日常の一コマシリーズ





『土門さん…。どうしよう……』
ひどく沈んだ声が電話越しに聞こえた。
そんなマリコの声はこれまで聞いたことがない。
土門は立ち上がると、コートを手に取り、足早に一課を後にする。

「どうした?」
『…………』
「榊?」
『…………』
電話口の向こうは沈黙したままだ。

――― 泣いているのか……?

土門の足は自然と小走りになる。

「土門さん?どこ行くんですか?」
鬼気迫る表情の土門へ、蒲原が目を丸くしながらたずねる。

「急用だ!今日は戻らん。何かあれば携帯へ連絡しろ!」
土門は蒲原の脇をすり抜けながら言い放ち、最後は振り向き様に怒鳴った。

そして同時に、電話口へも告げる。
「とにかく、今から行くから待ってろ」
『……きが、…………』
マリコが何か応えたような気がしたが、土門は先を急いだ。


マリコの部屋へ到着してみれば、彼女は洗面所の前にぺたりと座り込んでいた。

「おい、どうした!?」
慌てて土門が走りよる。

「土門さん……」
「ん?」

「洗濯機が…………」
「?」

「洗濯機が壊れちゃった!」
「はあぁぁ?」

「どうしたらいいのかしら。コインランドリーなんて使ったことないし……。それに、そんなところで下着は洗えないわよね……」

半泣き顔のマリコは、いつもなら土門の理性を焼き切るほどの破壊力を持っているのだが、さすがにこのときは違った。

「お前……。何事かと思うだろうが!」
「だってぇ……」
ぐすんと鼻を鳴らされては、土門もあまり強くは出れない。

「とにかく、メーカーに電話して、修理に来てもらえ。それまでうちの洗濯機を使えばいいだろ」
「ん。ありがとう……」

マリコは洗濯物をランドリーバッグに詰め込んでいたが、ピタリと手を止めた。
「あの………」
「なんだ?」
下を向きもじもじと躊躇うマリコの様子に、土門がその原因に気づいた。

「下着か?」
「う、うん……洗わせてもらえるかしら?」
「問題ない。それにお前の持ってる下着なんて、全部把握してる。何なら確かめてみるか?ピンクが2セットだろ。白のレースが…………むぐっ」
「もう結構よ!」
マリコは土門の口を両手で塞ぐ。

土門はそんなマリコの衿元に指をかけ、くいっと下へ引っ張った。

「きゃぁ!」
慌ててマリコは土門から離れる。

「前言撤回だ。俺は黒なんて見たことないが………?」
土門の目が据わる。

「ど、土門さん?」

「さっさと支度しろ。家についたら、じっくり確認させてもらう」


黒い疑惑の一コマである。(笑)



fin.



■■■ どもマリに、一コマな質問 ■■■
*管…わたくし、管理人でーす(^^)/

(土)ニヤぁ……(  ̄▽ ̄)

(管)ど、土門さん?
(土)んあ?なんだ管理人、いたのか?
(管)な、何かいいことでもあったんですか?

(土)……ふっ。
(管)な、な、なんですか!?気になるじゃないですかぁ?
(機嫌悪いかと思ってたんですけど……はて?)

(土)聞きたいか?
(管)そりゃ、教えていただけるなら……

(土)ふふん。実はな、俺のためだったらしい
(管)は?
(土)白状させたらな。俺のために用意して、こっそり準備してたらしくてな……(  ̄▽ ̄)
(管)はあ……
(準備って何を?と、その前に、白状って……マ、マリコさん(@_@;))

(管)あの、マリコさんは?
(土)ん?ここのところの疲労が溜まってるのか、休んでるところだ
(管)へ、へえ~

(土)バカ、バカ、バカ、土門さんなんて、キライ……じゃないけど、バカぁ~!

(管)い、今、マリコさんの叫びが聞こえたような…?
(土)気のせいだろう(キッパリ)


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