夏の勘違い

久しぶりの夏休みにミレニアムから降りて、オーブにいる恋人との家に帰る。

シャトルから降りると、オーブの夏特有のじっとりとした暑さとセミの鳴き声が出迎えてくる。

「暑...。」

久しぶりにまとった自分の私服に汗が伝う。

急いで、エレカを呼んで乗り込む。家は海と森の近くにあるせいか、エレカで向かっていると耳元から「ぷ~ん」
とうっとうしい音が聞こえる。

急いで周りを見回すが小さい黒いあいつは見つからない。エレカから降りて急いで家に入る。

「ただいま~」

帰りの挨拶はしても何も帰ってこないのはわかっていたが少し寂しくなる。
アスランも休暇は取れたが明日からになる予定なので今日一日中はずっとここで一人だ。

とりあえず、ベッドルームに向かい荷物の整理をする。

ベッドルームに端末を放り投げて、めんどくさい荷物整理に集中するために通知を切る。

ある程度整理を終えて立ち上がると、腕と太ももがムズムズする。嫌な予感がして、視点を下げると腕と太ももに何か所か赤いあとができていた。

衝動的に蚊に喰われたところを掻いてしまう、急いで棚から塗り薬を取り出す。

喰われたところに塗り薬を押し当てると少しくすぐったく感じる。

「...っン...くすぐったい…」

すると、うなじに強烈なかゆみを感じる。脱衣所の鏡で後ろを見てみると案の定うなじの見えそうで見えない絶妙な場所に赤い虫刺されができていた。

「なんか変なところ刺されてる…長ズボン履いてても太もも刺されてるし…」

頑張ってうなじに塗り薬を塗ろうとしてもいつもの不摂生のせいで体が硬くなっているせいで思ったところに薬が塗れない。

けれどムズムズするのは変わらず、掻こうとしてしまうが掻いたら搔いたで血が出てきていたいので、搔こうとするのをやめる。

蚊に刺されたら、痒い成分と汗を流すためにシャワーに入る準備をする。

ほかに刺されているところがないか、お風呂場の鏡で回ってみる。

「なんかうなじのところ...キスマみたいになってる…」

ほかに気になるところはなかった。のでシャワーをひねった。

ベッドルームに放り投げた端末にアスランからの休暇が今日から取れたから今から帰る旨のメールを見ていなかった。


カガリに今日からキラがオーブに休暇で帰ってきているのを話すと。

「早く帰ってやれ!休暇今日からでいいぞ。お互い久しぶりなんだろう?その代わり明日そっち行くからな!」

「あぁ、ありがとうカガリ感謝する。」

急いで荷物をまとめて今日から休暇になったことを伝えるメールを送り、外に出る。

今年のオーブの夏は記録的猛暑らしくじっとりと暑い。

早くキラに会いたい気持ちとこんな暑い所にいられない気持ちで自然と速足になる。

エレカに乗って家の近くに降りると、耳元に蚊の鳴く音が聞こえる。

そういえば月にいたころはキラがよく刺されて、自分は刺されにくい体質だったなと思い出す。

いつもキラが痒い痒いと半べそを掻いていたのを鮮明に覚えていた。

「ただいま」

家の奥のほうに声をかけたが返事が返ってこない。

手を洗いに脱衣所に入ると、シャワーを浴びる音が聞こえて返事が返ってこない理由を理解する。

するとシャワールームから

「あれ?アスラン早かったねぇもう帰ってきたんだね。」

「あぁ、カガリが早く帰れってうるさくてな。もう休暇を取っていいて言われたからかえって来たんだ。」

「そーなんだー。ラッキーだったね。カガリに感謝しなきゃね~。」

そういいながらシャワールーム出てきたキラは水を滴り落ちて艶やかだ。

久しぶりの恋人の裸ではないがバスタオルしかない体に興奮しないはずもなく明日カガリが会いに来るのを知っているが、心の中でカガリに謝罪する。

手を洗いながらキラに

「キラ、今日覚悟しとけよ。」

「な!?お昼から何盛ってんの!」

手を洗いながら鏡越しにキラに笑みを向けると、顔を真っ赤にしている。
キラは怒ってリビングへ行ってしまう。

ベッドルームに向かい下着を取りシャワーを浴びに行く。

シャワーを浴び終えリビングに行くと、タオルドライをしただけの髪を濡れたままにしていたキラがいた。

「キーラ、いつもちゃんと乾かせって言っているだろ?」

「めんどくさいんだもん、それにちゃんと拭いたから別にいいでしょ。それに、君が乾かしてくれるのを待ってたんだけどな~。」

めんどくさがりなキラはまだまだ健在なようでこちらを向いて上目遣いで見つめてくる。

本当にわかってやっているのだろうか。

前を向いたキラのうなじに赤いあとがあるのが見えた。

頭が真っ白になる、それと同時にキラに後をつけた輩にとんでもなく怒りがわく。

「キラ...これ誰につけられたんだ!」

「え?...どうしたのアスラン?急に大声出して。」

「ここの赤い跡誰につけられた!それともつけさせたのか。」

自然と声を荒らげてしまう。冷静に考えられない、その上キラは何も分かっていない顔をしているのが余計に腹が立ってくる。

手首を勢いよく掴んでしまう、キラが顔をゆがめる。

「ちょっ痛い!本当に君一体何?どうしたの?」

「お前に二度と他人にこんなことさせないからな…俺じゃないとダメな体にしてやる...」

「は?ほんとにどうしたの君………っ!ちょ何して!」

キラを担ぎ上げ、ベッドルームに向かう。

キラは本当に混乱しているようで、抵抗をしてくるけれど軍人の訓練をしていないキラの抵抗は可愛いものだった。

ベッドルームに着くとキラをダブルベッドに放り投げる。

「痛っ!ちょっと本当にどうしちゃったのさ君?ねぇ聞いてる?キスマークなんてつけさせてない!そんな人いないよ!」

とキラは騒いでいるがそんなのも気にも留めず、ほかのキスマークらしきものを探す。

太ももと腕にも一つずつ付いている、あまりにもキラがうるさいので唇を塞ぎながら手にローションを垂らして、後孔に手を伸ばす。

「ちょっと聞いてる!?っ!…んぅ…はぁ…ふぅん…ううん…ちょ…ぷはっ!」

「キラこの太ももと腕の後は?」

「ん…これは蚊に喰われたとこ…ちょ痒いからさわらないでぇ」

後ろをほぐしながら太ももを吸う。久しぶりのせいでブレーキが利かない。

「ほら、久しぶりなのにもう三本も指が入ってるぞ。いったい誰の相手をしてたんだっ!」

「あああっ!誰もいないよぉぉっあああっ。」

前立腺をこすって一回イかせる。

後ろに挿れた指をいっきに引く。たぎった自身を取り出しキラの後ろに擦り付ける。

「もう無理だキラっもう挿れるぞ。俺じゃないとダメにしてやるからなっ。」

「ちょっまって、まだ…あぁぁっ!」

ぐっぷぅぅぅぅと音がする。一気に奥に挿れられた。一気に奥まで届いているのと同時に前立腺も同時にこすられる。

目の前がチカチカする、いっきに挿れられたせいで軽くイった余韻が消えずビクビクする。

挿れた余韻が収まると腰が動き始めた。奥がアスランを逃がすまいとキュウキュウと締め付けてしまう。

「っっくそ。もってかれそうだ。」

「あああっ待って止まってぇ!」

「無理だ。俺はまだイってないからな。」

いきなり勢いよく押し付けられる、自分の皮膚と相手の皮膚がぶつかる音がする。

どんどん早く奥に出し入れされる、せいで一回突かれるたびに軽くイってしまう。

「あぁあすらん!…んやぁぁぁ!イっちゃうぅぅ!」

「あぁ…俺もイきそうだ。ナカに出すぞ!キラ」

追い打ちをかけるようにどんどん早くなるピストンに耐え切れず、またイってしまう。

するとナカに注がれる感覚がする。どんどんイった余韻が消えていく。

それと同時に襲われる前にうなじのキスマークについて思い出す。

そういえばいまうなじに蚊に刺された所があったなと。おそらくそれをキスマークに間違えたのだろう、と思いアスランに話しかける。

「きみの言ってることやっとわかったよ…うなじのも太もものも全部蚊に喰われたの!」

「はぁ?それほんとなのか?嘘だったらただじゃおかないからな。」

「嘘なわけないでしょ。それにこんなことするの君とだけに決まってるじゃないか。!っちょなに触ってるの!痒いしくすぐったいからやめてよ。」

キラの言っていることがいまいち嘘に聞こえなくなってくる、太ももの赤いところに顔を近づけるとほんの少し薬の独特なにおいがして本当のことだと分かる。

うなじの赤いあとに触るとキラがクスぐたっそうにする。

「…すまない、勘違いしてこんなことして。」

「いいよ。気持ちよかったし…それにもうおしまいなの?」

今半ば強引に抱かれたのに、どうしてこんなに煽るようなことを言ってくるのだろうか。

「おしまいなわけないだろう?まだまだ頑張ろうな?キラ。」

「う、うん」


力尽きた続きはないンゴねぇ




おまけ

「アスランのバカーーーーー!」

キラとアスランが昨夜さんざん愛しあったあと、朝にカガリがキラに会いに来ていた。

その時二人で抱き合って寝ているところを見られてしまい、その上久しぶりにカガリに会えたのに、腰の痛みで立ち上がることもできない。

「どうして今日の朝カガリが来るって知ってたのにヤっちゃったの!」

「でもキラだって途中ノリノリだったじゃないか。それに、久しぶりだから気持ちよかっただろ?」

「ノリノリじゃなーーい!もうバカバカ!カガリも仕事で帰っちゃたじゃないか!」

「大丈夫だ。また明日時間ある時に、一緒に行こう。」





おわり?
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