日常の一コマシリーズ≪vol.2≫



「んー、寒いわね」

マリコは首をすくめる。

「ああ」

土門はそんなマリコの様子を、目を細めて見ている。

「榊。明けましておめでとう」

「土門さん。今年もよろしく」

向かい合い、新年の挨拶は礼儀正しく行う二人。

「初詣はいつにする?」

「今日は混むわよね…」

「少しずらすか?」

「でも、二人揃っての元旦休みなんて、この先あるかわからないわよね…」

「まあなぁ…」

「おせちを食べてから考えましょうか?」

「おせち?買ったのか?」

「ううん」

「まさか……」

残る可能性は一つしかない。
土門の脳裏に昨年の悪夢が蘇った。

「……作ったのか?」

恐る恐るたずねる土門。

「違うわよ。送られてきたの」

「お袋さんか?」

「ええ」

明らかにほっとした様子の土門に、マリコはむくれる。

「なによ…」

マリコはくるりと土門に背中を向けた。

「いや、すまん」

焦った土門は必死に言い訳した。

例えば。

『お前の栗きんとんだって味は旨かったぞ。黄色じゃなくて、茶色かったが…』

とか。

『黒豆も、ちゃんと味が染みていた。ただ、豆の原型を留めていなかったが…』

とか。

「フォローになってないわよ!」

拒む背中を、やれやれと土門は抱きしめた。

「正月早々、ケンカはしたくない」

「売ってるのはそっちじゃない」

「じゃあ、買うのはキャンセルしてくれ」

「もう…勝手ね」

少しだけ解れた声色に、土門はマリコの顔を自分のほうへ向けさせた。

「代わりに、こっちを買ってくれ」

笑いながらそう言うと。
土門は冷えたマリコの唇に、今年最初のキスを落とした。
そしてそのまま、土門の手がマリコの肌を滑り出す。

「ど、土門さん?おせちは?」

「んー?まずは、こっちの初モノをいただくことにする」

「待って、初詣はどうす………あっ♡」

いつになっても布団からは出られそうにない二人。
寝正月とは、よく言ったものだ(笑)


2022年お正月の一コマである。



fin.



■■■ どもマリ(+α)に、質問…など(笑) ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/


管「お二人とも、明けましておめでとう………」

土「遅いっ!」

管「は?」

マ「ちょっと、土門さん。お正月なんだから…」

土「挨拶が遅いぞ、管理人!」

管「え?でも年が明けてお会いしたのは、今日が最初ですよね?」

土「ほほう…。見え透いた嘘を」

管「嘘をなんてついてないですよ?」

土「じゃあ、なぜ俺たちの元旦の様子を知っている?(*`д´)σ=σ」

管「そ、それは…」

土「フフフ…( ̄ー ̄)ニヤリ。語るに落ちたな」

管「そ、それじゃあ、元旦の“あの!”時にご挨拶しても良かったんですか?」

土「うっ。それはだな」

管「どうなんですか?土門さん!」

マ「二人とも!まずは皆さまにご挨拶でしょう!」

土、管「「………はい」」

マ「皆さま。新年明けましておめでとうございます。穏やかなお正月を過ごされていますか?今年も管理人さんを通してではありますが、どうぞよろしくお願いします」

土「コホン。苦難は続くかもしれないが、明日への希望は忘れずに。ここで一息ついて、また頑張っていこう。“俺と榊”をよろしく」

管「……あの、私は?σ(・_・)」

土「知らん」

管「……(T_T)💧」


呂「えー、ボクは?」

亜「私たちも呼んでくださいよー」

日「何なの?えっちゃんと電話中だったのに…」


マ「みんな!あら?宇佐見さんは」

呂「電話したけど、繋がらないんだよねー」

管「ま、まあ。宇佐見さんのことはいいじゃないですか。(確か、風丘先生と温泉旅行中だったような…?)折角ですし、もう一度皆でご挨拶しませんか?」

マ「そうね。そうしましょう。皆、用意はいい?、せーの!」

全『今年もよろしくおねがいしまーす!』


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