『密着!どもマリ24時』(マリコさんB.D編)

in the city



「もう!」

「…………」

「もう!もう!!」

「……悪かった」

ツン!とマリコは返事すらしない。

「すまん。機嫌をなおしてくれ」

「何が『俺の一日をお前にやる』よ。もう半日しかないじゃない!」

マリコのご立腹はもっともで。
昨夜の営みを終えたのは、すでに東の空が明るくなってからだった。
最後には意識を飛ばしたマリコと、脱力して泥のように眠った土門が目覚めたときには、すでに昼すぎだったのだ。

そこで「とりあえずランチを」と、二人は街へと繰り出したのだ。



「朝からドライブだけでも出かけたかったのに……」

「すまん……。ん?」

土門は旅行会社の前で足を止めた。

「榊。今日の埋め合わせに、今度の休みはここへ行ってみないか?」

そういって、土門はツアーのパンフレットの一枚をマリコへ見せた。

「びわ湖バレイ?アスレチックとかは、ちょっと……」

「それだけじゃなさそうだぞ。ロープウェイもあるみたいだ」

「あら、本当!」

「眺めのいいところで、ゆっくりするのも悪くないだろう?」

「そうね。こういう場所なら脳からα波も沢山でそうね。リラックス効果が期待できるわ」

「……要するに、賛成、だな?」

相変わらずのマリコに、土門は苦笑する。

まぁ、そういう部分も含めて……。

土門はマリコの手を握った。

「土門さん?」

「ん?」

「……………何でもないわ」

「……そうか」

中学生でもあるまいし、こんな些細なことでうっすら頬を染めるマリコが。

『……可愛い』

と思う土門だった。




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