旅路
同じ薫り、同じ風。
それでも。
目には見えずとも何かが、何処かが少しずつ変わっているのかもしれない。
それが時の流れというものだろう。
マリコは見慣れた町並みに目を向けた。
果てしなく続くだろうと思っていたものは、もうすぐ無くなってしまうけれど。
これまで目にしてきたこと、手に触れてきたもの、全てに意味はある。
私たちは先の長い
その道のりには、誰かを愛したり、何かを忘れたり、色々あると思う。
友情。尊敬。嫉妬。そして…。
これからも色んな愛の形を受け取って。
私からもあなたに返していく。
私も愛するでしょう。
あなたと、あなたの愛するもの、全てを。
「なあに、土門さん」