日常の一コマシリーズ





「鬼はそとぉ~」
「痛っ!おい!たたた…」

パラパラと豆が降ってくる。

「大体、何で俺が鬼なんだ!」
「だってー、鬼は大抵男の人だし、土門さんにはぴったりかなぁ~なんて」

「どういう意味だ?」
土門の目がすぅーと細くなる。

「だって、土門さん鬼刑事っぽいじゃない」
ちらっとマリコは土門を見る。

「なら、俺から鬼が出ていったら困るんじゃないのか?」
「そうか、そうよね…。犯人確保には鬼刑事さんが必要よね。……じゃあ、鬼は私?」
「そうなるな」
土門はニヤリと笑うと、マリコに豆を振りかける。

「ちょっと~!」
マリコは必死で頭を庇う。

「あっ!」
「どうした?」
土門が手を止める。

「……背中に入っちゃった……」
「豆か?」

マリコは頷くと、後ろ身ごろをパタパタ振ったり、軽く飛び上がったりしてみるが豆は落ちて来ない。

「やだぁ。どこに入っちゃったのかしら……」
「どれ?」
土門はひょいとマリコの背中をのぞきこむ。

「やだっ!エッチ!!」
「今さら何言ってんだ……。おっ!これか?」
土門は背中に手を入れ、豆を摘まもうとするが襟ぐりが狭くて、手が奥まで入らない。

「仕方ない。ちょっと我慢しろよ」
土門はマリコが返事をする前に、セーターとインナーシャツをまくりあげた。

「土門さん!?」
土門はブラジャーのホック部分に引っ掛かった豆を取り出した。

「ね、ねえ、取れたの?」
くすぐったいのか、マリコは身を捩る。

「…………」
「土門さん?」

コホン。
土門は一つ咳払いする。
さっきは結構な勢いで豆をぶつけられ、鬼刑事(まあ、事実だが)呼ばわりされたのだ。
少しは仕返しさせてもらおうか?と土門はこの美味しい状況を利用させてもらうことにした。

「ちょっと待て。無理矢理引っ張ると潰れそうだ」
そんなことを言いながら、土門は人差し指でマリコの背骨のラインをくるくると辿る。

「んっ」
マリコは思わず漏れた声に、慌てて口元を手で覆う。
しかし、土門は気づかぬふりをして、さらにイタズラを続ける。
が、さすがにプチっと金具の外れる音が響いたときには、マリコも危機を悟った。

慌てて土門のそばから離れようとするが、しっかり腕を掴まれてしまった。

「逃さん。俺が鬼ならお前は福の神だろう」
「土門さん?」
「福は内だ。福の神を逃してなるものか!」

「……ばかっ」


節分の一コマである。



fin.



■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/


♪ピンポ~ン
(管)こんばん……
(マ)鬼は外!
(管)わあ!

パラパラと豆が降ってくる。

(マ)か、管理人さん、ごめんなさい!
(管)酷いですよ……私は鬼どころか、福々の福の神ですよ。……あれ?マリコさん、どうかしました?
(マ)え?
(管)顔真っ赤ですけど?
(マ)な、なんでもありません!

(土)お前、何の用だ?さっさと帰れ
(管)ひどっ!福は内ですよ、土門さん( ̄ー ̄)b
(土)そんな福はいらん

(管)……分かりましたよ。高級海鮮てんこ盛り恵方巻を差し入れに来たのに……。マリコさんだけどうぞ
(土)おいっ!俺の分は?

(管)どうせもっと“イイモノ”いただいたんじゃないですかー?
(マ)(土)!?

(やっぱり……)
(管)ご馳走さまでーす( ̄― ̄)ニヤリ


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