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“パカッ!”
その金属音に三角の耳がピンと反応した。
そうかと思うと、小さな物体が疾風の如くマリコの隣を走り去った。

「きゃっ!なに?」

カクテルグラスをつかもうとしていたマリコは、慌てて倒しそうになった。

「おっと!」

その手ごと、土門は包むようにグラスを支える。

「オパール!?」

大好きなマリコを差し置いてもなお、オパールは目の前の銀皿に夢中だ。

「榊さま、申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「ニャニャニャニャン!」

『そんなことより!』と前足でポンポンと床を叩き、主人に猫缶を催促するその姿は誰かさんとよく似ている。

「事件現場のお前みたいだな」

事件と聞けばさっそうと現れ。
ご遺体は?
凶器は?
遺留品は?
と、畳みかける白衣の女。

「なによ…」

拗ねたマリコは口を尖らせる。

「土門さんだって同じじゃない。私がお風呂の扉を開けると、すぐに一緒に入ろうとするし。寝るまえにスキンケアしてると、早くしろってベッドを叩くじゃない」
「お前なぁ……」

土門は脱力する。

「そういうのは二人のときにしてくれ」

もちろん、マスターは聞こえない振りを決め込む。
そしてオパールは…。

バリバリと土門のスーツに爪を立て始めた。

「おい、辞めろ。オパール!俺の一張羅なんだぞ!」

着たきり雀の土門は悲鳴を上げる。

翌日、京都市内の青○でスーツを物色する二人の姿があったとか、なかったとか。


(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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