心理テスト、してみませんか?[第2弾]


②の前脚の肉球を選んだあなたは…“ハプニング的なタッチに”

*****

「蒲原さん、これ鑑定書ね」

「ありがとうございます…っと!」

マリコから蒲原へ。
受け渡されるはずの封筒が、一瞬、タイミングがずれてしまった。
お互いに手を伸ばし、床に落ちる寸前で二人の手が受け止めた。

「ごめんなさい!」

「俺の方こそ!」

触れ合った手はするりと離れ、二人は忙しく職場に戻っていった。



「榊、こいつの鑑定を頼む」

大股で科捜研に入ってきた土門は、鑑定依頼書を振り回しながら、マリコを呼ぶ。

「今、手が離せないの。持ってきて」

「わかった」

マリコのラボにズカズカと踏み込むと、「頼むな」と土門は依頼書を手渡す。
マリコは電子顕微鏡をのぞきこみながら、手だけを出した。
その上にポンと資料が置かれる。
と同時に、二人の指先がほんの少しだけ触れ合った。

「!?」

思わず手を引っ込めたマリコのせいで、資料は床に散らばった。

「気をつけろ」

土門は床から紙を拾い上げ、ページを確認しながら、丁寧に重ねていく。

肉厚で質感のある手のひら。
繊細にページを繰る指使い。

それらがマリコに火を点ける。

蒲原さんの時には何も感じなかったのに…。

「ほら。頼むぞ」

改めて向けられた手を、マリコはまじまじと見てしまう。

土門はそんなマリコの様子に苦笑した。

「何を想像しているのか知らんが。そんな熱い眼差しを向けるなら、今夜はうちに来るよな?」

それは質問ではなく確認。

角柱の影で。
おとがいに伸ばされた手に、マリコはそっと瞳を閉じた。



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