『密着!どもマリ24時』(女の子の日編)
the murder scene
「はあ……」
臨場要請が入り、マリコと呂太は現場に向かった。
バンを降り、鑑定道具を肩に歩き始めるものの、マリコは怠くて仕方がない。
しかも今日の現場はアップダウンの激しい細い山道の先だった。
歩き続けるうちにマリコの足取りは段々と鈍く、重くなっていった。
「マリコさん?」
呂太が前を歩いていたはずのマリコが遅れだしたことに気づいた。
「大丈夫?ぼく荷物持つよ」
そう言葉をかけると、すっとマリコの肩から荷物を受け取った。
「ありがとう、呂太くん」
微笑もうとしたマリコだったが、顔は強ばったままだ。
「マリコさん?ちょっ!マ、マリコさん!!!」
マリコはその場にへなへなと座り込んでしまったのだった。
「どうした!?」
ほどなくして土門が現れた。
現場でマリコたちの到着を待っていた土門はマリコのことを聞き、すぐに駆けつけてきたのだ。
「土門さん!マリコさんが……」
呂太の腕に支えられ、ぐったりした様子のマリコは、土門の声に目を開けた。
顔色は青白く、頬や唇からも赤みが喪失している。
「榊、大丈夫か?」
マリコのもとに屈みこんだ土門は、マリコの額に手を当てる。
「だ、大丈夫。熱はないわ。少し貧血気味なだけ……」
「立てるか?」
「ん……」
呂太と二人がかりで立ち上がらせるものの、ふらふらとマリコの足元は覚束ない。
「……橋口、悪いが宇佐見さんを呼んで現場検証を進めてくれ」
「いいけど……。マリコさんはどうするの?」
「こいつは家に連れて帰る」
「そんな!大丈夫。現場に行くわ!」
「そんなにふらふらで何ができるんだ?かえって周りに迷惑をかけるだけだ」
「でも……」
「榊」
大きくはないけれど、有無を言わさぬ声にマリコはため息をつく。
「……わかったわ」
こんな声の土門には逆らうべきではない。
土門は器用にマリコの体を背負うと、もと来た道を下っていく。
「ど、土門さん!恥ずかしいから下ろして!ねぇ!!」
マリコは土門の首にしがみつき、耳元で騒ぐ。
「静かにしろ」
「…………」
一蹴され、仕方なくマリコはその背中に身を委ねた。
じんわりと伝わる温もりと、一定のリズムで揺れる背中にマリコの瞼がだんだんと重くなる。
こてん。
肩口に頬をあずけると、爽やかな土門の整髪料が香る。
「あっ、土門さんの香りがする……」
マリコは『すぅ…』と意識を手放した。
もちろん、今の言葉が無意識に口から滑り落ちていたことも。
それに反応した土門の耳が赤くなっていたことも、マリコは知らない。
「はあ……」
臨場要請が入り、マリコと呂太は現場に向かった。
バンを降り、鑑定道具を肩に歩き始めるものの、マリコは怠くて仕方がない。
しかも今日の現場はアップダウンの激しい細い山道の先だった。
歩き続けるうちにマリコの足取りは段々と鈍く、重くなっていった。
「マリコさん?」
呂太が前を歩いていたはずのマリコが遅れだしたことに気づいた。
「大丈夫?ぼく荷物持つよ」
そう言葉をかけると、すっとマリコの肩から荷物を受け取った。
「ありがとう、呂太くん」
微笑もうとしたマリコだったが、顔は強ばったままだ。
「マリコさん?ちょっ!マ、マリコさん!!!」
マリコはその場にへなへなと座り込んでしまったのだった。
「どうした!?」
ほどなくして土門が現れた。
現場でマリコたちの到着を待っていた土門はマリコのことを聞き、すぐに駆けつけてきたのだ。
「土門さん!マリコさんが……」
呂太の腕に支えられ、ぐったりした様子のマリコは、土門の声に目を開けた。
顔色は青白く、頬や唇からも赤みが喪失している。
「榊、大丈夫か?」
マリコのもとに屈みこんだ土門は、マリコの額に手を当てる。
「だ、大丈夫。熱はないわ。少し貧血気味なだけ……」
「立てるか?」
「ん……」
呂太と二人がかりで立ち上がらせるものの、ふらふらとマリコの足元は覚束ない。
「……橋口、悪いが宇佐見さんを呼んで現場検証を進めてくれ」
「いいけど……。マリコさんはどうするの?」
「こいつは家に連れて帰る」
「そんな!大丈夫。現場に行くわ!」
「そんなにふらふらで何ができるんだ?かえって周りに迷惑をかけるだけだ」
「でも……」
「榊」
大きくはないけれど、有無を言わさぬ声にマリコはため息をつく。
「……わかったわ」
こんな声の土門には逆らうべきではない。
土門は器用にマリコの体を背負うと、もと来た道を下っていく。
「ど、土門さん!恥ずかしいから下ろして!ねぇ!!」
マリコは土門の首にしがみつき、耳元で騒ぐ。
「静かにしろ」
「…………」
一蹴され、仕方なくマリコはその背中に身を委ねた。
じんわりと伝わる温もりと、一定のリズムで揺れる背中にマリコの瞼がだんだんと重くなる。
こてん。
肩口に頬をあずけると、爽やかな土門の整髪料が香る。
「あっ、土門さんの香りがする……」
マリコは『すぅ…』と意識を手放した。
もちろん、今の言葉が無意識に口から滑り落ちていたことも。
それに反応した土門の耳が赤くなっていたことも、マリコは知らない。