ニューヨークからの客人





「まったく、いつも慌ただしいね。相馬くんは」

宇佐見は苦笑しつつ、日野の前に茶器を置く。

「ありがとう。いただきます」

芳醇で豊かな香りの広がる緑茶を一口、日野は含む。
至福のひと時…となるはずだった。
しかし、その緑茶は喉を通る前に吹き出される運命を辿った。

「ねー、みんな。聞いて!土門さんとマリコさん、婚約したんだって!!」

元物理研究員から現研究員への緊急連絡網にて。




fin.



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