『密着!どもマリ24時』(捻挫編)





♪プルプルプル
♪プルプルプルプルプル
♪プルプルプルプルプルプル

しつこい着信音に、寝ぼのけ眼のマリコはスマホに手を伸ばした。

「はい……」
『もしもし土門さん!今何時だと……あれ?もしもし?』
「……はい」
『もしかして、マリコさん?』
「……はい」
『マリコさん……。今日、病院へ来る予定だったわよね?』
「あ…。ごめんなさい。土門さんと寝ちゃって……」
『………………』
「さつき、せんせい?」

早月は電話の向こうでプチパニックに陥っていた。

土門にコールしたはずの電話に出たのはマリコで。
しかも土門と「寝ていた」と起き抜けの幼子のような辿々しい答えが返ってきたのだ。
恐らくマリコは寝ぼけていて、この事態に何も気づいてはいない。

だったら。
早月は何も気付かぬふりを装うことにした。

『後で必ず来てちょうだい。……土門さんも一緒よ!』




1時間後。
苦虫を潰したかのような表情の土門と、まるで高熱患者と見まごうほど赤面したマリコがやってきた。

迎えたのは、三日月まなこと、唇をこれでもかと引き上げた……小悪魔早月であった。

さて、このあと二人がどんな解剖をされたのかは……推して知るべし、だろう。




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