新・チャレンジ企画
「おい、管理人からもらったアレ…そろそろ賞味期限じゃないか?」
「アレ?」
マリコは首を傾げる。
「今日は何日だ?」
「11月10日よね?」
「そうだ。ということは、明日は11日だ」
「???」
マリコには全く通じない。
「11月11日は何の日だ?」
「あ!ポッキーの日?」
「そういうことだ」
「でも、それとアレって……?」
「お前…。本当にそういうことは覚えてないんだな。去年のこと、忘れたのか?」
「去年?」
去年のポッキーの日は、府警を見学に来ていた小学生にポッキーを配ったのよね?
それで沢山余ったから、もらって帰って……。
「そうよ!ポッキーゲーム!」
そう声を上げた瞬間、何を思い出したのか、マリコはボボボッと顔を赤くした。
そんなマリコを笑う土門は、「その翌日のことも思い出せ…」とマリコに言う。
「そうだったわ。管理人さんからお土産にジャイアントポッキーをもらったのよね…?」
「やっと思い出したな?そのポッキー、まだ食ってないだろう」
「そうね。でもなんで今日なの?どうせなら、明日……」
土門はマリコの鼻先で、“チッチッチッ”と舌打ちしながら、人差し指をふる。
「今日でなければならない理由は2つある」
「2つ?」
「そう。1つは、奴に嗅ぎ付けられると面倒だからだ」
(ちょっとそれ、私のことー!?by管理人)
「もう1つは?」
「それは食べれば分かる」
そういうと、土門はポッキーの箱を探しに立ち上がる。
やがて見つけ出した箱を開け、長いポッキーを一本取り出した。
土門はポッキーを口にはさむと、「ん!」とマリコに顔を向けた。
「な、なに?」
「……………」
ふざけているのか、本気なのか…。
じとーっと土門にねめつけられ、しぶしぶとマリコは反対側に口をつけた。
すると、土門は大口を開けてバリン、バリンと食べ進めてくる。
これでは1日早くポッキーゲームをするだけだ。
段々と近づいてくる土門の顔に、マリコの体温は上昇する。
――――― 恥ずかしいわ…、もう辞めたい。
そう思い、目を閉じたマリコだったが……。
「?」
なかなか土門の唇は襲ってこない。
うっすら瞳を開いてみれば、まだ土門の顔は大分先にあった。
普通サイズよりも長く太い分、食べ進めるのに時間がかかるのだ。
土門は途中で諦め、ポッキーを口から離し、マリコからも奪う。
「な?このポッキーじゃあ、ポッキーゲームにならないだろ?」
「それが2つ目の理由?」
「そういうことだ。この検証の結果、明日ポッキーゲームをやるためには、我々は普通サイズを買わなければならない」
腕を組み、難しい顔で土門は重々しく宣言する。
そうかと思えば、ニヤッと笑い、マリコの口の端についたビスケットを指先で払う。
そしてそのまま、指は顎を捉えた。
「ポッキーゲームは明日の楽しみに取っておくとして……」
「な、なに?」
「これは、これでもらっておく」
「……!!!」
チョコレート味のキスは、もちろん一度では終わらない。
fin.
はっ!Σ(゚□゚;)
結末がお題と違っちゃった!?
でも、ラブラブだから……許してくださいませ💦
(『やめる』、だなんて勿体なさすぎます…ゴニョゴニョ)