日常の一コマシリーズ





「榊、風呂空いたぞ」
「あ……うん」

リビングに戻って来た土門はバスタオルを首に掛け、頭をガシガシと拭いている。
スウェットの下だけを履いた背中には、まだ所々水滴が残っている。
マリコは相変わらず恥ずかしくて、まともにそんな土門を見ることができない。

「早く行ってこい。着替えはこれを使え」
土門から服を受けとると、視線を逸らし、マリコはそそくさと浴室へ向かった。


土門はその間に部屋を片付け、寝仕度を始める。
粗方終わると、ソファに足を投げ出しマリコを待った。
やがて、石鹸の香りをまとったマリコが戻って来た。

土門はマリコの全身を上から順に眺める。
今夜のマリコは、男物の大きめなロンTをダボッと着ている。
長めの袖からちょこんとのぞく指先が、何度もシャツの裾を下へ引っ張る。

「土門さん。あの……、下も貸してくれない?」
「悪いな。今、俺が履いてるのしか洗濯してなくてな」
「え?」
「俺しかいないんだ。気にするな」

『だから、気になるんだけど…』とマリコが余計なことを考える前に、土門はマリコを呼ぶ。

「榊……」
ぽんぽんとソファを叩くと、マリコはしぶしぶとそこ…、土門の隣に腰かけた。

「昼間の約束……いいか?」
「その前に、写真を消して!」
「分かった、分かった」
土門は写真の一言にぷっと吹き出し、マリコに睨まれた。

土門はスマホを持ってくると、マリコの目の前で、例の写真を削除した。

「さて、これでいいな?」
そう言うと、土門はぽすん!とマリコの太もも目掛けて寝ころんだ。
風呂上がりでほんのり温かく、すべすべとした絹のような肌触りは最高に心地いい。

「………(* ̄ー ̄)」
どうあっても土門はニヤ気が止まらない。

人差し指でつつぅーと太ももを撫で上げると、『じっとしてて!』とマリコに注意された。

マリコは、土門の頭が動くたびに妙な感覚に襲われ、頬が赤くなる。
それでも何とか平常心を保ち、土門の耳に綿棒をあてる。

「土門さん、痛かったら言ってね」
「ああ……」

こしょこしょと耳のなかを動く綿棒と、マリコの膝の柔らかさと、マリコの香りと……。
究極の癒しに、やがて土門の瞼が下りはじめる。

「土門さん?」
「……………」

大人しくなった土門の顔をのぞきこむと、静かに寝息をたてていた。
マリコはくすりと笑って、人差し指で土門の頬をつんとつつく。

ところが……。

「……それで終わりか?」
「え?土門さん、起きてたの?」
「寝たふりをしてみたんだが…………もう待てんな」

「ちょ、ちょっと!」

慌てるマリコを尻目に、腰に回されていた土門の手が、シャツの中に忍び込む。

「やぁっ……」


今日、土門が失ったもの……。
マリコの絵の写真、一枚。

逆に得たもの……。
彼シャツの萌えマリコ。
膝枕で耳掻き、癒しのシチュエーション。
そして、―――――これからの甘い夜。


ほくほくが止まらない……土門ラッキーデイであった( ̄▽ ̄)v



fin.



■■■ どもマリに、一コマな質問…など(笑) ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/


(管)あー、やっぱり膝枕&耳かきが正解だったんですね?
(土)やっぱり…って、想定内か?

(管)そうですね。あとは…一緒にお〇呂で、とか?
(土)俺は、それでもよかった!

(管)もしくは、マリコさんから積極的にチョメチョメとか?
(土)それも、いい!いや、それがいい!!

(管)ははは…💦 それはまた次の機会にでも、お願いしてみたらどうです?( ̄▽ ̄)b

(土)分かった!で、次の企画はいつだ!?

(管)土門さん、鼻息荒いです…(-_-;) そしてキャラ崩壊してます…(^▽^;)

(土)ふんっ!<(`^´)>


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