コメント返信

いくままさま2020080120:41

お返事をありがとうございます。
また、74000カウントもふんでいただき重ねてありがとうございます!

お話を気に入ってくださっているとのこと。
本当に、本当に嬉し…すぎたので、頑張ってみました(^o^)/
ただ、お礼としては暗いお話になってしまいました。
すみません(((^^;)
もし宜しければ、読んでみてください。

これからも、どうぞ一緒に『blue』を盛り上げてくださいね。
皆さまに、育ててもらっているサイトですから♡
よろしくお願いします(*^^*)

*****

74000番さまへ



♪ピンポーン

夜遅く、こんな時間にインターフォンを鳴らす人物など見当もつかないが、こんな時間にもかかわらずやってくる人間には、マリコは少なからず覚えがあった。

インターフォンのディスプレイを確認すると、マリコはそっと玄関の扉を開けた。

「土門さん、こんな時間にどうしたの?」

「おっ!いたいた~。邪魔するぞ!」

大声で喋る土門は赤ら顔で、明らかに酔っている。

「とにかく入って!」

近所迷惑にならないように、マリコは急いで土門を部屋へと招き入れた。


土門は投げ出すように靴を脱ぎ、ふらふらした足取りでリビングに向かうと、ソファに仰向けで倒れこむ。

「土門さん、ジャケットが皺になるわよ」

目をつむったまま、土門は反応を返さない。
眠ってしまったのかと、マリコは土門の顔をのぞきこんだ。

すると。

突然伸びた腕が、マリコを引き寄せた。

「きゃあ!」

勢い、土門の上に乗り上がる格好になったマリコ。

「土門さん、お酒臭い!」

マリコが抗議してもその腕は緩まず、それどころかなお一層力強く抱きしめられる。

「ちょっと、土門さんてば!」

「…………だ」

「え?なに?」

耳に届いた掠れ声。

「死んだ………俺のせいだ」

「……………」

恐らく、今担当している事件のことだろう。
通り魔に刺され、入院していた被害者が亡くなったことは、マリコの耳にも届いていた。

マリコはそっと土門の頬に口づけた。
反対側にも。
うっすら伸びた髭がチクリとしても、気にしない。
額、瞼、鼻先……土門の真似をするように、マリコは口づけを落としていく。

そして最後の口づけの前に。

「いいのか?止まれなくなるぞ?」

土門からの通告。

「たまにはいいでしょ?こんな、なし崩しだって……」

たとえ『なし崩し』に見えたとしても、二人にはちゃんと分かっているのだ。

今、大切な人のために何をすべきなのか……。


静かな室内にはただ衣擦れの音だけが……密やかに聞こえていた。



fin.


※「なし崩し」とは、本来よい意味の言葉なのですが、今回はあえて「勢いにまかせて…」といった意味で使っております。“なし”と74000の語呂合わせにしたかったので…ご了承ください💦

2020/07/31 23:05