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非番に並んでソファに座り、くつろぐ二人。いつの間にかテーブルにおいたマグカップは空になっていた。それを合図に、土門がテレビを消すと、部屋は静寂に包まれる。
土門は手をのばすと、マリコの両頬を包み、ゆっくりと顔を近づけていく。自然と目を閉じるマリコに、土門は唇を重ねた。
恋人の時間は優しくて、ほんの少し照れくさい。
身を委ねてくるマリコに、土門は気をよくした。
もう一度口づけ、そのままマリコをソファへ押し倒す。
すると、驚くことが起きた。
急にマリコが深く口づけてきたのだ。
「驚いた?たまにはお返しよ」
「なっ…!?」
思わぬ反撃に、土門は赤面するばかり。
「ふふふっ」
小悪魔な微笑みは、想定外な夜の始まり。