《 at 3:00 PM 》

side 土門




ポカポカと暖かい陽気に、瞼が重くなる。
土門はベンチに腰掛け、いつの間にか舟を漕ぎ始めた。

隣からプシュッと音が鳴る。
暫くすると、今度はコツっと固い音が響いた。

人の気配を感じるのだが、何故だか土門は目を覚まそうという気にならない。
張り込みの時は、些細な物音でさえも目が覚めるというのに……。

そよそよと漂う風が何とも言えず心地よい。
ふと、肩口に温かい何かが触れた。
さらに風が吹くたびに、土門の頬がさらさらとくすぐられる。

そして、押し当てられた柔らかな感触と、芳しい香り。
そおっと離れていこうとするそれを、土門は捕まえた。
同時に目を開ける。

「しばらくここに居ろ……」

眠っていると思っていた土門の突然の行為と言葉に驚き、大きな瞳がさらに開く。

土門はその白衣の腕を強く引き、入り口からは見えないように包み込んだ。




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