日常の一コマシリーズ
時刻は、出勤前。
場所は府警近くのコンビニ。
「ん……」
「何してる?」
「あ、土門さん。おはよう。ベリーにするか、シトラスにするか悩んでるの」
マリコは陳列棚のスムージーを指差す。
「両方飲めばいいだろう?」
「そんなに沢山飲めないわよ…」
そう言ってマリコは苦笑する。
すると、土門はマリコの悩んだ商品を二つとも手に取りレジへと向かった。
「土門さん!?」
店の外でストローを差し、両方とも半分近くまで一気に飲み干す。
「ほら、これなら両方飲めるだろう?」
「ありがとう」
マリコはくすりと笑うと、シトラスのストローに口をつけた。
「お前、もしかしてそれが朝メシか?」
「え?そうだけど…?」
「……」
土門は何やら思案した。
定時間際になって、土門からLINEが届いた。
『早くあがれそうなら、飯行かないか?』
行くわ、とだけ短く返信する。
1時間後、二人は行きつけの居酒屋で夕食をとり、そのまま土門の部屋へ帰った。
明日はお互い非番ではないが、抱えている事件もないので、少しだけ晩酌をしてそのまま床についた。
翌朝、目覚めたマリコが身支度を調えリビングに顔を出すと、目を疑うような光景がそこにはあった。
「何、これ?」
「起きたのか?おはよう」
「お、おはよう…。これ…土門さんが作ったの?」
焼き魚に玉子焼き、お浸しにお味噌汁、納豆と焼きのり。
ベーコンエッグにサラダ。マフィンにヨーグルト。
「お前は栄養が足りなすぎだ!今朝はしっかり食え!」
「う、うん。ありがとう」
マリコはダイニングの椅子に座り、改めて完璧な朝食を眺める。
「ねえ、何で和食と洋食、両方あるの?」
「ん?そりゃ、おまえのせいだろう」
「え?」
「明日の朝は和食と洋食、どっちがいいか聞いても答えなかっただろう?」
「………」
いつの話だろうと思い返し……途端にマリコは顔を赤くした。
「こ、答えられる状況じゃなかったでしょう!おまけに、今日は非番じゃないのに、あんな……」
マリコは目の縁まで赤く染めて、土門を睨む。
「睨むなよ。だから両方作ってやっただろ、ん?」
お約束のあま~い朝の一コマである。
fin.
■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/
(管)結局、マリコさんはどちらを食べたんですか?
(マ)洋食にしたわ
(管)土門さんの料理の腕前は?
(マ)私と比べれば誰でも天才シェフよ(笑)
(土)どういう意味だ!
(管)ところで、『答えられる状況じゃなかった』というのは?
(マ)(土)ノーコメント
(管)『非番じゃないのに、あんな……』とは?
(マ)ノーコメント
(土)お前、確信犯だな。口は開かん。諦めろ!
(管)なーんだ。残念。あれ?マリコさん、ここ、どうしたんです?
(マ)え?
(管)うなじのあたり…
(マ)!!!
ガバッとマリコはうなじに手を当てる。
(マ)まさか、土門さん!
(土)落ち着け。夕べはつけちゃいない
(管)へ~。何をですか?
(マ)(土)………
(管)ご協力ありがとうございました~( ̄― ̄)ニヤリ