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【 読書の秋編2 】


土「榊、何を読んでいるんだ?」

マ「これ?」

本の表紙には『産み分けの神秘とその方法』
所謂ハウツー物だが……。

土「産み分け……って、お前。気が早いだろう?」

マ「え?そうでもないわよ。早く調べておいて損はないもの」

土「そりゃぁ、俺だって……。でもご両親が納得しないだろう、順序が逆だと」

マ「父さんや母さんは関係ないわ」

土「そんなこと言うもんじゃない。俺たちの仕事柄、どれだけ助けてもらうことになるかわからんだろう」

マ「???」

ここに至って、マリコは何となく話が 噛み合わないことに気づいた。

マ「あのー、土門さん?」

土「なんだ」

マ「何の話をしてるの?」

土「何って、産み分けだろう?」

マ「そうなんだけど…。私、今度、風丘先生に頼まれて、特別講義に参加することになってるの」

土「?」

マ「その講義のテーマが………」

マリコはそっと本を持ち上げる。

土「………………………」

土門は明らかに憮然とした表情を見せる。
照れ隠しも含めて。

マ「あ、でも、嬉しかったわ」

土「?」

マ「そんな風に考えてくれてたのね…」

マリコは恥ずかしげにうつ向いて、土門の手をぎゅっと握る。

『産み分け方法は早いうちに調べておくほうが良さそうだ…』そう思う土門であった。


(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」





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