日常の一コマシリーズ
『ここは科捜研ではありませんから……』
「そうよね。さすがにこの設備で顔認証は使えないわよねぇ……」
マリコはだんだんとテレビに近づき、しまいには画面に食いつくようにして、ドラマに見入っている。
尚も、『でもPC持ち込みで歩様なら…いいえ、無理ね。比較データが……』などと、顎に手を当てぶつぶつと呟く。
そんなマリコの様子に、土門は必死に笑いを堪えていた。
「お前、これはドラマだぞ?」
「分かってるけど、気になるんだもの」
マリコは少しだけ頬を膨らませる。
「それにしても、やっぱりこの女優、お前に似てるな……」
「そうかしら?」
さらりと揺れる髪や、目を見開く様子まで瓜二つだ。
「そういう土門さんだって……」
「なんだ?」
「他局だけど、この十津川って警部さん役の俳優さんとそっくりよ?おまけに、相棒役が桃井刑事にそっくりなのよ!前に科捜研のみんなの話題に上ったくらいだもの」
「そうか?こんな顔、芝居で通用しないだろう」
ははは…と土門はまるで興味がない様子だ。
しかし。
「そんなことないわよ!」
「榊?」
「最近は、土門さんみたいに昭和臭いオジサン役者さんが人気なんだから!」
「悪かったな!昭和臭いオヤジで!💢」
土門はブチっとテレビを消した。
「あ~、見てたのに……」
「昭和臭いオヤジはな、頑固者で強引なんだ!」
そう啖呵を切ると、テレビの前に陣取るマリコを背後からぐい、と引き寄せる。
そしてバランスを崩しかけたマリコを、土門はそのまま押し倒した。
「ど、土門さん!?」
「オヤジもまだまだ!ってところを身体に分からせてやろうか?」
「あ、あの……ご、ごめんなさい!だから……ねっ?」
予想以上に焦るマリコを見て。
「あっははは!なんて顔だ、榊!」
その瞬間からかわれていたことに気づいたマリコは、『お返し!』とばかりに土門の首に腕を巻き付けた。
そして、ぐいっと引き寄せると、耳朶を甘噛みした。
「………………」
「土門さん?怒ったの?」
無言の土門に、マリコは声をかけたのだけれど……?
ここから先、マリコが発するのを許されたのは。
――――― ただ切ない吐息と、そして土門の名前のみ。
『十津川警部VS鉄道捜査官』面白かったね🎵の一コマである(笑)
fin.
■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/
(土)結婚したら尻に敷かれそうか……確かにそんな感じだな
土門は録画を見直しながら呟く。
(管)そうですかぁ?
(土)いや、ドラマの話だ
(管)な~んだ!てっきり土門さんとマリコさんのことかと……
(土)バ、バカ言うな!そ、そんなことになる予定は……
(管)予定は?
(土)………
(管)代わりに言ってあげましょうか?(  ̄▽ ̄)
(土)……………
(管)“まだ”ないんですよね~?(笑)
(マ)何がまだないの?
(管)あ、マリコさん!あのですね、マリコさんと土門さんのけ……
(土)うわぁ!何でもない!!
(マ)土門さん?
(管)健康診断の予定ですよ。ねえ、土門さん?
(土)そ、そうだ
(マ)……………ふーん
(管)土門さん、貸し一つですよ♪( ̄ー ̄)ニヤリ
(土)お前……!💢