらく、ふたりは何も言わなかった。
リンクも、呆然としている彼女を見ながら、ただ立ち尽くしていた。
……………
どれくらい時が経っただろうか…
低い位置にあった月が、少しばかり上に上がった頃、ラケルがようやく口を開いた。
「私……思い出した………私は……」