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《ハグの日(8月9日)編》

土門とマリコは廊下で立ち話をしていた。
すると。

「マリコさぁ〜ん」
「え?呂太くん?」
「マリコさぁ〜〜〜〜ん」

廊下の先からぐんぐんと走り寄ってきた呂太は、そのままマリコを抱きしめた。

「!?」

マリコは驚いて、固まっている。

「橋口!💢」
「うわぁ!」

ものすごい勢いで、土門はマリコから呂太を引き剥がした。

「お前、セクハラだぞ!」
「えー、だって今日はハグの日なんだよ。それに、前に相馬さんが『NYならハグは挨拶代わりだ』って」
「ここは日本だ!」

「呂太くん。私と相馬くんの挨拶と言ったらこれよ」
「痛い!マリコさん、痛いよー」

耳を引っ張られ、呂太はすごすごと退散していった。


「橋口のやつ、何考えてんだ!俺だってまだ……!」

『しまった!』と土門は滑りかけた口を慌てて閉じる。

「まだ……何?」

聞き逃さなかったマリコは、じっと土門を見上げた。

「うっ」

そのビームは強烈すぎる。

「な、何でもない」
「そう?……ねえ、土門さんは今日がハグの日だって知ってたの?」
「ま、…まぁな」
「ふーん」

さらに大きな瞳が土門を捉える。

「何だ?」
「期待の眼差し、かもね」

土門はまるで容疑者のようにじりじりと追い詰められていく。
『くそっ!』と犯人のように毒づくと、マリコの腕を掴み非常階段へ引っ張っていった。

「土門さん?」
「むこう向け」
「え?」
「いいから!あっち向け!」

土門はマリコの両肩を掴むと、くるりと回れ右をさせた。

“ふわっ”

「…………もしかして、土門さん。照れてるの?」
「……………」

何も答えない土門に、マリコは『ふふっ』と笑う。

背中から伝わる温かさも。
少し早い鼓動も。
耳元にかかる吐息も。

「ねぇ。もう少しの間だけ……いい?」

ぎゅっと強くなった拘束力はyesの答えか。



(こっそり)
管「送信ありがとうございました!(≧∇≦)管理人の頑張る源です。ぜひまたお越しください(^^)」


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