日常の一コマシリーズ
「お前に卵はやったからな。俺は何をもらうかな……」
テーブルに並んだおでんの器を前に、土門が呟く。
随分と冷めてしまったので、マリコが温め直したのだ。
そのマリコは、そわそわと土門の箸の行方を見守っている。
「なんだ?何かほしい具材があるのか?」
「…ううん」
「そうか?じゃぁ……」
そういって、土門の手が大根へ伸びる。
「あっ!」
くくっと笑い、土門は手を止めた。
「大根か?」
「ん…。二つ買おうと思ったら、それで最後だったの……」
土門は大根をマリコの皿に取り分けてやった。
「食え」
「いいの?」
「お前の“大根”好きは知ってるからな」
「そうだった?」
「そうだろ?さっきだって……」
土門は思わず口元を覆って隠すが、目元のニヤ気は隠しきれない。
「さっき?」
マリコはキョトンと皿の大根と土門を見比べる。
「………………!!!!!」
「すまん!何も言うな。さすがにデリカシーがなさすぎると、反省している!」
「💢!……分かったわ、何も言わない。その代わり、土門さんは何もしちゃダメよ!」
マリコは土門の胸元に人差し指を突きつける。
「な、何も?」
「そう、何も……こういうことも、よ!」
思わず肩を引き寄せようと伸ばした腕をぺしっと叩かれる。
「私がいい、って言うまでよ」
質問を先回りしてマリコは答える。
眉根を下げて、土門はなんとも情けない顔をする。
――― ぷっ。
仕方ないわねえ……、くすくす笑いながらそう言うと、マリコは土門を手招きする。
「私からならいいわよね?」
マリコは土門の首に手を回す。
土門はこの期を逃すまいと、マリコを腕に囲い組む。
そして、マリコへ顔を近づけたところで………逃げられた。
とっさにマリコは首を捻り、土門のうなじに顔を隠す。
しかし………。
「つっ!」
チクっとした痛みに、土門は思わず声を洩らす。
マリコが顔をあげると、そこにはくっきりと赤い印が一つ。
「これを見るたびに反省して!」
「………」
「土門さん?」
固まったままの土門に、マリコは訝しげな視線を送る。
「…………ここでおあずけなんて、我慢できるかっ!」
「きゃー!もお!!!」
管理人が書きたかっただけの一コマである(笑)。
(お付き合いいただき、ありがとうございました(^^))
fin.
■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/
(土)………というわけでな。後でしこたま怒られた。しばらくおでんは出さんことにしてる。せっかく届けてもらって悪いが、持ち帰ってくれ
(管)……………
(土)なんだ?
(管)いえ……。そんなおでんなら、犬も食べないだろうなぁ~と思ったので
(土)は?
(管)ご馳走さまでした
(土)はぁ???