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「どれにしようかしら…」

マリコはスマホの画面に忙しく指を滑らせる。
何かを選んでいるようだ。

「何を探しているんだ?」
「ネクタイよ」
「ネクタイ?」
「ええ。ダイエット菌の捜査で、父さんに色々と協力してもらったでしょう?何かお礼にと思って…あ、これなんてどうかしら?」

マリコが見つけたのはキャラクターのネクタイ。
ディズニーにはじまり、ジブリ、Miffyと並ぶ中から、マリコはドラえもんを指差す。

「いや、さすがに監察官にドラえもんはまずいだろう」
「そうかしら?だって普通のネクタイは持っていそうなんだもの」

「うーん」と再び悩み始めたマリコだったが、疲れてしまったのか。

「いいわ。このダークグレーのストライプにするわ」
「妥当だな」
「でしょう?あ、そうそう。あと拓也の分も…」
「!?」

土門の眉がピクリと動く。

「倉橋室長にも送るのか?」
「ええ。だってすごく協力してくれたんだもの。拓也はそうねぇ…」
「Miffyとか似合いそうじゃないか?」
「あ、やっぱり、土門さんもそう思う?私もこれがいいかなぁ〜と思っていたのよ♪」
「……………」

土門は無表情を決め込み、『マジか?』という感想を完璧に隠す。
マリコはオレンジのMiffyネクタイをポチリと確定した。


数日後。

「あ、拓也!ネクタイ届いた?」
『マリコ。俺は一応警察庁の幹部だぞ!こんな柄のネクタイ着けられるか!』

電話の向こうで倉橋は憤慨していた。

「えー、似合うと思ったんだけどなぁ」

可愛らしい声で落胆されると、さすがの倉橋も慌てた。

『…そっちへ出張するときには着けていくよ』
「うん。待ってるね」

隣で聞いていた土門は、不機嫌そのものだ。
電話を終えたマリコは、手にしていた紙袋から包みを取り出すと、「はい」と土門に差し出した。

「何だ?」
「土門さんにもネクタイ」
「俺にも?」
「父さんと拓也はあの事件だけだけど。土門さんにはずっと協力してもらってるから…。ね、開けてみて」

長細い箱を開くと、現れたのは鮮やかな緋色。

「やっぱり土門さんには赤が似合うと思って」

優しく微笑まれて、土門は口をへの字に曲げる。
人気のない屋上でよかったと、赤い耳が語っていた。


(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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