厄災前の英傑達の物語を聞いて育った少女の物語。
出会い〜旅立ち
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リンクが宿に戻ると、ツキミがロビーの床にモップをかけていた。
「あら、おかえりなさいませ。夕餉の準備が整っておりますが、すぐにお食事にされますか?」
ツキミはリンクがゆっくりと頷いたのを確認すると、部屋に運ばせるのでくつろいで待つようにと指示をして、奥へと消えていった。
「ふぅ…」
部屋に戻り、椅子に腰掛け部屋を改めて見回す。
適度な広さに、落ち着いた調度品。掃除も行き届いているようだ。
いい宿だ、と思った。この宿をあの姉妹だけでやっているのだとしたら、なかなか大変な仕事だろう。
そんなことを考えていると、部屋の扉がノックされた。
コンコン
「リンクさん、お食事をお持ちしました!」
入ってくれと返事をすると、ラケルが食事の乗った台を引いて入ってきた。
「苦手なものはありませんでしたか?」
「うん、何でも食べる」
「それはよかったです!」
目の前に大きな銀色の盆が置かれた。揃いの蓋がしてあるため、中身を見ることはできない。
つづいて、炊いた米と、薄いパンのようなもの、サラダ、白い液体の入ったグラスがテーブルの上に並べられていく。
「お待たせしました。どうぞお召し上がりください」
そう言って、ラケルが盆の蓋を開けると、ふわりとスパイシーな香りが鼻をくすぐった。
茶色い、煮込み料理のようなものが入った皿だった。
「特製チキンカリーです。そちらのご飯やナンと一緒にお召し上がりください!」
ラケルは手を組み、少し緊張した面持ちでリンクの食べる様子を見ていた。
リンクの食べたことのないものだったが、一口スプーンですくって口に含んでみると、色々な具材の甘みや旨味がぎゅっと詰まって感じられ、あとを引く辛さがまた食欲を掻き立てた。
「美味しい!」
「よかった…!」
「これ、全部ラケルが用意してくれたもの?」
「はい、拙いですが、私が料理しました。」
「つたないなんて、これで?すごく美味しいよ!この飲み物はなに?」
「これはラッシーと言って、牛の乳を発酵させて作った飲み物なんです。」
「これも、少し甘くて、辛いのによく合うね」
リンクが勢いよく食べる様子を見て、ラケルは嬉しそうに微笑んだ。
「はぁ。美味しかった。ごちそうさま」
すっかり空になった皿をテーブルにおいて、満足そうに腹を擦るリンクの前に、ラケルは水の入ったコップを置いた。
「ありがとうございます。このあとはお風呂に入りますか?」
「うん、でもその前に少し素振りをする」
「素振り…」
ラケルはベッドサイドに置かれた剣をチラリと見てたずねた。
「あの…もしご迷惑じゃなかったら、見ていてもいいですか?」
「俺の素振りを?構わないけど」
少し不思議そうにしながら了承するリンクに、嬉しそうに破顔した。
「ありがとう!ではこれ片付けてきますねっ」
いそいそと片付け出ていくラケルを見て、変わった子だな…と微笑んだ。
「あら、おかえりなさいませ。夕餉の準備が整っておりますが、すぐにお食事にされますか?」
ツキミはリンクがゆっくりと頷いたのを確認すると、部屋に運ばせるのでくつろいで待つようにと指示をして、奥へと消えていった。
「ふぅ…」
部屋に戻り、椅子に腰掛け部屋を改めて見回す。
適度な広さに、落ち着いた調度品。掃除も行き届いているようだ。
いい宿だ、と思った。この宿をあの姉妹だけでやっているのだとしたら、なかなか大変な仕事だろう。
そんなことを考えていると、部屋の扉がノックされた。
コンコン
「リンクさん、お食事をお持ちしました!」
入ってくれと返事をすると、ラケルが食事の乗った台を引いて入ってきた。
「苦手なものはありませんでしたか?」
「うん、何でも食べる」
「それはよかったです!」
目の前に大きな銀色の盆が置かれた。揃いの蓋がしてあるため、中身を見ることはできない。
つづいて、炊いた米と、薄いパンのようなもの、サラダ、白い液体の入ったグラスがテーブルの上に並べられていく。
「お待たせしました。どうぞお召し上がりください」
そう言って、ラケルが盆の蓋を開けると、ふわりとスパイシーな香りが鼻をくすぐった。
茶色い、煮込み料理のようなものが入った皿だった。
「特製チキンカリーです。そちらのご飯やナンと一緒にお召し上がりください!」
ラケルは手を組み、少し緊張した面持ちでリンクの食べる様子を見ていた。
リンクの食べたことのないものだったが、一口スプーンですくって口に含んでみると、色々な具材の甘みや旨味がぎゅっと詰まって感じられ、あとを引く辛さがまた食欲を掻き立てた。
「美味しい!」
「よかった…!」
「これ、全部ラケルが用意してくれたもの?」
「はい、拙いですが、私が料理しました。」
「つたないなんて、これで?すごく美味しいよ!この飲み物はなに?」
「これはラッシーと言って、牛の乳を発酵させて作った飲み物なんです。」
「これも、少し甘くて、辛いのによく合うね」
リンクが勢いよく食べる様子を見て、ラケルは嬉しそうに微笑んだ。
「はぁ。美味しかった。ごちそうさま」
すっかり空になった皿をテーブルにおいて、満足そうに腹を擦るリンクの前に、ラケルは水の入ったコップを置いた。
「ありがとうございます。このあとはお風呂に入りますか?」
「うん、でもその前に少し素振りをする」
「素振り…」
ラケルはベッドサイドに置かれた剣をチラリと見てたずねた。
「あの…もしご迷惑じゃなかったら、見ていてもいいですか?」
「俺の素振りを?構わないけど」
少し不思議そうにしながら了承するリンクに、嬉しそうに破顔した。
「ありがとう!ではこれ片付けてきますねっ」
いそいそと片付け出ていくラケルを見て、変わった子だな…と微笑んだ。