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マリコが屋上へ行くと、先に来ていた土門は立ち尽くし、手にしたスマホを睨みつけていた。

「どうしたの?」
「非通知からの着信が何件もあるんだ」
「イタズラ電話かしら?折り返してみたの?」
「ああ。だが誰も出ない」
「気味が悪いわね。泰乃さんに頼んで調べてもらったら?」
「いや。まだ何か被害があったわけでもないからな」
「何かあってからじゃ遅いわ」

言い合っている間にもスマホが鳴った。

土門は一瞬マリコをみると、電話に出た。

「もしもし?」
『あー!!!やっと繋がったヨ。お久しぶりネ、刑事サン』
「お前は………………」

久しぶりだが、忘れはしない。
言葉尻の独特なイントネーション。
本当は流暢な日本語を喋れるくせに、あえてカタコトのように話すこの男の名は…。

「王か!」

土門は憎々しげに、中国茶寮の店主の名を呼んだ。

「突然、何の用だ?」
「めでたい日だから、お祝いしょうと思ってネ」
「めでたい日?お祝い?」
「そう!Happy Birthday!今日は“ドラえもんの誕生日”ダネ」
「だーかーらー、俺は“ドラえもん”じゃねえ。土門だ!💢誕生日も6月だ!!」

「土門さん、王さんなの?」

マリコが土門の顔を覗き込む。
しかし、土門はマリコへ背中を向けてしまった。

『あれ?もしかして、マリコさんデスカ?』
「榊はいない!」
「ちょっといるじゃない!ねえ、王さんからの電話なの?」
『マリコさ〜ん♪』
「うるさいっ!用がないなら切るぞ」
『オット!まだ切らないでクダサーイ。ドラえもんの誕生日記念にプレゼントを送ったカラ…』
「そりゃ、ありがとよ。じゃあな」

話し途中にもかかわらず、ブチッと土門は電話を切った。

「悪霊退散」
「土門さんたら…」



その晩、帰宅した土門はポストに王からの郵便物があることに気づいた。

「電話で言ってた祝いの品か。それにしてもあいつ。いつの間に俺の住所を調べたんだ。個人情報がダダ漏れだな」

不満げな土門の背後からその手の中を覗いたマリコは、「早く開けてみましょうよ」と土門をせっついた。

「わかった、わかった」

二人はリビングのソファに落ち着くと、さっそく封を開いた。

「ドラえもんミュージアム?」
「…の、チケットね」
「あのヤロー。どこまで人をおちょくれば気が済むんだ!」
「まだ何かあるわよ」

マリコに言われて、土門は中身を引っ張り出した。

「これは?」
「『星の○京都』のチケットだわ!すごい。行ってみたいと思っていたの」

高級ホテルの宿泊券に、マリコは目を輝かせている。

「そうなのか?ん?」

土門はチケットの入っていた封筒に、メモが挟まっていることに気づいた。

“Have a nice holiday."(素晴らしい休日を)

「気障なヤローだ。ふんっ」

土門はなんとなく面白くないが、それも一瞬のこと。

「土門さん、いつ行く?久しぶりにゆっくりしたいわ」

「ね?」とマリコは、土門へ笑いかける。

「おう。そうだな」

コロリと機嫌の治った土門は、さっそく休暇の相談を始めた。
マリコを膝の上に横抱きにして。
その耳元で囁きながら。

少しだけイタズラも…したりして。ムフッ❤



(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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