日常の一コマシリーズ≪vol.2≫





「榊、タピオカって知ってるか?」
「ええと……。呂太くんから聞いたことあるわ」
「じゃあ、飲んだことは……?」
「ないわ」

その答えを聞くと、土門は後ろ手に持っていた紙切れをピラピラとマリコに見せる。

「実はな、管理人から無料券をもらったんだ。行ってみるか?」

好奇心旺盛なマリコのことだ。
答えは想像できるが、土門は確かめてみた。

「そうね!行ってみたいわ」



……ということで、二人は非番を利用しタピオカドリンク店へやって来た。

「蒲原に聞いてはいたが、すごい人気だな」
「本当!?でもこの時間が一番空いてるって早月先生が言ってたわ」
「どの店も行列らしいからな……仕方ないな」
「順番に進んでるみたいだし、待ちましょう」
「そうだな」

店の外まで続く列に目を見張りつつも、二人は大人しく最後尾に続いた。


「ところで土門さんは何を頼むの?」
「ん?俺はアイスコーヒーでいい」
「え!?せっかく無料券貰ったのに?」

マリコは首を傾げる。

「この券はお前が使え。俺は普通のコーヒーがいい」

土門は本気でそう思っているようで、店員に渡されたメニューを見ようともしない。

「そう…。じゃあ、私は限定のタピオカ白桃ミルクティーを頼んでみるわね」
「ああ。感想だけ聞かせてくれ」

そんなとりとめのない会話をしているうちに、二人の番が回ってきた。

タピオカ白桃ミルクティーとアイスコーヒーを手に、二人は店内のイートインスペースの一角に腰かける。

「いただきます!」

マリコは太めのストローをくわえ、タピオカ白桃ミルクティーを吸い込む。

その様子に……土門の目は釘付けになった。


『なんか、イヤらしいな……いや、何を考えているんだ、俺は!』
土門は如何わしい想像を追い払おうと、ふるふると頭をふる。


しかし、なかなかタピオカが吸い込めないのか、マリコはさらに頬を凹ませ、力んで吸い込む。

「んんぅ~」


『な、なんて声だすんだ!ああっ…!?そんなに奥までくわえて……って、違うだろ!タピオカだ、タピオカ!』

マリコを見つめる土門の目は血走っていた。

「ど、土門さん?……土門さんも飲む?」

土門の凄まじい視線を勘違いしたマリコは、土門へタピオカ白桃ミルクティーのストローを差し出す。

はっ、と意識を戻した土門は首を横に振る。

「いや、大丈夫だ。それより、うまいか?」
「ええ。おいしいわよ」

にっこり微笑むマリコ。


――――― おいしいわよ。
――――― おいしいわよ。

そのフレーズが脳内でリフレインする。

『ヤバイ……鼻血がでそうだ』



その夜、何でそんなにしつこくおねだりされるのか分からないまま……結局叶えてあげちゃうマリコさんなのでした(*´艸`*)



タピオカ人気にあやかってみた(笑)一コマである。




fin.



■■■ どもマリに、一コマな質問…など(笑) ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/


(管)土門さん、タピオカミルクティー飲んでみました?お味はどうでした?
(土)いや、管理人。今回ほどお前をいいヤツだと思ったことはない!

ポンポンと土門に肩を叩かれる。

(管)はっ?
(土)いいモノをくれた!
(管)はぁ……(無料券1枚だけど?)

(土)榊も気に入っていたしな。何よりいい練習になった!(  ̄▽ ̄)
(管)???
(土)ふははははっ!
(管)ど、土門さん?
(土)じゃぁな!今から別のタピオカ屋へ行く約束をしてるんでな

ひらひらと後ろ手をふり、スキップでもしそうなほど軽い足取りで、土門は去っていった。

(管)え?なに?どーゆーこと!(; ̄Д ̄)?


そして後日「こんなことだろうな~?」と想像した管理人によって産み出されたのが、この一コマなのでした。
お粗末さまです(///ω///)♪



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