11



非番に並んでソファに座り、くつろぐ二人。いつの間にかテーブルにおいたマグカップは空になっていた。それを合図に、土門がテレビを消すと、部屋は静寂に包まれる。

土門は手をのばすと、マリコの両頬を包み、ゆっくりと顔を近づけていく。自然と目を閉じるマリコに、土門は唇を重ねた。

恋人の時間は優しくて、ほんの少し照れくさい。
身を委ねてくるマリコに、土門は気をよくした。
もう一度口づけ、そのままマリコをソファへ押し倒す。

すると、驚くことが起きた。
急にマリコが深く口づけてきたのだ。

「驚いた?たまにはお返しよ」

「なっ…!?」

思わぬ反撃に、土門は赤面するばかり。

「ふふふっ」

小悪魔な微笑みは、想定外な夜の始まり。


5/6ページ
スキ