日常の一コマシリーズ





日付が変わるまでもう一時間を切った深夜の科捜研。
一部屋だけ煌々と明かりのついた研究室へ土門は足を踏み入れる。
「やっぱりか……」
LINEにメッセージを送っても既読がつかないので、科捜研へやって来てみれば、装置の稼働音以外は静まり返っている。

マリコは机に突っ伏したまま、すやすやと寝入っていた。
仕方なく土門は自分のジャケットでマリコの背中を覆うと、近くの椅子を引き寄せ、どかっと腰を落ち着けた。
恐らく、稼働中の鑑定が終わるまで、マリコは帰らないだろう。
5分が過ぎ、10分が経ち……一向に終わる気配はない。
「まさか徹夜ってことはないだろうな……」



やがて、ピーピーという電子音にマリコが目を覚ます。
「ん?終わった……?」
背中に掛けられたジャケットに気づき、隣をみれば土門は腕を組んだまま船をこいでいた。
「土門さん?」
マリコは土門からのメッセージに、今気づいた。
「待ちきれなくて寝ちゃったのね……」
マリコはジャケットを土門の肩に返し、鑑定結果をプリントアウトする。
白衣を着替え、帰り支度を終えると、土門を起こそうと肩に手をかける。

「もう帰れるのか?」
土門がパチリと目を開けた。
「土門さん、起きてたの?」
「ジャケット掛けてくれたときにな。お前の帰り支度を眺めてた」
「……悪趣味」
「そんなことより!榊、いくら白衣を羽織るからって、白いシャツの時に水色はやめておけ。透けるぞ!」
「!!!余計なお世話よ!大体今日は水色じゃなくて、ピ……」
慌てて口を閉じるが、後の祭りだ。
「ほう…。今日はピンクか?楽しみだな」
「もう!もう!もぉぉ…知らない!」
くるりと背中を向けるマリコ。
土門はそんなマリコの髪を人差し指に巻き付け、くるくると弄ぶ。
そして、マリコが恥ずかしがるのを楽しむように、耳元で何やら囁いている。



土門を探しにやってきた蒲原は、科捜研の入り口で足止めを食らっていた。
なぜなら、開かれたブラインドからは、研究室の様子が丸見えだったのだ。

「ど、どうしたらいいんだ…。入るに入れないです、土門さん……」
宿直、蒲原の夜はまだまだ長い……。


そんな深夜の一コマである。



fin.



■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/


(管)お二人の普段の退社時間は?
(土)事件がなければ、7時ぐらいだな
(マ)私も

(管)帰宅後の過ごし方は?
(土)飯食って、本を読むとかテレビをみるとか…。あとは風呂に入って寝るな
(マ)私もそんな感じね

(管)では事件の最中はどうですか?
(土)何時に帰れるかわからんからな……
(マ)帰れたらシャワーに入って、すぐに寝るわね
(土)そうだな

(管)あの…お二人とも生活パターンが同じなんですね?もしかして一緒に過ごしているとか?
(マ)え?
(土)な、何言ってる!

(あ、うろたえてる…( *´艸`))
(管)じゃあ、じゃあ、昨日は何時に何処へ帰ったんですか?
(マ)えっと……
(土)あー、煩い!ノーコメントだ!さかきっ!帰るぞ!!
(管)何処へ?
(土)俺んち……あ!
(マ)……もぉ…土門さんてば…

(管)ご協力ありがとうございました~( ̄― ̄)ニヤリ


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