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「わぁ。沢山年賀状が届いているわね。所長に、亜美ちゃん、父さんと母さんからも!」
「そうだな」

元旦のポストにはハガキの束がいくつか配達されていた。

「あ!これ乾くんからだわ」
「乾のやつ、元気にしてるのか?」
「うん…今は地元の病院に務めて、開業できるように準備を進めている、って」
「最期にオヤジさんとの溝が埋まってよかったな」
「ええ。乾くんは新しい夢に向かって頑張っているんだわ」
「おい、相馬からもエアメールが届いてるぞ」
「あら、本当」

ハガキを裏返せば、暖炉の前でピースした自撮り写真。

「あいつ、今年もひとりなのか?」
「でも元気そうじゃない」

本当にこの二人は似ている。
飄々としたところは特に…と土門は苦笑した。

「土門さん、見て」
「ん?橋口か?先生ぶりが板についてきたな」

呂太の年賀状には、理科室で生徒たちと実験している様子が写っていた。

「これは理科クラブの生徒たちですって。呂太くん、楽しそう」
「羨ましいのか?」
「少しね」
「だったらお前も早いとこ子どもでも産んで、親子で実験したらどうだ?」
「それ!いいわね」

冗談半分のつもりが、マリコは目を輝かせてノッてきた。

「…そう来るか。で、この体勢は何なんだ?」

マリコはソファに座る土門を押し倒し、その上に乗り上がる。
ノッてきたのは、気分だけではないらしい。

「え?土門さんが言ったんじゃない。早いとこ子どもを産んで、って」
「俺をからかってるのか?」
「さあ?」

くすっと笑うマリコは今年も魅力的で、早くも姫始めの儀を執り行うこととなった土門。


「それにしても、なんでお前の年賀状がうちに届くんだ?」

行動を見透かされている二人であった。



(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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