シーサイドパニック
その頃、二人分のドリンクを手にしたマリコは……危機に瀕していた。
優しい父親の仮面を被った葉山は、実にしたたかな狼だった。
子どもを餌に好みの女を引っ掻けては悪さをしていたらしい。
当然、大学講師など口からでまかせだ。
「葉山さん!離してください!」
「いいなぁ。その凛とした強気な瞳。攻略しがいがあるなぁ。ねえ、榊さん?」
葉山は両手の塞がったマリコの肩を壁に押し付ける。
空いた片手が、マリコのヒップを撫で上げる。
そして今度は下に向かってそろそろと下りていく。
ショートパンツから伸びる素足をしつこいほどに撫で回す。
「スベスベだ…気持ちいいな。こっちはどうかな?」
そういうと、パーカーの裾から手を滑り込ませた。
「やめなさいっ!」
パーカーの下にマリコは水着を身に付けていた。
でもそれはビキニなのだ。
「思ったとおり、いやそれ以上にいい手触りだな。吸い付いてくるみたいだ。ここも……張りがあるのに、柔らかい」
ニヤリと笑った葉山の手が、マリコの胸の膨らみを撫でた。
「やっ…!」
マリコの瞳から強い光が消えていく。
それを楽しむように、葉山はマリコの首筋にねっとりと舌を這わせる。
「いやっ!やめて!!」
「ぞくぞくするなぁ。いい声ですね、榊さん。もっと聞かせてくださいよ」
葉山の手がパーカーの中で水着を掴んだ。
「!?」
マリコは逃げることもできず、目を閉じた。