『密着!どもマリ24時』(マリキャン編)
in the auto campsite ②
慣れないながらも何とかテントを設営し、焚き火台まで設置を終えると、もう5時を過ぎていた。
「よし、他のテントを偵察してみるか」
「ええ」
二人はぶらぶらと散歩する振りをしながら、周囲のテントをくまなく確認していく。
途中、土門のイヤモニに着信があった。
「土門だ」
『土門さん、怪しい人間はいましたか?』
相手は蒲原だった。
「いや、まだそれらしき人物は見つからないな」
『わかりました。引き続きお願いします』
「おう…」
「ねえ、土門さん」
「ん、何だ?」
「あそこのテントで作っているお菓子、美味しそうね」
マリコが見ているのは、家族連れのテントだ。
BBQ用の串に大きなマシュマロを刺し、コンロで炙っている。
どうやらそれをクッキーにサンドしているらしい。
よほど美味しいのか、子どもたちが次々におかわりをせがんでいた。
「ああ、あれはスモワだな。かなり甘いぞ」
「コーヒーに合いそうじゃない?」
「確かにな。今度やってみるか?」
「ええ!食べてみたいわ」
「おっ!あっちのテントは、たこ焼きパーティーだな」
2つ隣のテントからは、鰹だしのいい香りが漂ってくる。
「そういえば、ホットケーキミックスを使って、たこ焼き機でアメリカンドックとかも作ると美味しいんですって!」
「ほぅ。色々アレンジができそうだな」
「ええ。それに楽しそう♪」
「よし、これも試してみよう」
「うん!」
「……………」
蒲原はイヤモニから流れてくる会話に硬直した。
おそらく、土門は通話が繋がったままだということに気づいていないのだろう。
「土門さんとマリコさん、BBQなんてするのか?」
それも二人で…。
ものすごーく知りたい。
知りたいけれど、それを聞いたときの土門の顔を想像し、蒲原は一人で震え上がった。
恐らく、周囲の気温は氷点下まで下がるだろう。
身も心も凍るような体験は絶対に避けたい。
このことは自分の胸に収め、蒲原はそっと通話を切った。
慣れないながらも何とかテントを設営し、焚き火台まで設置を終えると、もう5時を過ぎていた。
「よし、他のテントを偵察してみるか」
「ええ」
二人はぶらぶらと散歩する振りをしながら、周囲のテントをくまなく確認していく。
途中、土門のイヤモニに着信があった。
「土門だ」
『土門さん、怪しい人間はいましたか?』
相手は蒲原だった。
「いや、まだそれらしき人物は見つからないな」
『わかりました。引き続きお願いします』
「おう…」
「ねえ、土門さん」
「ん、何だ?」
「あそこのテントで作っているお菓子、美味しそうね」
マリコが見ているのは、家族連れのテントだ。
BBQ用の串に大きなマシュマロを刺し、コンロで炙っている。
どうやらそれをクッキーにサンドしているらしい。
よほど美味しいのか、子どもたちが次々におかわりをせがんでいた。
「ああ、あれはスモワだな。かなり甘いぞ」
「コーヒーに合いそうじゃない?」
「確かにな。今度やってみるか?」
「ええ!食べてみたいわ」
「おっ!あっちのテントは、たこ焼きパーティーだな」
2つ隣のテントからは、鰹だしのいい香りが漂ってくる。
「そういえば、ホットケーキミックスを使って、たこ焼き機でアメリカンドックとかも作ると美味しいんですって!」
「ほぅ。色々アレンジができそうだな」
「ええ。それに楽しそう♪」
「よし、これも試してみよう」
「うん!」
「……………」
蒲原はイヤモニから流れてくる会話に硬直した。
おそらく、土門は通話が繋がったままだということに気づいていないのだろう。
「土門さんとマリコさん、BBQなんてするのか?」
それも二人で…。
ものすごーく知りたい。
知りたいけれど、それを聞いたときの土門の顔を想像し、蒲原は一人で震え上がった。
恐らく、周囲の気温は氷点下まで下がるだろう。
身も心も凍るような体験は絶対に避けたい。
このことは自分の胸に収め、蒲原はそっと通話を切った。